| 2004年02月20日(金)
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菓子まき・お道具・婚礼布団 |
オノレが『結婚』となった時に、やりたくなかった三大行事である(苦笑)。
【菓子まき】 実家に美容師さんを呼んで全てのお支度をした後、それこそ仏壇に手を合わせ、 両親にも三つ指をついて挨拶をした後、外へ出ると、そこは黒山の人だかり・・・・。 お嫁入りを見にきてくださった御近所の方々や町内の方々に御挨拶をして、 花嫁専用ハイヤーに乗り込み、花嫁が去った後、親類や御近所のお手伝いの人々が 菓子を撒く・・・・。 あたくしが幼少の頃は、それこそ家の二階からばら撒く・・・・という元祖なやり方をしているところこそ 少なかったけれども、家の中から続々と出てくるお菓子のつまった段ボール箱から、 普段は買ってもらえない、高級な箱菓子をもらえるのは嬉しかったけど・・・・ 物心がついて、自分がそれこそ結婚できる年齢に達した時、 この風習は是非とも避けて通りてぇな・・・・(-。-) ぼそっ と、御近所から花嫁が出るたびに思った。 ずっと東海地方にお住まいの方なら、この光景をきっと一度は目にしたことがあるだろう。 しかも、これは花嫁サイドでやるだけでなく、ハイヤーに乗って花婿の実家について そこの仏壇に手を合わせ、義理のご両親にも御挨拶を済ませ、さあ式場へ・・・・と 新郎新婦が家から出てきた瞬間、やっぱり黒山の人だかりが( ̄∇ ̄;) そして、見栄の張り合いではないが、花嫁側と花婿側で用意される御菓子の質や量にも 神経を使わねばならない(苦笑)。 お披露目たるお披露目をきちんと果たして、そうして新郎新婦はようやく式場へと向かうことが 許されるのである・・・・。
【お道具】 嫁入り道具のことである。 テレビで仰々しくデフォルメされたドラマがやっていた記憶のある方も多かろうと思うが、 アレだって、別にデフォルメを重ねてあぁなっているわけじゃなくて、 本当に行なわれていた風習なのだ。 使うかどうかもわからない大きな洋服ダンスや、無駄にお金をかけたベッド、 これらが納品される日というのはホントにすごい。 「出戻り」を嫌い、搬送用のトラックには御祝儀袋が既に用意してあり、 それこそ住宅街の細い道を大きなトラックが行くに際し、 こちらがバックギアを入れることは絶対に許されないので、御祝儀を渡して、 「平和的」に道を譲ってもらう。 金で公道の権利を買うのかよ・・・・(-。-) ぼそっ まずその文化が信じられなかった。 今、これを忠実に執り行っている人々というのは本当に極々少数になったが、 それこそ、御祝儀はともかく、納品の日取りを気にする人たちは結構いたりして、 業者に車中泊を迫る家も存在するには存在するのだ・・・・怖い(爆)。
【婚礼布団】 結婚に際し、布団を新調するのはまぁどこでもある話かとは思うが、 この「婚礼布団」は、それのハイパーバージョンとでも思っていただければわかりやすいかと。 今時、金糸や銀糸を使ったすんごい刺繍の入った、着物張りの布団を購入する人は少ないし、 そもそも、そんな布団で寝起きする人が少ない。 客用布団にしたって、出された客はどんな反応をしたものかと、出す方だって気を使う( ̄∇ ̄;) 干すのだって恥ずかしい・・・・(トホホ) 昨今、軽くて温かい羽毛布団が、通販でだって安く手軽に手に入る時代だというのに、 誰が、あんな重い綿布団をわざわざ用意するもんか。 自分たちだって、できれば快適な状況で寝起きしたい・・・・それだけを望む(苦笑)。
あたくしたちは、これら名古屋の嫁入り三大行事を全部すっぽかすつもりで、 着々と計画を進行させている(笑)。 しかし、これら三大行事には、婚礼後、恐るべき効果をもたらしているのであった。
それこそ、嫁に出した側が体裁の悪さや婚礼にかかった費用のことを念頭に置き、 「元が取れるまで、絶対に帰ってくるな!!」 みたいな視線が常に実家から注がれる上、やってもらった新婦も、アレだけ派手に知らせた以上、 ちょっとやそっとのことでは出戻れないのである(爆)。 本当の覚悟が出来ない限り、新婦側の家もおいそれとヨメには出さないし、 貰い受ける側も、かなりの覚悟を要するものなのであるが・・・・。
我々の場合は、とにかく、芸能界の地味婚を更に地味にしたくらいの倹約ぶりを発揮しようと、 そっちにばかり気をとられている(爆)。 これはこれで色々と大変なのだけど、派手に挙式やこれら三大行事を行なうのと同じくらいの 効果があるんじゃないかと自分では思っている。 お金をなるべく使わないようにしようと、あれこれ頭を使った結果、その分、労力も伴うのだけど、 それを御破算にしてしまうことが、どれだけのことか・・・・という覚悟くらいは出来ている。
