2007年01月28日(日) |
『それでもボクはやってない』+1月の読書まとめ |
大事な就職面接を控えた日の朝、満員電車がホームへ到着したところ、痴漢に間違えられて現行犯逮捕されてしまった金子徹平(加瀬亮)。 連行された警察署で容疑を否認すると、そのまま拘留される。 その後も一貫して無実を主張するものの、結局は起訴される事に。 徹平の無実を信じる母(もたいまさこ)や友人の達雄(山本耕史)の依頼でベテランの荒川(役所広司)新米の須藤(瀬戸朝香)の二人の弁護士が徹平の弁護を引き受け、いよいよ裁判が始まる。。。
休憩のないノンストップのストレートプレイを見ているようでした。
やってもない事で逮捕されて、怒りをどこにブツけていいのか分からない・どうしていいのか分からない本人と家族や友人。 「事件」とか「逮捕」とか「裁判」なんて事に疎い、普通の人たちが困り果てながらも前に進み闘っていく様子がひしひしと伝わってくる作品でした。
タイムリーな話題として、先日、富山県で3年の実刑を受けた男性が、真犯人が見つかり冤罪だったという事件があったばかりですね。
取調べはケースによって様々だと思うけど、劇中のシーンを見て、やってもない事を疑われ責められ続て、その現状を逃れたい気持ちがわいてくるのも全く共感できないわけでもないなぁと感じました。 真相よりも、人間の弱さの部分を真っ先に殺しにかかるというか…。
頼れる人は誰もいない。 やってないのに誰も分かってくれない。 何も信じてもらえない。 『インファナルアフェア』じゃないけど、これもある意味、無間地獄の一種ですよね。
パンフレットの周防監督のインタビューの中にも「ポイントは裁判官」と載ってますが、「裁判官」の存在を大きく意識した作品に感じた人が多かったんじゃないかな? (私もその1人)
弁護士や検事や陪審員をテーマにした映画はよくあるけど、裁判官をフィーチャーした作品は少ないですよね。 ニュースで法廷のワンショットが映る時なんかも、黒い洋服着て真ん中の高い所に座っているのが裁判官ってイメージで。
「裁判の途中で裁判官が変わる」のが劇中の1つのポイントになっています。
その辺のストーリーの流れとか見せ所が、なかなか上手いなぁと感じました。
冤罪は許されない事だけど、痴漢はいっぱいいるし、とにかく他人に誤解を与えないような行動をするしかないけど、、、満員電車では、どうしようもない事態もあります…。
一緒に見た相方に、「電車で通勤する日は両手を吊革につかまって乗ってよ」と、思わず言ってしまいました。
チョットしか映らなかったけど、、、検事の実習生役だったか、裁判官の実習生役だったか、どちらかの役で、『運命じゃない人』の主人公:宮田こと、中村靖日さんが出てましたよねぇ??? 誰か気づいた人いるかなぁ?
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1月の読書まとめ。
・『息がとまるほど』(唯川恵 著)★★★☆☆
・『初恋温泉』(吉田修一 著)★★★☆☆
・『雨のち晴れ、ところにより虹』(吉野真理子 著)★★★★☆
・『温室デイズ』(瀬尾まいこ 著)★★☆☆☆
・『真相』(横山秀夫 著)★★★☆☆
・『その街の今は』(柴崎友香 著)★★★★☆ この方の作品は初めて読んだけど、普通の生活を描いた描写がとっても好みだった。 ただ、大阪弁を文字で読むのがチョット慣れなくて…それだけが難点。
♪BGM〜『ドリーム・ガールズ』サントラ
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■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『世界で一番パパが好き』
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