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■ 大事な人
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■ 大事な人
貴方が何から逃げて居るのか御存知ですか?
時折、こういふ自分自身の問ひ掛けに「知ってる」と繰り返してしまふ。
ああ、知つてるさ。
母と僕が避けてゐるものが何なのか。
母と僕の性質の何處と何處が似通つてゐるのか。
知つてゐますとも。
目の前に見えてゐる人生の終わりへと、一歩一歩近付いていく親の姿を直視出來ないのだ。
彼女も僕も、現實を理解は出來てゐても、命を延ばす爲の手助けは出來ても、親の死を感じたく無いのだ。
他人が推す親の壽命が延びる度に一息ついて、少しでも永く在つて欲しいと願う。
だが、傍で見守るのは辛くて、確りと目を合はせられぬ。
彼女にとつても僕にとつても、親は大事な人だ。實に大事な人だ。
だからこそ、僕らは目を反らした儘でも現實に向き合はうと足掻いてゐる。
時折、こういふ自分自身の問ひ掛けに「知ってる」と繰り返してしまふ。
ああ、知つてるさ。
母と僕が避けてゐるものが何なのか。
母と僕の性質の何處と何處が似通つてゐるのか。
知つてゐますとも。
目の前に見えてゐる人生の終わりへと、一歩一歩近付いていく親の姿を直視出來ないのだ。
彼女も僕も、現實を理解は出來てゐても、命を延ばす爲の手助けは出來ても、親の死を感じたく無いのだ。
他人が推す親の壽命が延びる度に一息ついて、少しでも永く在つて欲しいと願う。
だが、傍で見守るのは辛くて、確りと目を合はせられぬ。
彼女にとつても僕にとつても、親は大事な人だ。實に大事な人だ。
だからこそ、僕らは目を反らした儘でも現實に向き合はうと足掻いてゐる。
2005年05月06日(金)