知らんけど

2003年03月19日(水) 好奇心の開放

実習前ということもあり、こどもの発達について集中的に勉強をしています。その中で、こどものモチベーションについての話がありました。知的障害児に代表されるような発達に遅れを持ったこどもの言語訓練を行う際には、こどもの訓練に対するモチベーションが大事な要素になってきます。(もちろん健常児もそうです。あ、健常児というのは平均的な発達をしているこどもの事をいいます。発達に遅れを持ったこともというのは、決して発達しないこどもという事ではなく、平均より遅いだけです。)

こどものモチベーションは、大人の私達とは違って人間として必要不可欠な能力を獲得していくために必要なものです。例えば、部屋の中にたくさん置いてあるおもちゃに好奇心を抱かない一歳児は、恐らくことばの獲得の段階に来ていない可能性があります。また、おいしそうなお菓子に対して指差しをすることで、大人に対して自分の欲求を伝えるためには、伝えたいという気持ちがなければいけません。こうした欲求を支えるのは好奇心なのです。

しかし、こうした基本的な好奇心はある程度時間が経ってくると平凡化、形骸化してくるのだそうです。基礎的な好奇心がある程度満たされると、それを土台にしたまた新たな好奇心が生まれてくるのだそうです。高いレベルの発達を望むためには、こうして新しい好奇心を保ちつづける必要があるわけです。そのためにはどうする必要があるのか?

一番大事なのは、こどもの自発性を育てることです。自発性に支えられた行動と、それに伴う楽しい経験が新たな好奇心を生むのです。育てるというと、大人が「ほら、自分でやりなさい。」という感じがしますが、違います。こどもは本来、自発的に興味を持つ生き物なのだそうです。その自発性をどうやってサポートしていくかが大事なのですね。(発達の遅れのあるこどもは自発性に問題のあるこどもも多いようです。その場合は専門家が環境を整えて、自発性を発揮できるような訓練をしていきます。)

人間には本来そうした好奇心を持つための自発性と言うのが備わっているのです。それはこどもに限らず、大人にだってあるはずなのです。本来備わっている好奇心を、恥ずかしい気持ちや面倒くさい気持ちから開放させてあげることができるかどうかが人間としての成長に大きく影響するのではないか?と思うのです。こどもから学ぶ事、とても多いです。だって、私達も一度は通ってきた道ですからね。


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