ブルーカラーの労働日記

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2005年05月21日(土) あいうぉんとぅらぁいどぅまぁいばいすぃーこー

「広末やら篠原ともえやら里谷多恵やらポール牧やら有名人は奇行ばすっとがステイタスやけんオイもどしこでんやってみんね!せからしか!」
と思うが早いか家を飛び出そうとしてやっぱり「さよなら、絶望先生」を読んでから家を飛び出した。今日の午前2時を少し回ったところであった。
上のがどこの方言だとかそんなことはどうでもいいし、そういった類のクレームは一切受け付けないが、ポール牧は奇行を働いたというのとちょっと違うのは認める。谷亮子は生き様全てが奇行だ、とか言うのは今食事中なのでまた今度。

そう、午前2時を少し回ったところでZenTouchから流れるMr.Scruffのトラウザー・ジャズを聴きながら大人しくエレベーターが来るのを待って1階に降り、友人に5000円で譲ってもらったビアンキに跨った。この時気づいておくべきだった。適切なサドルの高さは「つまさきがじめんにつくくらいにしましょう」と幼稚園で教わったのに対し、このビアンキのサドルは「両足の裏がベッタリ地面についてなおかつ膝が曲がる」高さで固着して微動だにしない(深い意味はない)のだということに。否、すでに気づいていたのだ。それでも断行するのが奇行に他ならないではないか。そしてオイは、もとい僕は北へ(正確には北西へ)向かったのだった。

巣鴨を出発し国道17号線沿いに志村坂を下って戸田橋を渡り蕨へ。深夜の埼玉は暗い。巣鴨も暗いがもっと暗いし道が狭い。ろくなところじゃないと思った。のが良くなかったのか、便意を催してきた。昨夜は17時に起きたとは言え深夜はやはりダルいので元より快調に飛ばしていたわけではないが、大腸から直腸にかけてやたらと重くなってきたので武蔵浦和の駅前トイレに入る。公衆トイレの割にキレイだった。素晴らしい。というかもうさいたま市かよとびっくりする。

この後17号線に戻ればよかったのだが、すっきりして身体が軽くなったのをいいことにあらぬ方向へと漕ぎ進めてしまいなにやらわけのわからないところに出る。いつの間にやら空が明るくなっている気がしたが、時間はまだ4時前だ。すわ、あの明るい空は眠らない街東京?と一瞬考えたもののそんないい加減な方向の手がかりを頼りにすることなく本能に従って進んでいると17号っぽい道に戻った。あれ?こんなに広かったっけ?17号線は途中で二つに分かれていて最初は東の17号、今度は西の17号に出たのだが、そんなこと知らなかったし僕悪くないしそのまま北っぽい方へと進む。

首都高沿いの走りやすいけど味気ない道をただ進んで行くと標識に「さいたま新都心」の文字を発見。しかもすぐ近くまで来ているようだ。思わず「さいたま〜!」と連呼したくもなったものだが、強い日差しを避け早朝の散歩に興じるリビングデッド、もとい老女だとかSantafe(笑)って書いてあるジャージを着たコワモテのお兄さん(もちろんセカンドバッグ)とかが目に入ったし止めておく。Mk22があれば脳髄に麻酔弾をぶちこんでやるところだが無いので諦める。諦めてばかりの人生はつまらないことを痛感。とか思ってたら大宮そごうとか見えて来たし!なんかビルとか高いし!やっべえ新都心だよwwwwwでも新都心駅はちょっと南に戻らないといけないようだったのでスルーして大宮駅の方へ。ソニックシティーだし!やっべぇなんのための建物なのかよくわかんないよwwwwwwこれもスルーしとくかwwww

でとりあえず上尾まで行こうかなと思う。この時すでに相当ケツが痛くなっていた。さいたま新都心周辺に入る前から急に痛み出した。サドルの高さが適切でないと体重の負荷がうまく分散しないのか知らんがただひたすらケツが痛い。こんなにケツが痛くなるとは思ってもみなかったし、ケツが痛いのがこれほど辛いというのも予想外だった。痛くないケツのポジションはないものかといろいろ試しているうちに、ケツの穴まで痛くなってきた時はどうしようかと思った。いろいろ試しすぎた弊害だったようだ。

で、まあ道なりに進んで行ったら大きく右にカーブしていたけど気にしないでおこうと思った。…標識から上尾の文字が消え、歩道まで消えてしまったのでものすごく後悔して引き返すこととあいなった。ああケツがいてえ。今地図で見るとそのまま進んでも上尾に入ったようなのだが歩道ねーし嫌だって。なんかあの道は無理だって。そう思った。

