新年明けましてのアサミンジャー。
今年を一体どう生きろというの・・・・という悲しい展望は後回しにしておいて
本当に良かったと思える、今日この頃。
正月は、何だかバタバタしていて、正月っぽくなかったし
それでも実は、そういう正月はこそ、
あたくしにとっては至極都合のいい感じだったりもするんだけど。
本日、年明け初診察。
薬を貰って、らんららん♪と帰ってくるつもりだった。
が。
どうやら、あたくしの前の人が、診察室で暴れているらしい( ̄∇ ̄;)
ご両親らしき人が飛び込んでいった。
その患者さんの泣き喚く、悲痛な絶叫と一緒に
怒声みたいなオーアエの、真面目な説教の声まで聞こえる。
どうやら今日も、バカ長い時間を待たされるのは、コレで本決まりのようだ。
このような光景にも随分と慣れたが、
最初のうちは、どうして自分がこんなところで診察を受けているのか
不思議な気持ちでいっぱいだった。
だけど、今なら何となく納得できる。
あたくしにも、あの患者さんのような暴走・爆発の可能性が十分に備わっていることが判明したし
実際、ひとたび発作が起きると、
最近では「オーアエ殺害シミュレーション劇場」が脳裏を駆け巡るようになってきたので、
かなりヤバいなと、自分では制御しているつもりなんだが、
5番目の人格は、徐々にその制御を逃れる術を覚えだしたらしく、
実際に、発作が起きるたびに、あたくしは器物損壊とか傷害とかがなかったか
いちいち確認しなくてはならなくなった。
待合は息苦しい。
それでなくとも、何かから解放感と安心感とが重なって、
ここへ来ると、「素」に近い状態になって、それでなくとも発作が出やすい。
あたくしは、発作を避けるため、できるだけ待合の時間を短くするために、
それこそ、分刻みの計算をしてここを訪れるようにしていたのだけど、
今日は、そうもいかないみたい。
先客、暴れてるし・・・・( ̄∇ ̄;)
予約時間から大幅に遅れて、1時間ほど待たされて、ようやく診察室に通された。
あたくしは、プチ発作でふらっふらである。
壁とかドアに、ガンガン身体をぶち当てながら、とりあえず診察室に入る。
「うわぁ・・・・めでたさのかけらもない。
どうなの?? 不調だったの??」
「いや、3時間くらい前までは絶好調だった。」
「何だよそれ(笑)。待たされたことに対するあてつけか??」
「いや、そうじゃないんだ・・・・。実はね・・・・。」
病院に来る前に、先崎さんから頼まれていた色紙の発注をしてきたのだけど
その梱包の時に、サヨコが漏らした一言が、
あたくしにとっては、この世の終わりかと思うくらいに衝撃的だったのである。
「しかし、あんたもこういうことをやるってのは、
本当にお父さんによう似とるわ。さすが親子やなぁ。」
「え?」
「お父さんもな、結婚式とか何かお祝い事があって招かれたりすると、
ちょっと気の利いた言葉をこうやって色紙に書いて、
それを渡しとったりしたもんでね・・・・。」
「な・・・・何それ。
それじゃ、この企画もそもそも山賊の二番煎じじゃん!」
「あの人は、歌なんか詠めるような人じゃないからね。
それにお金を取ってやってたことじゃないから。」
「だけど・・・・。
うわぁ・・・・・。マジかよ。こんな近くに発想酷似な人がおるやなんて
迂闊もいいとこやわ(-。-) ぼそっ」
「最初はね、色紙やなくて扇子に書こうとしてたらしいんやけど・・・・」
(ヤ、ヤツの方が発想力は上かよっ!)
