2003年11月28日(金) |
『フォーン・ブース』+『クライマーズ・ハイ』 |
スチュ(コリン・ファレル)は、人を騙し丸め込んで生きている自称パブリスト。 クライアントの新しい女優パメラにを何とか手に入れようと、毎日、公衆電話からラブコール。 妻に履歴を確認されるのを恐れ、ご丁寧に結婚指輪を外して電話。 電話を終えたスチュの目の前で、突然、公衆電話が鳴り出し。。。
公開前、リネさんに「ハラハラドキドキ過ぎると困るなぁ…」と心配ごとを言ってた私ですが、実際見てみると、意外に(?)このハラハラ度は少なかった。 もっと、心臓がバクバクするような緊張感があるかと思ってたけど、そんな強烈な緊張感というのは感じなかったです。
いつも読んでいる『週刊新潮』の映画評に、「劇中、出ずっぱりのコリン・ファレルは役者冥利につきるだろう」と書いてあったけど、ほとんど1人芝居に近い域で、本当に熱演でした。 彼の私生活での噂はチョット置いといて、、、『ジャスティス』での彼に惚れた私としては、『マイノリティ・リポート』…イマイチ(-_-)、『デアデビル』…怖すぎ(>_<)、『S.W.A.T』…制服姿がかっこよい(^_^)という流れだったから、今回、逆戻りせずに満足いくコリンが見れて良かったです。
ただ、物語の流れとしては、もう少し駆け引きがあっても良かったかなぁ。 スチュと犯人、警察官と犯人、スチュと奥さん、はたまた奥さんと愛人。 “弁護士”にたどりついてからが結構あっさりしてて、その辺が、もう一ひねり欲しかったです。
ラストのオチは、私は正直、半分、分からないような分かったような…そんな感じです(~_~;) 映画全体としては、「犯人探し」の部分に100%重点をおいてないと(私は)思われるので、余計にハッキリした答えが出ないような内容なんでしょう。
これは、意外に自分自身の行動を考えてしまう映画かもしれません。。。
コリン・ファレル、次回作も期待!
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読書。
『クライマーズ・ハイ』(横山秀夫 著)★★★★★
1985年、群馬県の御巣鷹山で起きた日航機事故。 群馬の地方紙、北関東新聞の記者である主人公:悠木和雅は、全権デスクを命じられる。 その日は、同僚:安西耿一郎と一緒に衝立岩の登山を約束した日だった。 地元新聞記者たちの濃密な一週間。。。
『顔』のテレビドラマ化、『半落ち』の映画化と、今や売れっ子作家まっしぐらの横山氏。 氏の作品は全て読んだけど、今作は、お得意の短編モノ・警察モノとは異なる、初めて自分自身の体験を交えたような作品になっている。 (横山氏は元新聞記者) この日記にもいつも書いていたけれど、私は、「今度は、もっと長編を読みたい」と思っていたので、まず、ほどよい長さに満足して読み始める。 山崎豊子女史の『沈まぬ太陽』を読んだ人は、カナリ入り込んで読めると思う。 『沈まぬ太陽』は、加害者サイドからの内容だったけど、これは事故を取材し報道するサイドから描かれているので、全く対照的で興味深く読み進められるはずです。 この事故の話に絡めて、主人公:悠木と同僚であり友人の安西の登山話、そして、悠木と息子の葛藤など、とても上手にまとまっている。 特に、回想シーンから成る展開が個人的に凄い気に入っている。 今までの横山作品の中で、一番好きかな。
『沈まぬ太陽』を読んだ方は、とにかくオススメです。 今まで横山氏の本を読んだことない人には、特に読んでもらいたいかな。 そういえば、恩地さんこと、小倉寛太郎さんがお亡くなりになってから、もう1年(正確にいうと1年2ヶ月)が過ぎるんですねぇ(昨年10月の私の日記)。
横山氏は、最新作の『影踏み』も既に売れまくってますね。 私も既に予約中。 こんどは、どんなストーリーなのかな。
『anego』(林真理子 著)★★☆☆☆
主人公:奈央子は33歳。 総合商社OLで、同僚や後輩から慕われる「姉御」。 奈央子がバカンス先で知り合った夫婦の存在によって、彼女の生活は急激に変化していく。。。
林女史ファンの私としては早々に予約をして期待して読んだのに、正直、面白いと感じなかった…。 話の展開としては、ある夫婦と知り合ってから奈央子の生活は徐々に変化していくんだけど、描かれてる内容が、もの凄く型どおり。 「え?こうゆう流れになっていくんだ」という意外性は少しあるかもしれないけど、その中身が、全然、面白みがない展開。 珍しくエロさも足りないし、一見、ドロドロした内容に思えるけど、実はとってもあっさりしている。 何より、主人公の奈央子にちっとも魅力を感じないのだっ…。 他の登場人物は更にダメだった。
次作は、もっと恋愛度全開でいって欲しいな。
♪BGM♪〜『BRIDGE』by:SPEED
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