大きく右にカーブしてるとこまで戻ってみると、歩道橋を渡ったさきにカーブしてない道がある。自転車を抱えて歩道橋を渡った。この時ばかりは歩道橋の上から車道めがけて自転車を放り投げて帰ろうかと思った。ケツが痛いのでファミレスで朝飯でも食うべ!と思っても「深夜2時まで営業」ってなーんだそれ!そんなこと太字で書いたって何のウリにもなってねえんだよ、24時間営業してナンボだろファミレスはよぉ!!と思ってみてもケツが痛いのであまり考えがまとまらない。別にまとめる必要はなかったようだが。

上尾市はカーブ地点からは割と近くで、ケツが痛いなりにもすぐ着いた。上尾市日の出ってとこ。さいたま水上公園とかいう公園があって木立の密度が濃いしいい感じねと自転車を抱えて歩道橋を渡ってまで入ってみると相武紗季のポスターなんか貼ってあるしこれはなかなかくつろげそうだわい、あれ?でもこのポスターひどくピンボケしているね、ていうか徘徊、もといウォーキングをしている老人が多すぎるね、とくつろげそうになかったので小便だけしてすぐ公園を出る。

上尾にあんまりすぐ着いてしまったもんだからじゃあ桶川まで行ってみっかということに。つえぇ奴と闘うとオラワクワクするぞの悟空の心境だ。この例えが的を得ているとは到底思えないな。それでもさいたま水上公園でほけーっと落ち着けてたらそのまま帰宅したかも知れない。

その後桶川市内→桶川駅と進んだ。こっちはケツが痛いってのに桶川駅前にはひなびたパブしかありゃしない。幹線道路を外れて駅の方に来てしまったのは間違いだったようだ。幹線道路沿いにはファミレスがあるとは言えどれもこれも準備中だし大差はないか。24時間営業のマルエツを見つけたのでスニッカーズとおにぎりを買って食っているとなにやらパパが子供を連れてエスカレーターで二階に上がってゆく。店の案内を見ると二階はトイザらスのようだが、まだ6時になるかならないかというこげん時間になんばしよっとねと二階に上がってみると親子連れの列ができている。「なんですか。」と尋ねると「たまごっちです。」と言う。たまごっちごときのために土曜日なのに朝寝もしないでトイザらスに並ばされるとは最近のパパスは子供に甘いっつうか本人も楽しそうだし奇特だなぁと思ったけど自分の奇行に比べたらまだマシだと思い直す。

ケツが痛いのでマルエツに自転車を止めたままその辺を少し歩いてみる。何もない。セブンイレブンで缶コーヒーを買ってふと見上げると「桶川市」との標識が。…あれ?じゃあここって桶川市じゃないの?と反対側に回ってみると「北本市」と書いてある。ちょうどそこが境界だったようだ。北本市なんて俺知らないし、たぶん聞いたことないし、そもそも桶川も上尾も聞いたことくらいはあるっぽいけど良く知らないし、もう6時半だし帰ろう。

帰りはせっかく回復したケツだもんでかなり気を使ったのだがやはり痛くて痛すぎてなんか痛みを感じなくなった。ケツの先についてる足は非常に重くて女子高生に何度も抜かれた。と書くと不必要にいやらしくもあるが実際追い抜かれても追い抜き返す気力はなく、そんなことより羽虫が多くてぶちきれそうだった。

そうだよ、羽虫だよ。服に付くだけならまだしも目に入ってくるのがいただけない。顔に、服のそでを捲れば腕に、パラパラとぶつかるのがわかる。なんだよあれ、黒いのと緑いのと。あいつらのせいで帰り道は終始しかめっ面だった。ほんとうざい。買ったばかりのタバコを落としたのもあいつらのせいだ、きっと。あれ、タバコ落とした?とブレーキかけたらホリエモン似の青年が乗る自転車にカマ掘られたのも羽虫のせいだ。だって知らないよ、僕悪くないし。

シラを切り通して家に着いたのが9時半。調べてみると片道の最短距離が40kmなのだが、往路は最低5kmは回り道してると思われる。結局7時間で85kmくらい走破したことになるんだろうけどケツがなぁ。ケツが痛くなければ熊谷まで行けた、と悔やむことしきり。ものすごく頑張って固着したサドルを直してもまた同じルートを自転車で…という気にはならないだろうし。なんにせよこれは立派な奇行ではないかな、と大いに満足してます。


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