「そんでも、最終的には色紙におさまったみたいやね。」
と、ここで、あたくしは
とある重大な過去の記憶を呼び覚ましてしまうことになるのである。
「・・・・思い出した。
あたし、その代筆、1回だけやらされたことある。
確か、誰かの結婚式の時や。」
「小さい頃やなかったか?」
「違う・・・・高校か大学の時。
あたし、書道は下手やよって言っとるのに『俺の字よりかはマシや』
とか言って、何か書かされた・・・・。
出来上がりには結構満足して、出かけてったけど。」
「そんな最近の話しかね??」
「うん・・・・情けない。忘れとった( ̄∇ ̄;)」
と、このような経緯が商品の発送寸前に発覚し、あたくしはせっかく出来上がった
渾身の作品たちに、それまではすごく満足していたのに、
一気に萎えてしまい、作品そのものに自信が持てなくなってしまったのだ。
でも、もう先方からは入金までして頂いているので、送らないわけにはいかない。
あたくしは、泣けてきそうなほどに情けない気持ちで、その色紙を郵便局から発送し、
その足で、病院まで来た。ダークで重い気分をぶら下げたまま。
その話をオーアエにしたら、文字通り一笑に伏された。
「バッカだなぁ♪ そんなこと気にしてるわけ??
大丈夫だよ♪ 才能はあなたの方が確実に上なんだから。」
「でもさぁ、おかんも発送寸前に何もそんなこと言わんでもいいと思わん?」
「そうだな。余分なこと言いやな(笑)」
「もっとアホなのはこのあたしよ!
代筆までさせられてるっていうのに、それも忘れて、
あんな商売に着手して・・・・
年末年始にかけて下準備も色々したから、今更後戻りもできないのに・・・・。」
「だから大丈夫だって。山賊より君の方が断然上をいってる!
しかし、アレだな。君はどうしてお父さんが絡むと、そうなっちゃうんだ?
もう、とっくに君の方が彼を凌駕しているはずなのに・・・・。」
そう。オーアエの言う通り。
別々の道を別々の形で歩いている大人同士になっているはずなのに、
山賊が自分の世界に絡みつくと、何故だかわからないけれど、異様な執念というか
奇怪なくらいのライバル心というか、そういうのが滾ってくるのが、
自分でもほとほと嫌気がさすほどなのである。
わかってる・・・・わかってるんだけど、涙が出てきてしまうくらいに
悔しかったんだ。
あと、もう1つ。
胸につかえて、下りていかないものがあったので、そのことについても話しておく。
「正月の2日に、彼氏の本家に連れてかれたんですよ。」
「本家!? 何じゃ、そりゃ(爆)」
「おじいさまとかおばあさまとか、
親戚一同が集まっているところに連れてかれたんです。」
「今時、何ちゅう古臭い( ̄∇ ̄;)」
「いや、そこまではいいんですよ。皆さんとても良くして下さったし、
いい人ばかりだったし・・・・でも、腑に落ちない点が1つだけあって。」
「何だ?」
「その集まりの中に1人だけ、誰にも口をきいてもらえずに、
存在すらも無視されてる男性がいまして・・・・。
前に聞いた話によると、ちょっと問題のある人っぽくて、
その家の皆から嫌われてる人らしいんですけど。・・・・でも。
あたし、それ見て、すごく気分が悪くなっちゃって・・・・。
だって、やってることが子供のいじめと大差ないんですよ。
そこに確かに存在するのに、誰も彼の存在そのものを認めてない。」
「あぁ、そうだね。それはかなり奇妙な集団だね。」
「あたし、自分がシカトされたこともあるし、
シカトされている人を傍観した経験もあるから、
一気にそれで気分が悪くなっちゃって。
一応、気を使って気にしてない振りしてましたけど、アレでかなり気疲れしました。
その晩、発作ですわ( ̄∇ ̄;)」
「その、昔の光景が頭をよぎったってわけか・・・・?」
「その現場ではハッキリそうと認識したわけじゃないですけど・・・・。
でも、それまで続いた頭痛がかなり酷くなって、発作まで出ましたからね。
あとから色々考えたら、多分、それなんじゃないかと・・・・。
周りの人がいい人だっていうのはわかったんです。
でも同時に、その人たちの嫌な部分もガツンと見せられてしまったっていうか。」
「なるほどなぁ・・・・。いじめに参加しないはずのあなたが、
また前と同じように巻き込まれそうになってる・・・・というわけね。
傍観するのも嫌だって言ってたもんなぁ。」
「うん・・・・。今回は、その人が前にどんなことをしてきたのか知らないから、
自分の意見もないまま、あの場所にいたから特に。」
「知ってたら、どうした?」
「多分、行かなかったと思います。そういう集団、ついていけないし、
精神衛生上、良くないから。」
「じゃあ、どうして行っちゃったわけ??
