2003年11月13日(木)
リベロ


小学校の頃、バレーボールをやっていた。
この頃、既に、小学生の世界ではリベロ制が導入されていた。


昨今の世界大会。
小さな小さな選手が、どんなボールも取りこぼさないように、レシーバーとして大活躍している。
どの国の選手にも思うのだが・・・・素直に、すごいなぁ、と思う。


そして、今回のワールドカップの日本の正セッター、竹下。
あたくしよりも身長が低い。5cmくらい。
でも、彼女のプレイを見ていると、本当に感心させられる。
普通のセッターにはもぐりこめないような隙間にきちんと入り込んで、
確実なトスを何本も上げて、それをアタッカーに叩かせている。
彼女はリベロではないので、バックに下がるとすぐにベンチに戻ってくるが、
あんな、巨人の犇くネット際。
彼女のポジションが前へとローテーションすると、必ず彼女はそこに戻る。
三枚のブロックが叶わないというのに、彼女はただ「打たせる」ための最強兵器なのだ。


今のチームになる前に、三雲というすごいリベロがいた。
彼女は恐ろしい執念で以って、どんなボールも獲り続けていた。
ビックリするくらいによく動く。
勿論、身長はそれほど高くないが、彼女は客席に突っ込まん勢いで、
コートの外にこぼれたボールにも果敢に喰らいついていっていた。


今大会、中国が強い、強い、と言われているが、
その所以は、やっぱお国柄にあると思う。
中国のプレイを見ていて、まるで三雲がバックに3人くらいいて、
アタッカーに在りし日の佐藤伊知子が両サイドにいて、セッターに中田久美・・・・という
構図が思い浮かんだ。三雲は少し時代が違うが、佐藤や中田が頑張っていた時、
あの強い中国とも、日本はいい勝負をしていた。郎平というとんでもない選手が中国にいて、
彼女を切り崩す術を、世界の選手たちが躍起になって探っていたのだ。

その中国のプレイを見ていて、ひょっとしたら日本は勝てるんじゃないか?・・・・と思った。
多分、相性は悪くないはずだ。


リベロ制が導入されて、小さな小さな日本人が大活躍している。
「適材適所」・・・・そんなことばが頭をよぎる。

↑しみじみそう思った。

清々しいんだ。自分のことではないのだけど。
昔、どうしてもレギュラーになれなかったあたくし。
ピンチサーバーとして、何とかチームに勝機を齎せるようにと、
あたくしに、左利きにしかできない狙い目をピンポイントで襲う、ドライブサーブを仕込んでくれた
コーチのことを思い出した。
丁度、今の日本チームの吉原が打つような形のサーブだ。
ネットに引っかかると、それでサービスオーバーの時代だったので、
ネットの際スレスレを狙い、バックポジションの選手の肩を抜いたら、ストンと落ちる、
魔法のようなサーブを教えてくれた人がいた。

あたくしは結局レギュラーにはなれなかったものの、
ここぞという時に、サービスエースを3本ばかり決めて、ベンチに帰ってくる選手にはなれた。
不動のリベロよりも、多分、こちらの方があたくしには、お似合い。
左利きだったがために見出すことができた、あたくしの居場所だった。

あさみ


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