それこそ、あたくしの高校時代の友人・ミユキは、旦那様の方が由緒正しい旧家だったので、 あれこれと煩かったようだ。 披露宴に呼ばれ、出席したのだけど、ケーキ入刀と鏡開きの両方をやっていた。 ミユキはケーキだけがいい!!と主張したにも拘らず、 新郎側の方(親・親類縁者)が「うちは代々こうなのだ( ̄^ ̄)」とどうしても譲ってもらえなかったらしい。 披露宴会場へ入る時も、我々を白無垢で迎えて、すぐにお色直し(色内掛け)。 その後、白いドレスと、カクテルドレス・・・・披露宴そのものに4時間以上かかった。 当のミユキは、羽二重がきつくて、自宅でお支度が済んで新郎宅へ到着した途端、 変な話だが、本当に吐いたらしい。 確かに、色内掛けでの挨拶の際、顔色が優れなかったな・・・・とは思ったけれど、 主役がこんなに疲労困憊するような挙式&披露宴なんて・・・・とあたくしなんかは思った。
披露宴はともかく、二次会の方だけお呼ばれしたヒサエちゃんの時も、 このミユキが自分の3ヵ月後に挙式を控えていると知り、 送り出しの時に、そっと耳打ちしていたほどだ。
「みぃちゃん、いい? この私でさえ色々大変で眠れなくなったくらいだから、 頑張って乗り越えてねっ!!」
ヒサエちゃんは、真面目な子で、でも健やかな感じの子だった。 だから、変にストレスをためる方ではないと自他共に認める女の子だったのだけど、 その彼女が、本当に真剣な顔をしてそう言うものだから、まだ結婚そのものが決まっていなかった 我々ですら、少し神妙な表情になってしまうほどだった。 ヒサエちゃんだって、決して「脅し」でこんなことを言ったわけではないけれど、 花嫁としての心構えとしては、かなり真実味のある情報を提供してくれたというわけ。
高校時代の仲間から、一番最初にお嫁入りしたヒサエちゃんの有様を 我々は今でも脳裏に焼き付けているわけだが、お陰で、あたくしなんかはあの時、 彼女がミユキに囁いた「決死の覚悟」の必要性を大いに参考にさせていただいているわけで・・・・。
それこそ、東海地方名物、【菓子まき】【お道具】【婚礼布団】のない気軽な結婚・・・・となるわけだが 今後挙式やパーティをする際には、彼女たちのような「決死の覚悟」はどうしても必要になってくるだろう。
今、あたくしはサヨコが我が家で使っていない雑貨等を出してきてくれるのを 全部花嫁道具にすべく、あれこれと準備をしているところ。 その中には、誰それの結婚式の時にもらった引き出物・・・・なぁんてものもあるわけだけど、 我が家の物持ちの良さには、本当に脱帽する。 押入れや、台所の棚がどんどん片付いていく(笑)。
それはそうと、高校2年時代の仲良し6人組だった人々よ・・・・。
実は、高校を卒業してからも、何かと集まりがある中、 「誰が一番先に、嫁ぐか!?」 「そして、最後まで残るのは誰か!?」 みたいな話も何度か出ているのだ。 そんな中で、あたくしが一番最後・・・・というのは全会一致の意見で、その意見には あたくし本人も至極、納得していたのだ。
ミユキの披露宴の時、あたくしの隣の席だったアヤコは小声で、 こんなことを言っていた・・・・。
「ヒサエちゃんの次は、私やと思っとったのに・・・・(-。-) ぼそっ」
あは・・・・あはははは・・・・。 6人の中で一番結婚願望が強かった、アヤコらしい御意見で・・・・( ̄∇ ̄;) そんなアヤコに今、自分が入籍することをどのような形で報告するか、非常に考えさせられている(爆)。 だって、自分でも思わなかったよ?? あのメンバーで、最後まで残るのはこのあたくしと信じて疑わなかったし、 まぁ、トノガタにはそれほど不自由してきたわけじゃないけれど、 結婚となれば話は別だと、自分でもそう思い続けていたんだから・・・・。
しかし、類は友を呼ぶ・・・・ではないが、あたくしの周囲にいる人間・・・・特に婦女子は、 何でか婚期が遅いのが多い。 よく、友人の結婚式に触発されて、芋蔓式に仲間内で結婚が相次ぐ・・・・なんて話も聞くけれど、 あたくしの入籍が、ひょっとしたら起爆剤になるかもしれないな・・・・。
今後の動向を密かに見守ることにしよう。 下馬評最下位だったあたくしとしては非常に興味深いというのも事実だし(笑)。
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