| 2003年11月10日(月)
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あそこの娘さんは、心療内科に通院中 |
ゴザンスの編集部に提出する章立て(目次等製作)やらの作業に取り掛かった。 本当は今日、お出かけする日だったんだけど、如何せん体がだるくて、思うように動けなかった。 薬がいいタイミングで効いてくれたお陰でか、昨夜から今朝にかけてはぐっすりと眠ることもでき、 多少は身体を動かしたり、自主的に汗をかかなければいけないな・・・・と思いつつも、 やっぱり体温が必要以上に上昇している現実を突きつけられると、 何だかそれだけで頭痛を催す。
実は、本当は起きてしまえばよかったものの、二度寝をするというボケをかましてしまい、 如何に昨日の稽古が疲労を伴うものだったかというのを思い知らされる。 頃合の時間に身体を起こすことができず、しかし、脳みそは動いているものだから、 奇妙な現実味を帯びた夢を、そこでバンバン見る。 これが夜でなくてよかった・・・・とも思っている。 余分な睡眠時間は、こういった夢に邪魔されても別段腹は立たないが、 とるべきところでとりたい睡眠時に、悪夢にうなされ、結局それで疲れてしまった・・・・ などというコトが、ここのところ頻発しているから尚更だ。
本当は、一日かけてゴロゴロして、完璧にまったりするつもりだったが、 編集部の方に「本の具体的内容が見えてこないので、それを提示してくれ」という言葉に、 自分自身が引っかかりを感じているのか、WRDを立ち上げて、 とりあえず、直しが入るのを覚悟で章立ての作業に入った。 前書きは、適当に書こう。あんまり力みすぎると、本当に言いたかったこととは別の方向に 行ってしまいそうな気がしたから、肩の力を抜いて、楽な気持ちで臨みたいので、 今日は概略だけでも・・・・と思い、それで、章立て。
編集部の方からは、「特に締め切りはないです」と言われているので、 気持ち的にはかなり楽な作業なのだけど、 苦節3年・・・・いや、それ以上のことを書こうとしているわけだから、当然、目次だけで 結構な分量になる。 本当は、時間を追って書きたいところも、章立て如何によっては、日記のように順当に進んでは行かない。
そこへ、サヨコご機嫌伺いに乗り込んできた( ̄∇ ̄;) あたくしが、本気で書籍の出版をすることで、世の人々全てにカムアウトすることになることを 一番懸念しているのは、実は、サヨコだったりするのだ。
「あんた、本当にそれを本にするつもり?」
「うん。」
「そぅかぁ・・・・。」
「この際だから、カムアウトもしてスッキリしたいってところもあるのよね。」
「それはそれでえぇんや。あんたがそれでえぇと思ってやっとることやで。 やけどなぁ・・・・。」
「やけど、何?」
「例えば、お隣のノリちゃんとか(お友達の)リュウちゃんとかは、 あんたのことも薄々気付いとるで、何とかなりそうなものの、 いざ、それを本にした時に宣伝したくてもしにくいもんがあるよ、やっぱり。」
「そういうもんかね?」
「あんたは気にならんかもしれへんけどね。」
「オカンは、あたしの病気のこと、実は全然わかっとらへんもんね♪」
「・・・・・・・・。」
「あたしは、別に世間様に顔向けできへんようなことはしとらんし、 これからだってするつもりはない。前書きのタイトルはもう決まったよ♪」
「どんなん?」
「そうだ! 精神科に行こう♪」
「( ̄∇ ̄;)」
呆れているのはすぐにわかった。 ここは田舎だもの・・・・本にでもなって「あそこの娘さん、精神病なんやと・・・・」と噂されるのが、 サヨコは嫌なんだと思う。 今までは、自分の娘の身体に起こったことだもの、寛容に受け容れていかなければならない・・・・ と、そればかりを思って、医療費も負担していてくれたのだ。 治れ、治れと願ってくれていたのも、事実だ。
その娘が、だ。こともあろうに、自分の状態や通院記録を本にしよう♪(るん♪るん♪)
というとんでもない暴挙に出ようとしているのだから、 彼女とて、今度という今度は黙っていられなくなったのだろう。
