2005年01月13日(木)
「あの道 この道」をなんやかんやすると・・・・


放送開始数日にして、「うぉっ!!」と叫びそうになった番組がある。
昼ドラである(をぉ・・・・主婦まっしぐらとかゆうな)。
「牡丹と薔薇」は確かに目新しくて、バカみたいで、笑えて、面白かったんだけど、
今回始まった「冬の輪舞」・・・・絶対にコレと同じようなドラマをどっかで見たことがある!!
・・・・このように思ったのである。


しかも、ガッツリ視聴しているわけではなく、何かをしながら丁度テレビがCXのまま
チャンネルを変えずにそのまま放置していた時に、偶然気付いたのであるが、
明らかにせりふの中に「大丸千鶴子」という言葉があるのである。


・・・・大丸千鶴子


あたくしの頭の中では、「大丸千鶴子=伊藤かずえ」である(爆)。
ユリ姐・・・・ゲラゲラ笑うな。過剰反応とか言うな(笑)。
ふとブラウン管に目をやると、そこに伊藤かずえの姿はなく、もっと若い別の女優さんが
それこそ「牡丹と薔薇」の香世のようにふんぞり返っているのである。

そう。
もう十数年前に一大ブームとなった大映ドラマに出て来るんだよ、大丸千鶴子は(爆)。
「乳姉妹」というあの有名なドラマの中で・・・・。

もうどうしても気になって、スタッフロールを食い入るように眺めた。
・・・・やっぱりだ。
原作は読んだことはないのだけど、吉屋信子という人の原作「あの道 この道」というのが
この「冬の輪舞」の原作モチーフとなっていた。
奇しくも、丁度今から20年前。1985年、吉屋信子原作の「あの道 この道」をモチーフに
「乳姉妹」はTBSで放送されたのであった。


ただ、原作を読んでいないだけに、「乳姉妹」にしろ、「冬の輪舞」にしろ、
吉屋信子が怒りださないかと心配になるほどのデフォルメは、多分に含まれているものと思われる。
登場人物の名前もほとんど一緒。今のところ違うのは、しのぶの育った家の姓くらいだ。
今、少し調べたら、この「あの道 この道」というのが発表されたのは、昭和9年のこと。
大映が目をつけた時点で、既に半世紀以上経っていたということになる。


しかし、自分で「イタイな」と思ったのは、こんなにも昼ドラのモチーフにピッタリの作品に
小学生時代とはいえ、どっぷりとハマっていたということだ( ̄∇ ̄;)
「乳姉妹」は1時間ドラマで、およそ半年続いた。物凄く壮絶に物語が動く。
さすが大映ドラマ(爆)。

原作とはきっと物凄く離れてんだろうなぁ・・・・。

前に、「不良少女とよばれて」の原作を読んだことがあるのだけど、ドラマと原作には
物凄いギャップがあって、原作の「不良少女」とドラマのそれとは、質そのものが全く違って、
しかも、時代背景も原作は戦後間もない頃だったりしたので、何が「不良」なのか、
小学生のあたくしにはにわかに理解しがたいのであった(爆)。


20年前の「乳姉妹」のあらすじは大体こんな感じである。

●同じ日に同じ病院で、貧乏な漁師の娘として松本しのぶが、そして大財閥のお嬢様として
 大丸千鶴子が生まれる。
 千鶴子の母は、千鶴子を産むと同時になくなってしまったため、乳を与える者がなく
 同じ日に出産したしのぶの母・静子に大丸剛造が頭を下げ、乳を分けてもらう。

●ある日、静子は授乳をした際、ふとした出来心で自分の娘にも贅沢な産着を一度でいいから
 着せたいという思いに駆られ、ほんの一瞬だけ、しのぶと千鶴子の産着を取り替えてしまう。
 と、何かの拍子でほんの少し目を離した隙に、大丸に恨みを持つ漁師夫婦・田辺
 が、千鶴子と間違えて、美しい産着を着たほうのしのぶを誘拐してしまう。
 無論、静子はそれが自分の娘だと言い出せるはずもなく、金の力で何とでもできる
 大丸に全てを委任し、本当は千鶴子として生まれてきたはずの赤ん坊をしのぶとして育て始める。
 誘拐した田辺夫婦は、しのぶの父によって大丸にすぐさま通報され、追い詰められて
 路男の父はその場で自決。松村の積年の恨みの根源となる。
 
