2006年02月03日(金) |
『オリバー・ツイスト』+1月の読書まとめ |
19世紀の英国。 救貧院にいるオリバー・ツイスト(バーニー・クラーク)は、粗末な食事に腹をすかせた孤児を代表してお粥のおかわりを要求し、追放処分になる。 一旦は葬儀屋に奉公するが、不当な仕打ちに耐え切れず逃げ出してしまう。 行く当てもない天涯孤独な身の上では、目の前に延びる街道を遥かロンドンまで、目指すしかなかった。 1週間歩き続けてロンドンに辿り着いたオリバーは、スリの少年に拾われ、食事と寝床にありつけるからとフェイギン(ベン・キングスレー)という男に引き合わされる。。。
もう少し壮大なストーリーだと思っていたので、ちょっと拍子抜け感が残りました。
少年が主人公の作品は、無条件に好む傾向がある私なのに、残念ながらそんなに強く魅力を感じなかったかなぁ…。
当時のイギリスの階級社会や、孤児達の置かれてる立場や状況の悲惨さは十分に伝わってきて、心を打たれるシーンは多いです。 着たきりすずめの粗末な服装、ちっぽけな食事…etc…自分が子供の頃では考えられない状況で、前半のシーンは「あぁ〜、こうゆう子供もいるのに…」と、自分の恵まれた立場を感謝する感情になってきます。
でも、その後のフェイギンとオリバーの関係の描き方がイマイチ弱い為、最初から最後まで「オリバー気の毒…」のまま終わってしまった。 感動を求めてたってわけじゃないけれど、もう少し、心の繋がりっていうか、そうゆうのを強く描いて欲しかったなぁ〜。
タイトルロールを演じたバーニー・クラーク君は、セリフの言い回し(声のトーンなど)は、凄く上手だったと思います。 ただ、いかんせん華がない。 暗い役だから華やかさがないというのではなくて。 今までの、少年が主人公だった映画の子役に比べると、印象が一段落ちる感じ。
個人的に1番印象に残ったのは、オリバーと同じようにフェイギンの手下として働いているナンシー。 彼女のオリバーを思う気持ち、幼い子の将来を心から願う気持ちや行動にはグッときました。 私と同じように、ナンシーが印象に残った人って多いんじゃないかな?
これから鑑賞予定のある方は、彼女の優しさと強さに触れてください。
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1月の読書まとめ。
・『ララピポ』(奥田英朗 著)★★★☆☆ 今までの奥田さんにはないタイプの一冊で面白かった。 エロかったけど、こうゆうエロは面白いわ〜。
・『あの日にドライブ』(荻原浩 著)★★★★☆ 先の直木賞にもノミネートされた作品。 前向きな気持ちになれるとても良い小説でした。
・『恋せども愛せども』(唯川恵 著)★★★☆☆
・『東京DOLL』(石田衣良 著)★★☆☆☆
・『こまった人』(養老孟司 著)★★★☆☆
・『東京少年』(小林信彦 著)★★★☆☆
♪BGM〜『First Decade』by:KAN
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■感想予告■(映画見済・感想暫待)
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