2003年12月16日(火)
闘え!起動戦士アサミンジャー 「子供回帰で生き直し」の巻
〜サンタクロースを信じてみよう〜


昼間。サヨコと2人で通販専門番組を食い入るように見ていた。
紹介されていたのは、イスラエル製の下着である。
ショーツは2枚で4000円、ブラはスポーツブラみたいな感じで、よくハリウッド映画の
女コマンドみたいな役の人が着けているような、タンクトップ型タイプで、
こちらは1枚3000円。
ショーツ1枚に2000円は出せないが、ブラの3000円は良心的だと思った。
ここ数年、少々痩せたのもあって、ワイヤー入りの今までのブラでは、鳩尾を刺激しすぎてしまい、
食べたい物も食べられない・・・・なんていうことが頻繁にあって、
よっぽどのことがないとブラはしないことの方が増えた。
しかし、TPOというものは予期せぬ部分で発生するもので、
いくらなんでも、このお洋服をノーブラでいくだなんて・・・・ということも少なからずあったので、
何とか、今の自分の身体にフィットする、よきアイテムはないものかと、
下着売り場を通るたびに、頭を悩ませていたというのが、ここ2年くらいのあたくしの状況。


まだまだ使える状態のブラは箪笥の中に埋もれているが、コレばっかりは
誰かにお譲りする・・・・というわけにもいかず、処分にも困っていて、
かといって、ブラなし生活が全てのTPOで通用するかというとそうでもなく、
非常に困っていたところへの、朗報的アイテムが、この番組で紹介されていた。


「あ・・・・あれ、いいなぁ。あぁいうの欲しいなぁ。」

「ホントやね。アレやったらラクそうやし、私も欲しいなぁ。」

「白と黒があるんやと。オカンやったらどっちよ?」

「もっと別の色があるとえぇのに・・・・。」

「あたしは白いのがえぇなぁ・・・・。あれやったら使いでもありそうやし♪
あ〜ぁ。どっかでサンタクロースがこの話を聞いとってくれたらえぇのになぁ(笑)。」



と、こんな会話をしていたら、サヨコは徐に受話器を取って、商品の番号やら色やらサイズやらを
喋り始めた。


ナヌッッ!!??
この人は、自分の目と手で確認したものにしか飛びつかないと思っていたのに、
まさか、テレビショッピングの手練手管に騙されて、見るや否や電話をかけてしまう人ではない。
ましてや、普段、ジャパ●ットたかたのCMを見ては、からかって笑っているというのに・・・・。
そんな人が、こんな番組で衝動買い?? ・・・・ありえない。

受話器をカチャリと置いて、サヨコはニ〜ッと笑った。


「サイズ、Lにしといた♪ あんたに合わなんだら、私が使う♪」


彼女なりのクリスマスプレゼントだったのかもしれない。
話相手がいきなりサンタクロースになってくれるなんて、俄かには信じられなかったけど、
サヨコはたまに、こういう粋な計らいをしてくれる。
素直に、「ありがとう」と言った。
その商品が届くのが楽しみになった。・・・・嬉しかったよ、本当に。


だってさぁ、幼稚園の頃にはもうサンタクロースは親の権化であると悟ってしまった、
夢のない、小生意気なガキだったのに、両親はあたくしが小学4年くらいになるまで、
必死に色々な演出をしていてくれたのだ。こっちは冷めた気分ではあったけれど、
プレゼントには一応喜んで、サンタクロースの存在を否定こそしなかったものの、
心の中では、「親」に対して「悪いなぁ・・・・」なんて思ってしまう、変に思慮深いガキだったのだ。


あたくしは、この時気がついた。
嗚呼、ひょっとしたら今、あたくしは「生き直し」を始める事が出来たのかもしれないって。
サンタクロースの存在は、もう大人だから、夢に見ることもないけれど、
こうして粋な贈り物をくれる人が、自分にとってのサンタクロースで、
それを素直に嬉しいと喜べることこそが、自分に欠けていた大事な要素だったのかもしれないって。
サヨコが色々と策を練って、こういう行動に出たとは思えないけれど、
それでも、あたくしがつい、「欲しいなぁ・・・・」と思って口走ったものを、即座に
「ハイ」と、プレゼントしてくれる、そういう気風の良さを、もう冷めた目で見ることはないだろう。
ちゃっかり者・・・・とかではなくて、ひょんなところからコレがクリスマスプレゼントだよ♪
という、偶発性に感謝だ。


「オカンは頼まへんかったの?」

「届いたのを見て、めちゃくちゃ気に入ったら、もう1つ頼むことにするわ(笑)」

「( ̄∇ ̄;) あたしの分はいわゆる毒見とかいうやつ・・・・?」

「サイズがぶかぶかやったら、私が使うで、安心し♪」



・・・・・・・・・・。
やっぱり思ったとおり、この人は、大した策は練っていないようだ(爆)。




しかし、ここ最近、彼女のこの「カラッとした性格」には随分救われている。
相反する性格のあたくしからしてみれば、母親のこの性格には長年悩まされ続けてきたわけだけど
今になって、コレに追随することが、結局はあたくしの根本の「救い」になることを知り、
父親との確執も、実は解消されつつあるのだ。