今更、本家も何もあったもんじゃないだろう?」
「実は・・・・昨年も一昨年もお断りしてたんです。
色々理由つけて。だけど今年は、とうとう断りきれなくて。
あんな場面に遭遇するとも思ってなかったし。」
「とりあえず、そのフラッシュバックがある限り、
近づかないことだな。
・・・・しかし、どうして治らないのかなぁ、あなたの病気。
過喚起なんて、とっくの昔に治っちゃてもいいはずなんだけどなぁ。」
それだけはあたくしに聞かないでほしい( ̄∇ ̄;)
こっちだって、好きで患ってるわけじゃないんだから。
そんな会話の最中にも、あたくしの呼吸はどんどん乱れ、プチ発作は
本格的な発作になって、セルシンを静注されるまでに至った。
前後の記憶は曖昧で、注射をされたんだなぁというのは、
肘の静脈部分に貼られたテープで認識した。
どうやら、また記憶がぶっ飛んでいる最中に、アイツが出てきて、
何かやらかしたんじゃなかろうか?<推測でしかモノが言えない( ̄∇ ̄;)
目尻には涙の後。
嗚呼。泣いていたのね。
頭の中をグルグル何かが駆け回っていたような感じがしたのは、
5番目を、理性係が必死に止めていたに違いない。
呼吸は、薬のおかげで大分落ち着いたが、反動でボーっとしている。
「先生・・・・」
「お、大丈夫かぁ?」
「また、何かしました?? あたし」
「指の関節を鳴らして、こっち睨んでただけ。
カッコ良かったよ♪」
「それだけ?」
「それだけ。でも、いいよな、アレ。
そこにポラロイドあるから、今度出てきたら、写真撮っちゃってもいい?」
「( ̄∇ ̄;)・・・・ど、どうぞ。」
「何か、頭の中で声とかしてる? してなかった?」
「あぁ・・・・してたような・・・・。
またシミュレーションが始まっちゃってたんで、
とりあえず必死に止めてはいたんですけど。」
「げげっ!! また、俺が殺されちゃうわけ??」
「そうならないように努力させていただきました。」
「でも、爆発・暴走は止めると余計にいかんからなぁ。
いいや♪ 出しちゃえ、出しちゃえ。」
「無責任な( ̄∇ ̄;)」
「ちゃんと歩けるか? 大丈夫かぁ?」
「うん・・・・。先生のとこに来たから、
安心したっていうか、緊張してたもんが途切れたっていうか・・・・。
大丈夫。おかんに迎えに来てもらう。」
「気をつけて帰れよぉ。」
以後、セルシンの効き目は会計精算、薬局での薬待ちの時に遺憾なく発揮され
フラフラになりながら、おかんの車に乗せられて、帰るには帰ってきたけど
以後、ちっとも眠れず・・・・( ̄∇ ̄;)
頭痛は甦ってくるわ、動悸はちっとも治まらないわで、
夜中の2時過ぎまで眠れなかった。
こんなことなら、きちんと1アンプル静注してもらうんだったな・・・・と
後悔しても後の祭り。
今、こうして書いている日記も、まだ昨日飲んだ追加分の薬が身体に蔓延っているのか、
今一つ精彩に欠ける気がする<闘病記に関してはどうでもいいんだ、そんなもん
いつもは14錠でぐっすり眠れるアサミンジャー・・・・・
昨夜は累積、21錠飲んでも、6時間としないうちに目が覚めるという
恐ろしい目に遭ったのでした。
(その後、むかつくので、2度寝で4時間追加睡眠したことは伏せておこう)
あたくしが、「オーアエ殺害シミュレーション」の話をしたからだろうか。
彼は、いつもはボロボロの黒い革靴を履いているのに
かといって、それであたくしに勝てると思うなよ。
あたくしのハイキックは、思いの他、威力があるらしく、
あなたの眼鏡くらいは、容易に吹っ飛ばすくらいに蹴り上げますから。
それを今、理性を総動員して阻止すべく、あたくしは頑張っているのです。
セルシン半アンプルくらいだったら、まだまだいけたかもしれないと、
物騒なことを理性の範疇で考えるようになった、
要注意なアサミンジャーなのでありました。