Akira Jimbo's Diary
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2010年10月05日(火) スピシュカノヴァヴェス

ウィーンを出発し、国境を越えてスロバキアの首都ブラティスラバに寄り、音楽誌の取材。それからまた延々走って、スピシュカノヴァベスという小さな街に到着。スロバキアで一番高い教会の塔がある事で有名。旧市街の回りに共産主義時代に建てられた無機質な共同住宅の棟が連なります。あまり美しいとは言い難い風景です。会場の市民ホールはさほど大きくはないのですが、天井が10メートル以上あり、壁面の反射音もすごくて音響的には劣悪な環境。ドンパンと叩くとドッカーンバッシャーンと響きます。ドッカーンバッシャーンドカドッカーンバシャバッシャーン。やかましー!始まる前に地元テレビ局のインタビュー。カンペを取り出し、スロバキア語の挨拶。「スピシュカノヴァベスに来れて嬉しいです」は「ソム ラド ジェ ソム トゥ ヴァ スピシュケノヴェヴスィ」です。主格と目的格で語尾が変化し、名詞も男性女性によって定冠詞が変化するので大変にややこしいです。紹介されて出て行くと非常に静かな感じ。今日はクールな反応かと思ったら、始まったら怒濤の盛り上がりで、アンコールまでいただいて無事終了。サイン会の後、会場裏のレストランで遅い夕食。スロバキア料理はヘビーです。油と塩味がきつく、ずっしりとお腹にたまる感じがたまりません。アルコール度75度の強烈な薬草酒が有名。火をつけるとボワッと燃えます。もちろん僕は口を付けませんでしたが。明日も明後日もスロバキア料理。胃がかわいそうですが、頑張ってもらうしかありません。がんばれ〜!
 スロバキアのディストリクトマネージャーのヤン(身長2メートル空手一段黒帯)がハルキムラカミフリークで、村上さんが今回のノーベル文学賞の有力候補になっているとのニュースが先日こちらの新聞に乗っていた事を教えてくれました。発表は10月7日。僕はプラハにいます。村上さんはフランツカフカ賞を受賞していますが、フランツカフカはプラハ生まれ。デビュー以来の筋金入りのファンの僕がたまたまカフカに縁のあるプラハにいる日にノーベル文学賞の発表がある。これは何かが起こるに違いありません。(かなり手前味噌な論理)いよいよでしょうか。ノーベル賞って2万光年くらい離れた遠い話だと思っていたのが、急に近所の出来事になったような気持ちです。村上さんは脳が減るからいらないとおっしゃるかもしれませんが、是非取って欲しいです。


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