1914年、第一次世界大戦下のフランス北部。 フランス・スコットランド連合軍とドイツ軍が連日熾烈な戦いを繰り広げていた。 そしてクリスマスの夜、現地に届けられた何万本ものクリスマスツリーとともにドイツ軍兵士たちは、テノール歌手であるニコラウス(ベンノ・フュルマン)と妻のアナ(ダイアン・クルーガー)の美声に酔っていた。 それに応えるかのようにスコットランド軍は、ニコラウスの歌声に合わせバグ・パイプの伴奏を始める。 これをきっかけに3ヶ国の軍は一夜限りの停戦に応じる。。。
スローガンのように「戦争はダメだ!反対!」と掲げる映画ではなく、静に語りかける作品でした。
戦争は人を変える。 それは当たり前だよね? だって、人殺しをするんだもん。
同じ神を信仰し、同じようにクリスマスを祝う人間同士でありながら、殺しあわないといけないという現実。 上官であれ末端の兵士であれ、疑問なんてもっちゃいけないと思うし、ましてや問うこともないと思う。
人間が人間じゃなくなる中で、人間らしく生きる時間を持てるって凄いことなんだろうなぁと思った。
人間の力で戦争が始まるけど、それをやめるのも人間の力なんですよね。 殺しあうのも命がけだし、やめるのも命がけだと思う。 それが現実にあり、実話に基づいたこの作品が生み出された事に、感謝したい気持ちになりました。
前知識なしで見たけど、泣いたなぁ〜。
オペラ歌手夫妻を演じた2人の歌声は吹き替えだったけど、雪の夜、ツリーを片手に力強く高らかに歌うベンノ・フユルマンの姿と、ミサで美しいアヴェマリアを歌うダイアン・クルーガーの姿は、とても心を打たれました。 ツリーを片手に、ノーマンズランドを歩くニコラウスの歌声が強くなるごとに、見ている自分の感情も高ぶってきて涙が流れてきた。 寒空の雪の中、アナのアヴェマリアを聞いた時は、静かな清らかな涙が流れてきた。
劇中のいろんなシーンでもポロポロ涙が伝ってきたけど、エンドロールのイラストが嗚咽に近くて困ってしまった。
劇中、ギョーム・カネ演じるフランスの中尉が、恐怖の中、部下を率いて先導しなければいけない感情の起伏に苦しんで、その捌け口として、ノートにデッサンをするシーンが登場します。 エンドロールは、劇中の印象深いシーンを全てデッサンで表現していて、、、この絵がまた哀愁漂う絵で…もぉたまらなく泣けた。
役者陣はもちろんだけど、フランス語、英語、ドイツ語が入り乱れたセリフも特徴的で良かったです。 例えば、「ドイツ兵の役なのに英語しゃべってる」とか、よくある(というか、ほとんど)このパターンの映画が多い中、フランス人はフランス語を話し、ドイツ人はドイツ語を話し、スコットランド人はイギリス北部なまりの英語を話し、物語は進んでいきます。
役者陣は本当に全員が素晴らしかったし、どの登場人物も本当に全員が印象深かったなぁ。
『リトル・ダンサー』のお父さんこと、ゲーリー・ルイスがスコットランド人の司祭役で出演しています。 ゲーリー氏、本当に良い役者さんだよねー。 ビリーのパパ役は多くの人が感動したと思うけど、今回の司祭役も良かったよ〜。 ラストシーンで、上司の司祭と言い争ってペンダントを外すシーンもカナリ印象深かったです。
フランス人中尉のギョーム・カネと、ドイツ人中尉のダニエル・ブリュールも好演でした。 2人は、対比した性格のキャラクター設定で、この設定自体も上手い作り。
私はどちらかというと、弱さをや苦悩を出して人間味溢れるフランス人中尉の方が印象的だったんだけど、一緒に見た相方は、「この人が1番冷静だった」と、ドイツ人中尉が1番印象的だったと言っていたなぁ。 ダニエル氏演じるドイツ人中尉は、ユダヤ人で、(この映画は1914年の話だから)「あ〜、ドイツ軍の中尉まで務めてたけど、彼の人生はこの後、悲劇になっていくのかな…」と想像しちゃいましたね。
見ている途中、今作と同じように、敵の兵士同士の交流を描いた『JSA』が頭によぎり、何かのきっかけで突然の発砲が始まったり、救いようがないどんよりしたラストになったらどうしようかと、ちょっと冷や冷やして見ていたけど、そうゆう感じではなくて安心しました。
ただ、暖かみを感じられる物語が進んでいくにつれて、逆に、「あ〜、こんな人情味あふれる映像だけど、この中で絶対、誰か死ぬな…」という恐怖感は多少あったかな…。 『JSA』も、ふとしたきっかけで発砲があって、銃を構えるシーンがあったでしょ? だから、私はああゆうシーンを恐れながら見てました。 結果的に、一部、絶望的なシーンもあったけどね…。
エンドロールのラストに、「1914年の大戦で戦った兵士たちにささげる」というメッセージが出るんだけど、もう今から92年前のこと…当時、17,8歳で戦場に行った人だとしても、109歳か110歳か…。 残念ながら、2006年に存命の人はきっといないでしょうね…。 パンフレットに載っていた、ドイツとイギリスの兵士が一緒に写ったスナップ写真が、より私の心に刻まれます。
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4月の後半はイマイチ見たい映画がなくて、というか、見たい作品がTOHO浜松は全く上映がなくって、小休止だった。 そして、5月の前半は体調不良でダウン。 映画館行くのも1ヶ月振りぐらい?だったかな…。 レポを書くのも久々という感じです。
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いつもショートヘアの私ですが、今年の(2005年シーズンの)冬は寒かったので、防寒含めて、久々に髪を伸ばしていました。 2年前、振り袖を着る為に、数年振りにセミロングヘアにしたんだけど、今回は、更に放っておいたので、私の中では7,8年振りぐらいの髪の長さになっていた。
春になったら切ろうと思っていたので、4月の後半に20cmバッサリいきました。 また本来のショートヘアになってスッキリ! 珍しいロングヘアのうちに、(ロングを見せたことない)友達に会いたかったんだけど、一旦、「切りたい!」と思ったら、もう我慢できなくなっちゃって、バッサリいってしまった。
それで、切ってから体調不良になって暫く相方と顔を合わせてなくって、母と妹に「あの人のことだから、短くなったの絶対に気付かない気がする…(笑)」なんて笑い話をしていたら、ヤツは本当に気づかなかった(笑)! 正確に言うと、気付いたことは気付いたらしいんだけど…私が「ねー、髪切ったんだけどー」って言い出すまで一言も言わなかったよ。 予想が大当たりで嬉しいような悲しいような(笑)。
私は、こんな鈍感人間を10年も11年も相手してるから、今さら別に何とも思わないけど、世の中の女性陣は、髪型の変化って、けっこう鋭く気付いて欲しいよね? いや、もちろん私も本意はそうですよ。 ただ、鈍い相手に慣れてるってだーけ。
♪BGM〜『Movin’ Out』オリジナルブロードウェイキャスト
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