知らんけど

2003年08月01日(金) 岡山かなりや学園

今日は、岡山にある難聴幼児通園施設「岡山かなりや学園」という施設に見学に行ってきました。難聴の新生児スクリーニング検査など、難聴教育では珍しい試みを行っているところで、色々とためになるお話も聞けました。

難聴というと、恐らく皆さんは「耳が聞えない。」ということをとっさに思い浮かべられるでしょう。その次に来るのが「手話」や「補聴器」などのキーワードでしょう。しかし、生まれながらにして難聴がある場合、ただ聞えないという問題以上に大きな問題を抱えているのです。どういうことかと言うと、こどもは五感のすべてを使って外の世界を感じ取り、それを栄養にして様々な発達を遂げていくのです。知的な発達、体力的な発達などです。

耳が聞えないということは、一つの感覚を奪われたわけですから、聞えるこどもとはやはり違う成長の仕方をしていきます。例えば、音が聞えないことから、発音がうまく習得できなかったりします。ことばだけの問題ではありません。やはり、五感の一つが弱いために、社会性を獲得していく段階でバランスを失う事もあり得ます。社会で生活していくために、様々な特別な教育をしていく必要があるのです。

言語聴覚士は、こうした聴覚障害やこどもの発達を総合的に観ながら、医療との連携によってこどもの療育(医療+教育)を行っていきます。今回は、こどもの施設でしたが、様々な部分で大人へのリハビリテーションとも絡んでいて、大変ためになった見学でした。ちなみにこどもへのリハビリテーション(Rehabilitation)は、ハビリテーション(Habilitation)と言われます。大人は一度獲得した能力を再度(Re)回復させていこうという意図がありますが、こどもの場合は生まれながら障害を持って生まれてくるわけですから再度(Re)という考え方が無いのです。

なかなか世間一般にこうしたリハビリの世界を知ってもらう機会がないんですよね。このホームページで少しずつ紹介して行きます。


 < 過去  INDEX  未来 >


T [MAIL]

My追加