●路男はライブハウスでトランペットを吹きながら、「渡り鳥連合」という暴走族のリーダーも兼任。
 で、なんやかんやあって、しのぶと千鶴子が18になった時、再会をするのであるが、
 なんやかんやあって、確か静子が病気になるだか夜逃げだかをするハメに遭い、
 しのぶとその妹・多恵子は大丸家に一時的にお手伝いとして預けられることになる。
 この家には、雅人といって大丸家が跡取りとして養子縁組をした千鶴子の兄もいて、
 千鶴子と雅人は、公的に婚約する仲でもあるのであった。
 しのぶたちは千鶴子と同じ学校に通うようになるのであるが、そこは大映。
 千鶴子はしのぶをベタ可愛がりしたり、いじめ同様に突き放したりと、
 わがままお嬢様ぶりを発揮。なんやかんやあるけれど、結局、しのぶが耐えて、
 騒動が起きてもあんまり翌週には持ち越さない(笑)。初期の頃は田辺路男が
 大丸の屋敷の周りをうろつき、千鶴子へ恨みをぶつけるべく、あれこれと画策する。

●ある日、自分の病状に限界を感じた静子が、剛造と懇意でもある教会の牧師・若山の元を訪れ、
 本当はあの誘拐事件の時に、千鶴子としのぶが取り違えられていたということを告白する。
 剛造もその事実を聞かされ、あれこれと調査し、しのぶが自分の本当の娘であるということを
 認めはするものの、後妻や千鶴子たちには明かさない。
 しのぶに対する父親の態度が少しずつ変わってきていることを敏感に察知した千鶴子は、
 何らかの拍子に、自分が大丸家の本当の血筋の人間ではないことを知ってしまい、
 雅人との婚約披露パーティで、物凄い格好の不良少女として登場。
 パーティをメチャクチャに破壊して、家を飛び出す。

●元々運動神経の良かった千鶴子は、ケンカの仕方をすぐに覚え、
 とある不良グループのリーダー・長田猛に惚れられ、一緒に行動するようになる。
 長田は、暴力団一代組の島田と通じていた。
 島田の愛人である優子は路男と自分の弟を重ね合わせ、あれこれと世話を焼くが
 島田と優子の間に路男が入るたびに、あれこれと揉める(笑)。
 優子は、千鶴子に足を洗うように勧めるが、島田に覚醒剤を投与されてしまい、
 戻るに戻れない( ̄∇ ̄;)

 千鶴子は長田のところを行ったり来たり・・・・足を洗おうとするけれど、いつも何かに邪魔をされ
 ある時、長田に脅され、一緒に銀行強盗をするハメになってしまう。
 自棄になった千鶴子は、強盗の際、変装用にかぶっていたお面を取ってしまったため、
 すぐに足がつき、長田たちはヤサごと警察に囲まれ、結局、撃たれて死んでしまう。
 千鶴子はその場で逮捕。この辺りから、大丸家の後妻・則子は千鶴子への当たりが厳しくなり
 逆にしのぶを可愛がるようになる( ̄∇ ̄;)

●なんやかんやあって、しのぶも心を傷めており、千鶴子がこうなったのは自分のせいと
 自分も千鶴子と同じ境遇に立つことで分かり合おうとする手段に出る。
 詰まるところ、彼女も不良になることで、千鶴子の心を開こうとするのであるが、
 悉く失敗する(笑)。
 が、優子たちに何とか更正の道を諭された千鶴子が、父親・剛造に会おうと空港へ向かうと
 そこには、復讐するチャンスをずっと狙っていた路男がいて、剛造に向かってナイフを・・・・。
 千鶴子はそれをかばって、バッグ越しとはいえ、腹を刺される。
 しばらく生死を彷徨っていた千鶴子ではあるが、その間、剛造が面会に来ないことに
 何か考えるところがあったのか、今度こそ本当に大丸家を見限り、病院を飛び出す。

(以上、放送とは前後するところがあるものの、まぁ大体こんな感じ)
(強盗はもっと後だったかもなぁ(笑))

●本当になんやかんやがあるのであるが、物語もクライマックスに近づくと、
 今までキーパーソンであった人が次々に死んでいく(苦笑)。
 本当は路男を殺すために放たれた、島田の銃弾が優子を直撃。死んでしまう。
 また、なんやかんやあるんだけど、結局千鶴子は、環境を変えてやり直した方がいいという結論で
 アメリカ留学が決まる。
 そんな矢先だったかに、路男の右腕に悪性腫瘍ができ、結局片腕を切り落とすハメに。
 自棄になっている路男を何とか助けようと、千鶴子は献身的に世話をする。
 最後に海が見たいと言った路男の願いを叶えるため、千鶴子たちは路男をつれて、真鶴へ。
 船に乗り、朝日が昇ってきたところで、路男は最期を迎える。


