2004年07月06日(火) ホリ


大学の図書館で調べものをしていたら、
去年同じ学年だった子が声をかけてくれた。
後期から今年の四月まで、私は休学をしていた。
しかも、休学前の最後の方はほとんどフェードアウトするような形になってしまい、
携帯電話の番号もメールアドレスも変えてしまったから、
さぞかし心配をかけていたに違いない。
今日声をかけてくれたのはホリという子で、
去年の短い大学生活の中ではいちばん仲が良かった子だ。
だんだん不登校になっていく私をいちばん最後まで心配してくれた。
そして、復学してからいちばんはじめに声をかけてくれたのも、ホリだ。
みんなに何も言わずにいなくなってしまったことが後ろめたくて、
チラホラと知った顔を見つけても、なんとなく声をかけられずにいた。
カフェテリアで仲が良かったグループの近くになれば、
うつむき加減にしたり帽子を目深にかぶって、気づかれないようにした。
階段や廊下ですれ違うときはそっぽを向いて、顔を見られないようにした。
そういう小心者の私って、なんだかばかみたいだったなぁと思えた。
「一年ぶりだね」と言うホリは去年と同じようにニコニコしていたし、
私自信もすごく自然に話せた。
こんなことなら、なにも休学しなくても、大学生活に復帰できたかもなぁなんて思いもした。
けれど、休学したことに対して全く後悔していないし、
その間に出会ったたくさんの人たちのことや、
いろいろな出来事のことを思うと、むしろこれでよかったんだって感じている。
ただ、去年の友だちのことだけは心にひっかかったままだったから、
今日、こういう出来事があって、また私は少し進むことができたように思う。

なにより、うれしかったんだ。
私のことを覚えていてくれたことが。
前と変わらぬ調子で話しかけてくれたことが。



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