昨日の夕食はトマト1個。 それ以上は無理だったし、それ以下にすると怒られるので、必死になって食べた。 お上品にきちんと包丁で切ってから、お箸かフォークで、ドレッシングでもかけて・・・・なんて 悠長なことも出来ないことはなかったが、トマトに限って言うなら、ドレッシングなんかかけちゃ可哀想。
前に、「ナチュラル」っていうモデルをモチーフにした漫画を読んだことがあってね。 モデルって言っても、今でいう「スーパーモデル」とかいうヤツ・・・・? まだ主人公が、ファッション誌の中でスチールモデルをしている時に、 とある有名なモデルと出会うことになる。 どんなカメラマンのリズムもきちんとすぐに理解して、極上の1カットを提供する・・・・ やせていて、色が白くて、天性のカンがいい・・・・主人公と真逆のタイプ。 「サイボーグ」とまで称されたこの彼女の食事は凄まじいものであった。
毎日毎日、トマト「しか」食べないのであった。
ドレッシングも塩もかけずに、ひたすらトマトのみを食べ続ける執念で、トップに上ってきたこの彼女。 最終的には、天候と日差しに負けて、肌を真っ赤に腫らしてしまい、 主人公との勝負は、おあずけになってしまう・・・・みたいな話だった。
ほっそりとしたその体に似合わない、両親の姿は、肉感的でぽっちゃりとしている。 そして、人見知りをしない主人公だけに、そっと昔の自分の秘密を明かすために 1枚の写真を見せるのである。 そこには人相も体格もまるで違うのだけど、明らかに数年前の彼女と思われる、 制服の少女が写っているのである。
「驚いた? おかしいでしょ? ブタとかブスとか言われて、いじめに遭ってたこの私が、 今や、ファッション誌の投票獲得数ではトップなのよ。 可笑しくて可笑しくて仕方がないわ。 あの時、私のことをバカにした人間たちのことを忘れないためにも、 そして自分でももうこの姿に戻らないためにも、私はもう、トマトを食べ続けるしかないの。」
彼女の決心は頑なで、でも結局は暑気あたりで倒れてしまうのだけど、 そこまでの根性が据わっていれば、トマト「のみ」の食事にしなくても、 多分、十分にやっていけるだろうになぁ・・・・まだ若くてぽっちゃりしていたあたくしは 他人事のようにそう思っていた。
昨夜・・・・トマトを丸かじりしながら、その漫画に出てくる彼女のことを思い出していた。 ボーっとしていたので、固い蔕の部分も一緒にガリッとやってしまったのだけど、 そこが一番トマトのような味がした。
今、流通しているトマトは、本当に味気ないものが多い。 昔ながらの青臭いものは嫌われて、完熟の、甘いトマトのほうに人気があり、 元々、某大手ハンバーガー店が農家と提携して、種の部分の水分を極限までにカットした固いトマトが 食べやすく、盛り付けもラクだからという理由で、一般家庭にまで浸透した。 昔のトマトを手に入れようとすると逆に高くつくので、我慢して普通に流通しているものを買ってくるけど こうまでして食べなければならないような野菜の味ではないような気がする。
栄養価が高いか・・・・といわれると、品種改良を重ねて、ほぼ水分のみになってしまっているし、 ビタミンCが豊富・・・・といっても、サツマイモの比ではない。 多少の利尿作用が見込める分、西瓜と同じ・・・・って程度だ。
ただ。 あの、蔕の部分をガリッとやった時に、「トマトの意地」みたいなものを感じた気がするんだ。 包丁で切り落とされてしまうその部分・・・・そこにだけ、昔ながらの青臭さがあって、 それがトマトの風味なのだ。正直、そこが本当に美味しかった。
体重を量ってみると、1週間前より2kg痩せていた。 大台をきったので、少しホッとしているけれど、19%台をウロウロしていた体脂肪率は、 いっきに22〜23%くらいになってしまって、ぎょっとした。 まぁ・・・・体脂肪18〜19%というのは、この年齢の女性で、大したスポーツもやっていないのに 低すぎる!! とお叱りを受けていたので、今の数値は一般女性としては普通なんだろう。 ただ、極端に基礎代謝率が低すぎるのが気になる。 しかも、ここ数日でみるみるうちに下がっていった。
家事もサボって、日永一日寝る生活をしていると、こうなってくんだなぁ。 新しい生活になってから、何かにつけて動き回っていたから、 前よりも幾分体力は取り戻した気でいたんだけど、ちょっと体調を壊すとこれだもの( ̄∇ ̄;) おぉ・・・・こわ(苦笑)。
そんなあたくしの体重なんかよりも、もっと気になる数値をはじき出している人が身近にいるんですけど。 言わずもがな・・・・もう数年間に渡り、ダイエット大作戦を決行し続けているいとこのシオリ(仮名)である。
サヨコの情報によるとつい先日、近所のホテルでディナーショーがあった折、 実の姉たちを誘って行ってきたらしんだけど、その姉(あたくしから見ると叔母)が、 証言したらしいのだ。 この間、我が家に色々と食糧を届けにきてくれた時に、意味もなく、こんなクイズを出された( ̄∇ ̄;)