実は、「結婚」を本格的に考え始めてから、父親が父親らしく見えてきて、
母親も同様に母親らしく見えてきたのだ。
今までは一組の夫婦にしか見えなかったのに、不思議なことだった。


そのことを今日、オーアエにも話してきた。


「ホントにさぁ、あの人(母)と話をしていると、小さなことでウジウジ悩んでいる自分が
バカバカしく思えてきちゃってさぁ・・・・最近、そういう意味では救われてるよ。」


「それはよかった♪ そもそも、あなたのお母さんはめちゃくちゃフツーの感性だし、
それに救いを見出せるのなら、山賊との関係性にもそろそろ決着がつく頃だよ。」


「そうなの。この前も、結婚のことをちょっと仄めかしたらさぁ、
まずは同棲を勧められちゃって(笑)。普通、そういうことを言う父親っているかなぁって、
何だか可笑しくなってきちゃってさぁ。」


「そうかぁ(爆)。確かに、娘に同棲を勧めるというその感覚はちょっと理解できんなぁ。
山賊ならではってところだな(笑)。」


「まずは、本当に2人だけでやっていけるか試してみろって言われたの。
それも正論だから、危うく騙されるところだったわ。」


「でも、まぁいい傾向じゃないか♪ 考え方はちょっと常軌を逸しているけれど、
あなたのことを尊重しているには代わりないんだから。」


「うん。でも、そう言ったのにも理由があると思うのよね。」

「理由って?」

「何ていうのかなぁ・・・・要するに『俺が一番なんだ』っていうヤツ?
ちょっと引いて見るとすぐわかるんだけど、単純で、お山の大将みたいなところがあるから。」


「なるほどね〜♪ もし、そのシュミレイトが失敗して娘が戻ってきても、
そらみたことかって、笑っていられるもんなぁ(笑)。確かに単純だ。」


「自分にしかこの女房と娘は養えないっていう、変な自信があるから、あぁいうことを言うんだと思うけど。」

「いいじゃないか♪ だんだんコトが単純になってきたことだし、
コレで薬も少しは減らせるぞ♪ ロキソニン、もういらんだろ??」


「頼むよ、センセー。今も熱だけ下がんないんだから・・・・(苦笑)」




本当は、この年末年始にかけての薬の調整の相談だけでも良かったんだけど、
オーアエは予想以上に時間を割いてくれた。

前にこの日記にも書いた、「この手でぶっ殺すリスト」についても話してきた。
あたくしに欠如していた、「ストレートな怒り」がそこに凝縮されていることを知って、
オーアエは安心していたようだった。


「そんないいモノ持ってたんなら、今すぐ復活させなさい( ̄^ ̄)
そうか・・・・発作が日常的になるまでは結構、普通に暮らしていたんじゃないか♪」


「どっかで捻じ曲がってしまったようだけどね(苦笑)
それにね、今、割とスッキリもしてるんだ。思ったことを素直に口をついて出しても、
誰も否定しないから、安心して恐ろしいことをどんどん吐けてるの。
うちのオカンもケラケラ笑いながら、それを聞いててくれるし、彼氏もあたしが全体重かけて凭れても
ビクともしない感じでしょ? だから、色んなことを安心して話せてるから、
今、そういう意味ではラクだよ。飾らなくて済むっていうか、気を張らずに済むっていうか。」


「いいぞ、いいぞ! その意気で、人の2〜3人でも殺せるようになれば、キミも立派に正常だ♪
年末年始、頑張ってその調子でいきなさい。今のあなたなら多分大丈夫だよ♪」


「( ̄∇ ̄;) 殺しって・・・・そうなったら責任とってよね・・・・(-。-) ぼそっ」




相変わらずのわけのわからなさに、最終的には呷られて帰ってきたわけだけど(笑)
それでも、あたくしが色々と暗中模索していることに関してはきちんと評価していてくれているみたいで
この間の診察で唆されたうちの、1つ、「自分と向き合うこと」を忠実に捉えていたあたくしは
更に彼の後押しを得るに至ったのでした。

当初、彼はあたくしにとって倒すべき『敵』であったわけだけど、
最近、足並みが揃ってきた。
他にきちんと倒すべき『敵』がハッキリと見えてきたからだ。
オーアエもそろそろスパートをかけてくるかもしれない。

↑リバウンドの心配をしてたのはあんただろうが!!

だんだん、彼のいい加減さにも慣れてきたので、こっちも多少のことでは動じないが(笑)。
年内の診察は本日を以っておしまい。
明けて、来年1月6日に予約の枠を頂いた。
そのうち、予約を取らなくてもいい日が、すぐそこに迫っているような気もして、
それが喜ばしく嬉しい反面、何でか少し寂しいような気にもなるのであった。
人間として、あたくしはあのセンセーのことが結構好きなのだ(笑)。

あさみ


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