でもね、サヨコよ、誤解しないでほしいのだ。 歯が痛ければ歯医者に行くし、骨折したら整形外科に行くだろう? それと同じことなんだという『証明』をあたくしはしたいのだよ。 今、あたくしとオーアエが診察室の中でどんな会話をしているか、彼女は知らない。 今でもたまに起こす、過喚起発作の時も、あれほど言われているのに、どう処置したものか 彼女は未だに戸惑っていて、あたくしはもう、そんな彼女に頼らなくなってしまったのも事実だ。 台風が頭の上を通り抜けていくのを待つのと同じ状態で、 酸素が有り余った苦しい状態を、ただ通り抜けていってくれるのを待つしかないというのも悟った。 それが本格的にヤバい状態になると、数時間単位で苦しい思いをしなくてはならないし、 5番目のヤロウが出てきて、暴れだして、大騒ぎ・・・・なんてこともまだまだ未解決のままなのだ。 頭の上を台風が通り過ぎるのを待つ・・・・というのとは明らかに次元が違う。 「何か」をしないと、結局はダメなのだ。
ぷよ2は理解まではしていてくれる。 病状に関しても彼の方が、同じ屋根の下で暮らす母親よりもきちんと認知してくれている。 微妙にズレが生じていると、あたくしは思うのです。 「結婚しよう」と言ってくれたぷよ2の本心をサヨコは明らかに分かっていない。
「こんな、いつ発作を出してぶっ倒れるかわからない娘を嫁に出していいものかどうか・・・・」
こういうふうに思っているのが現実なのだ。 受け入れ側・・・・つまり、ぷよ2のご両親や本人は そういうことをきちんと理解しているというのに、実の母親が、体裁を気にしているので、 あたくしは、その「殻」をとにかくぶち破っておく必要性を今、正に感じているのである。 サヨコ、心配してくれてありがとう。 でも、その心配はごく稀に、娘を窮屈にするのだよ。 とっても、とっても、ありがたいのだけど、あたくしは心配されるよりも、ラクになりたいの。 きちんとした治療方針であるとか、減薬であるとか、そういう具体的な問題と向き合って、 同時に、自分とも向き合って、更に「作品」と名の付くものを輩出していかなければならないの。
お勤めに出られないんだもの・・・・出られなくされているんだもの。 そろそろ、現実を認めてくれてもいいと思う。
あなたの娘は、精神神経科を経て、心療内科へ通院中。 いつ、どこで、どういったタイミングで、発作を出すかわからない。 でも、その発作は命を脅かすものではない。 きちんと原因を追求することと、精神的に発散させる必要性がある。
と、しても・・・・彼女が本格的に理解できるようになるのは、社会の理解が得られるようになってから・・・・ なんだろうなぁ。
それと、誤解をされては困るのだけれど、精神病と神経症、精神疾患という呼称の間に 微妙な違いがあるというのもわかって頂きたい。 加えて、誰と誰を比べて、重症か否か、治るか治らないのかというのを 書くつもりも全くない。 こういうものは、本当に個人個人千差万別の症状が出て、その上で付けられる病名も かかる医師によっても全く違う。 これは、あたくしも経験した。あっちの医者ではこう言われたが、実はそんな病気ではなかった・・・・ ということも。 だから、あたくし個人の視点で、あたくし個人のことを書く。
あたくしは、確かに「心療内科」というところに通院しているが、犯罪を犯しているわけではない。 自傷行為をしているわけでもないし、薬も上限を守って飲んでいるつもりだ。 外見、特別に問題はない。あったとしても、それは「個性」で片付く範疇のもので、 それはあたくしに限った話ではなく、サヨコにも他の人間にも必ず存在する。
ただ、あたくしは、そういった観点で少々過敏すぎるという「個性」を持っているだけで、 それについてのカウンセリングを受けているだけなんだけどね(苦笑)。
章立てのために、昔の文章を少し読み返していたら、さすがのあたくしも気分が悪くなった。 忘れてしまいたいが、記録として残っているものを編纂するというのは、結構、過酷なのかもしれない。 けれど、こんなことで荒んでいられるものか。 これは、あたくしが自分で選んだ試練・・・・つまるところ「天命」なのだ。 「書く」のは楽しいが、楽しいばかりのことなんか、所詮「趣味」になる。 お金を得る・・・・ということは、つまるところ、そういうことなんだろう。 ・・・・だんだん、わかってきたよ、神様。
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