・・・・とまぁ、大体ですよ、大体。大体こんな感じ。

まぁ如何せん、大映ドラマなので、ここには全てを書ききれないが、しのぶと千鶴子という
2人の少女に、雅人をはじめ、長田、路男らが絡み合い、恋愛沙汰もとっても大袈裟。
勘違いから物語が大きく動くので、「うわぁ・・・・そこでそういう行動に出るなぁ!!」と思っていると
必ずそういう行動に出てしまう登場人物たち・・・・。
相当に間が悪いというか、バッドタイミングの重なり合いで、物語そのものが構築されているとしても
決して過言ではないのが、「乳姉妹」に限らず、大映の方針のようだ(爆)。

吉屋信子が最初に書いた原作は、少女小説の原点、王道とされているものなので、
もっと純愛を全面に押し出したものだろうとは思うんだけど、加工如何によっては、
物凄い物語に変化するのだということを、今更ながらに思い知らされる。

で、だ。
今回、CXで始まった昼ドラを連続視聴するか・・・・というとそれはまた別問題で、
実は「牡丹と薔薇」も、この「あの道 この道」をベースにした物語だったので、
もうどっちでもいいと思っている。
多分・・・・本当に原作に忠実にドラマ化しても、今の時代、きっと誰も見向きもしないような、
ともすれば「時代劇」の括りになってしまうだろうし・・・・。
更に、だ。
TBSではその30分前だかの枠に、かつて大丸千鶴子を演じた伊藤かずえと
田辺路男を演じた松村雄基を組ませて主演させた、新番組をぶつけている。
このCXvsTBSのえげつないやりとりは、ハタから見る分には面白いのだけど、
物語どうこう言うより、昼の帯ドラの視聴率と話題性を如何に引っ張り合うかの方が
前面に出てきてしまっていて、ちょっと萎えるんだな(苦笑)。


しかし・・・・。
平成17年になって、テレビから再放送でもないのに「大丸千鶴子」という
伝説の登場人物の名前が聞こえてくると、どうしても昔の「乳姉妹」とかぶってしまい、
頭の中では、まだ物凄く若くて眉毛の太かった伊藤かずえが、凄いメイクをした不良だったり、
考えられないようなお嬢様ルックをしていたりと、あたくしの思考回路を狂わせる( ̄∇ ̄;)
恐るべしは、やっぱり大映ドラマの刷り込みだな(爆)。
「冬の輪舞」の視聴率は、多分、「牡丹と薔薇」を越えないような気がする。
なぜならば、今、この時間帯のドラマを見ている世代は、大概、20年前の「乳姉妹」を
見て育った世代だからだ。どうしたって、比較してしまうので、よっぽど面白い趣向を考えないと
ついていけない気はする。

しかしそこは、昼ドラをコネコネ作り上げてきた、東海テレビの制作陣。
何かしらの策があるからこそ、吉屋信子を持ってきたのだろう( ̄ー ̄)ニヤリッ
「牡丹と薔薇」「真珠夫人」で結構な高みまで登りつめているので、ここで失敗するのは痛いはず・・・・
頑張って、この春まで持ち堪えてほしい。。。。(評判が良ければ、再放送で見るよ、あたくし(爆))
(まだ、本放送も、今日で6話目だというのに( ̄∇ ̄;))


つい最近・・・・といっても1年前くらいかな。まだ実家にいた時に、CS放送で
「乳姉妹」の再放送を見たばかりなので、物語の筋的にはあたくしにとって記憶に新しい。
何度もここに書いているが、あんな物語を創りあげられるのは大映テレビしかないと思っているので
ホント、DVDのボックス発売が順次開始されている、今、全部欲しい!!!と思うあたくし。
昼ドラ程度にクォリティを覆されるわけがない・・・・と妙に大映を崇拝してしまう(爆)。

↑あのタッグは絶妙なものがあるからなぁ(爆)


「乳姉妹」に限らず「スクール・ウォーズ」、「ポニーテールはふり向かない」、
「不良少女とよばれて」、「おんな風林火山」・・・・数え切れない大映ドラマで共演よりも深く、
物凄く絡みのある役者同士だったりするので、20年後の今、どんな風にして
芝居を構築しあうのか、そっちの方を拝んでみたい(笑)。

まぁとりあえず、「冬の輪舞」に言えることは、もうこれ以上、吉屋信子を冒涜する真似だけは
やめた方がいいんじゃないか・・・・という、密やかな思いのみである(苦笑)。

↑それにしても物凄い影響力・・・・

鎌倉を訪れた際には、一度、足を運びたいものだ。

あさみ


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