「『56』・・・・さて、何の数字でしょう??」
「56ぅ〜?? う〜ん・・・・ホテルで出た料理の品数56種類♪」
「そんなに出るわけないやん!」
「単位を教えてよ(爆)。cm? kg? 人? あ、年齢??」
「そうやな・・・・「キロ」やな。」
「km・・・・kg・・・・う〜ん、オカンの結婚当時の体重♪」
「ちゃうわっ!!」
「んじゃ、オカンが30歳の時の体重♪」
「ちゃうわっ!! 私から離れなさい( ̄^ ̄)」
「56やろ?? で、kgなんやろ?? cmやったらなぁ・・・・。 オカンの太もも周り・・・・とか、もう1つくらい用意できたんやけど(爆笑)」
「だから、私じゃないって!!」
「56・・・・56・・・・( ̄□ ̄;)!! ま、まさか・・・・」
「言うてみ、言うてみ♪ 多分あっとるで♪」
「あかん・・・・何か、あんまり信じたくないんやけど(爆)」
「このリアクションはおよそ正解や♪」
「まさかとは思うけど・・・・シオリの体重・・・・?」
「大正解〜♪」
「マジで〜〜〜っっ??? マジ、56kg??? 人、1人分くらい痩せたやんっっ!! っつうか、あたしの高校時代、冬場はそのくらい余裕であったよ?」
ま、ココだけの話。 高校時代、殊、冬場ともなれば、寒い寒い伊吹颪吹き荒む中、登下校を強いられたので、 自然と脂肪を溜め込む仕組みになっていたのか、あたくしも、余裕でそのくらいの体重はあった。 夏場になれば、2〜3kg、自然に減るんだけど。 身長160cmで、体重56kgだったら、余裕でMサイズでしょう♪ まだあたくしより、ちょこっとある計算になるけれど、射程距離10kg差以内にされたのは 本邦初・・・・本当に初めてのことかもしれない。
「元々93kg・・・・最終報告はこの春先、67kg・・・・で?? またアレから10kgも減ったわけ??」
「みたいやよ。。。。」
「こりゃ、本格的に、し●むらもユ●クロもス●タンも怖くないじゃん♪ 普通にバーゲンいけるよ♪ いやぁ、スゴイねこりゃ。見習わんと(笑)」
「仕事場の人間関係があんまりよくなくて、ストレスを抱えてるって言ってたけどねぇ。」
「まぁ、根本的な性格は一筋縄じゃいかんでしょう。 変な僻みや嫉みがなくなっただけでも、大進歩だとは思うけどねぇ。」
サヨコはシオリの一挙手一投足がどうにも気に触るらしく、 シオリはシオリで、いつも余計な一言が多いものだから、大人たちから煙たがられていたのだ。 憶測の域を出ないのだけど、多分、同級生にも煙たがられていたとは思う。 太っていたからというのは付随の理由で、そういうのがあって、彼女はいじめにも遭ってきた。 ただ、6つ年上のあたくしには、何でか非常に懐いてくれていて、あまり反抗的でも嫌味ったらしくもなく 幼い頃から、あたくしの言うことだけはよく聞いていてくれたけど。
市の登山協会に入って、歩く楽しみを覚え、 休みの日や会社帰りには、ジムやプールに通って積極的に体を動かし、 実に健康的な減量に成功したシオリ。
彼女は栄養士の資格を持っていて、今それを生かした職場で働いている。 あたくしは思うのだ。 トマトの蔕の味がわかる人間になったから、体がそれについてきたんだと。
今後、懸念されるのは、数値に躍らされて、一般的な拒食症状に陥る可能性くらいだ。 昔は、隠れ食いなんかをしていたらしいが、今度は、減った体重に嬉々としてしまい、 「食べたフリ」をするようになるかもしれない。 それがなければ、彼女はあと5kgは猶に落とせるかもしれない。
今年の9月で24になるわけだが、もっと早くに自分の体のことを気にしていれば、 もっと楽しい青春が過ごせたかもしれないのに、非常に勿体無い。 56kgでしょ?? 高校の制服、そのままお下がりで持っていけたじゃん?? その当時、どう足掻いても入らなかった、あのセーラー服・・・・。(改造版だけど) 今だったらピッタリなのに、非常に惜しいよ(苦笑)。
あたくしがお弁当にトマトを入れる時、丁寧に蔕の部分を取るので、多分、あの人は トマトの蔕の味を知らない。 知っていたとしても、それが本来の味であるかどうかというのをわかっているかというのは これもまた微妙な話で・・・・。 今までの食生活を振り返ってみると、食べられないことはないんだけど、どうも 青臭い野菜が嫌いなようだ。 そんなあたくしは、今朝の遅い朝食を、キウイとプレーンヨーグルトで済ませようかと またも画策中なのである。 もうすぐぷよ2も帰ってくる。 彼は何を食べたがるのだろう? 夜勤明けだと、すぐに体重が2kg落ちてしまう彼に、何を食べさせたらいいんだろう?
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