夕方の街。自転車を走らせながら風を切る。
例えばあたくしがまだ制服を着ていた頃、12月の街はもっと冷たい空気が漂っていたような記憶がある。 今年の冬は、随分と暖かいよなぁ・・・・しみじみとそんなことを思った。 コートも着ずにマフラーだけで、同じように自転車を走らせるセーラー服を着た高校生とすれ違う。 嗚呼・・・・若いってすばらしい(爆)。
ここ数日で少しずつ冷え込むようになってきて、晩秋からやっと冬になった感じだ。 毎年この時期、ある瞬間に思いを馳せるあたくし(苦笑)。 今自分の暮らしている場所は、実は、その当時を振り返ると自動的に見えてくる風景と重なる。 こうやって自転車を走らせているこの道が、角に古くからあるあのお店が、 昔はなかった信号機が、同級生が住んでいたはずの古い家屋が、 今の新しい暮らしの中の「リアル」と、思い出の中の風景として奇妙にシンクロする。
子を産んで思うのは、すっかりあたくしの中の感覚がリセットされたみたいで。 いい意味では「少女」の頃をきちんとやり直せる準備が整った感じでもある。 それは厄介なことに、まだまだ恋が足りないと思わせることもしばしばだったりするのだけど(笑)。 この子を抱えて恋でもないなぁと、己を哂ってみるのだ。 ただ暖かくて気持ちのいいこの冬をやっと手に入れたことで、 あたくしはふんわりふんわりと生きることが叶い、今とっても気分がいい。 本当は、少女時代にこういう感覚を味わいたかったんだということを改めて知る。 たとえその幸福感が、直後に儚く消えてしまうことになろうと、 実感として、あの時のあたくしには必要なファクターだったんだ。 だって今、あたくしは肉体的にはかなり疲弊しているものの、とにかく安定しているし、 以前のように激しく生産性を追及するのとは違うけれど、毎日変化に富んだ生活がやってくる。
自分以外の人間に、泣いてまで求められるなんていうのは、人生史上初めてのことだしね(笑)。
今までの暮らしの中で、「この人がいないと寂しいな」「一緒にいたいな」と 思ったり思われたりというのは何度もあった。 ただ、その人がいなくなっても、離れ離れになっても、何となく生活は成立した。 それがどうよ? 「お腹すいたですーーーーーーーっっ!!」 「眠いんですーーーーーーーーーっっ!!」 「もう、何だか退屈なんですーーーーーっっ!!」 「オムツ気持ち悪いんですーーーーーっっ!!」 「遊んでほしいんですーーーーーっっ!!」 「よくわかんないけど、何となくーーーーーーーーっっ!!」 離れ離れじゃ成立しない生活。欲求と要求の嵐(爆)。 あんなに勝手に生きてきたこのあたくしが、彼女の欲求と要求を満たすために、 粉骨砕身しているのは、自分でも滑稽だと思うよ(笑)。
15年以上も前のことを思い出してみたりしていたけど、この間美容院に行ったとき、 カラーの薬剤塗布をしてくれたお兄ちゃん・・・・干支が一緒だった( ̄□ ̄;)!! ・・・・とはいえ、20歳。 え???? 20歳の子と干支が同じなんですかっ??? 寅年のアサミンジャーは一瞬、自分の年齢までデリートしそうになっていたのでした(笑)。 おぅ・・・・わかっているさ。 1年に1つずつ、ちゃんと齢を重ねていくという現実くらい( ̄∇ ̄;) いつまでも自分がそう若くはいられないってこともな。 う〜ん・・・・それにしても、同じ干支の子が成人式・・・・。 微妙な気持ちになってしまった、暖冬の昼下がりでした(笑)。
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