知らんけど

2003年05月14日(水) 水曜日の午後

今日は授業が午前中まででした。昼食を取って神戸に戻り、三宮をブラブラ。特にあてもなくほっつき歩いていました。それで、歩きながら色々と考えていたのですが、考える事があまりにも後ろ向きだったのである事を試みました。ある事とは、とにかく目に入ったものを、ことばにして解説してみるという試みです。

目の前に女の子が歩いていたら、「若い女性が歩いている。」とことばにし、携帯で話しているサラリーマンが居たら、「サラリーマンが携帯で電話をしている。」「ネクタイはダサい。」「スーツのボタンを三つしている。」などと、とにかく目に入るものをありのままにことばにしていったのです。たまに、ダサいとかブサイクなどの主観も入ってしまいましたが、とにかく客観的に事実だけを述べるように努力しました。

これが結構大変なのです。すべてのものをことばにしていくのは実際には不可能です。ことばにするという作業は意外と時間を使います。だんだんと早口になり、そのうち口形をつけてことばにしていくことができなくなりました。そこで心の中で唱える事にしたのです。心の中で、次々と目に入る状況をできるだけ客観的にことばにして述べていくのです。すると不思議なことに、これまで意識していなかった事柄にも意識が行き始め、「は!面白い!」「え?こんなのあったの?」というような新たな気付きを体験していきました。

もう一つ気がついた事がありました。それは、通りすぎていく人達とは恐らく高い確率で二度と知り合わないだろうということです。一人の人間がいるということは、そこに一つの人生があるというのに、私達はそんなこと意識してお互いを見ていないのです。でも、自分にはない価値観を持ったそれだけの人達がただ通りすぎていくのを意識して見ていると、「なんて自分は知らなさ過ぎるのだろう。」と思ったり、「世の中には知り合うべき人はたくさんいるし、出会うべき価値観は無限にあるんだな。」と感じたり、これまでに感じた事のない感覚を覚えました。

で、最終的にふと心に浮かんだのは次の思いでした。

「生きてるってこういうことなのか。すばらしい。」

実際のところ、「こういうこと」がどんなことなのかことばで説明はできませんが、一つ突き抜けた感覚を覚えました。生きる意味はわからないけど、生きていることを実感した。そんな雨の水曜日の午後でした。


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