2009年12月22日(火) |
『カールじいさんの空飛ぶ家』 |
冒険好きな少年カールと少女エリーは、夢を語りながら成長し、やがて結婚。 幼い日、2人で冒険を語り合ったの思い出の家を買い取り居心地のいい我が家に改築する。 喜びも悲しみも分かち合い、つつましく生きてきた2人にも、やがて悲しい別れが訪れる。 ひとり残され偏屈な老人となったカールは78歳で一世一代の冒険に旅立つことに。 無数の風船と共に大切な家ごと飛び立ったカールが目指すのは、かつてエリーと夢見た冒険の地だった。。。
冒頭の10分が全てでした。
よく「人生が走馬灯のように駆け巡る」なんて言うけれど、それを、そのまま表現した冒頭のシーンは、お見事だった。
カールとエリーが結婚生活をスタートさせてから、エリーが亡くなるまでを、映像と音楽だけで綴る場面で、セリフは一切ありません。
それでも、あの10分たらずのシーンには、2人が、時に悲しいことも経験しながらも、幸せな人生を歩んだ時間がぎゅーっと詰められていて、「人間、誰しも晩年になったら、今までの人生ってきっとこんなふうに、走馬灯のように駆け巡るんだろうなぁ」と、ジーンときてしまいました。
大人になるにつれ、1年なんて本当にあっという間だし、そのうち、そのスパンがどんどん大きくなって、10年だってあっという間に感じると思う=80年の人生だって、きっとあっという間なのかもしれない。
あの冒頭のシーンを見ながら、そんなことを色々思いました。
カールが旅に出てからは、意外にもけっこうオオゴトな冒険話に展開していって、スピーディーな内容になっています。
ピクサー社の作品は、その時代、時代を捉えたメッセージが上手にこめられているような気がします。
今は、携帯電話1つで何でも出来て、用が完結する時代で、人と接しなくても何かが始められて、またそれが完了できる。
人と人との関係が希薄な時代だからこそ、愛するパートナーを大切に想うカールという主人公が、より心に響くんじゃないかなぁと思いました。
全体的には、私の中では、やっぱり『モンスターズ・インク』を越えることはなかったけど、冒頭のシーンは本当に印象的で、あのシーンだけもう1度見たいくらいです。
♪BGM♪〜『THIS IS IT』サントラ
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■感想予告■(映画見済・感想暫待)
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