知らんけど

2003年04月01日(火) 障害?

障害を持って生まれてくる子供達を毎日見ていると、非常に複雑な気持ちになることがあります。自分が結婚して、子供を授かった際に障害を持って生まれてきたらどうしよう。と考えてしまうのです。もし、お腹の中に居る胎児が、自閉症や精神遅滞を持って生まれてくると分かっていたら生みますか?

私はこうした子供を訓練する立場にこれから向かおうとしていますが、明確な答えを出す事はできません。あなたならどうしますか?

障害があるかないかを決めるポイントの一つに、本人がそれによって日常生活に不便さを感じるかどうか?ということがあります。もし、日本の社会が、自閉症や精神遅滞を初めてとした種々の障害を受容して、こうした障害を持つ子供や大人が不便なく暮らせる仕組みを確立したとしたら、障害なんて概念さえなくなるのです。

私が外国で見た光景は、まさに社会に障害者の方が溶け込んでいる風景でした。バリアフリーはもちろん、様々な障害に対して社会が対応しているおかげで、障害者が居ても特に不自然さを感じないのです。カナダでは、路線バスが車椅子で乗車する人のために15分ぐらいを平気でかけます。また、そうしたリフトが全部のバスに設置されていて、ドライバー一人で対応できるようになっています。

設備を揃える事がすばらしいとは限りませんが、そうした社会の受容の姿勢が普段何も気付かない健常者の人の障害者への気持ちを日常的なものに変えていくのです。私が目指す言語聴覚士という仕事が、当たり前のように社会に認められる日がくれば、自閉症や精神遅滞の子供本人、そしてその家族はいまよりずっと暮らしやすくなるのになあと思うのです。

こうした話しはイデオロギーや思想の話しになりがちですが、環境が変われば意識が変わるという人間の特性を考えれば、それほど難しい話しではないと思うのです。年度末の無駄な工事はやめて、こうした環境作りに目を向けて欲しいものですね。


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