知らんけど

2002年10月29日(火) 目標の本質

目的地を持たない船はさまよいます。しかし、その前に目的地を定めるには、その前提となる理由があります。そうやって目的というものをどんどんと紐解いていくと、最終的にはまったく予想もつかない理由だったりするのです。

例えば、一隻の船が日本に向かってきます。なぜ、日本に向かってくるのでしょうか?日本に必要な何かを積んでいるからです。その何かを日本に送りたい、もしくは、日本にそれが欲しいと思っている人がいるからその船はその荷物を積んで日本に向かっているのです。その思った人は、そうすることでお金が稼げると考えたのかもしれません。お金を稼げば、贅沢な暮らしができると考えたのかもしれません。そうやって考えると、この一隻の船が日本に向かってくる目的は、それを考えた人が贅沢な暮らしをするため。という筋を通すこともできるのです。

私達が生きていく際に、目的や目標というのは大事な要素といわれています。私は、そのことに対して今まで本当にそんな単純なものなのかどうかを疑ってきました。なぜなら、上の例に書いたように、何か目的を思いついたとしてもそれが本当に純粋な目的かどうかなんてわからないからです。日本へ向かうのだ!という目的は、間違いではないけれど、本当の目的ではないのです。私達の生活の中にもこのようなことが普通に起こり得ます。

「私はこうなりたいから、これだけの努力をする。」目標を掲げる際に一番単純な言い方でしょう。しかし、「こうなりたい。」と思わせる動機は何なのでしょう?意外と、私達はその心の奥に潜む「裸の欲」をごまかしてはいないでしょうか?逆に言うならば、その「裸の欲」を明らかにすること、そして、その事実を素直に受け入れる事によって、結果として目標を達成することができるのではないでしょうか?

物事の本質は、非常に単純なものです。複雑に表現または表出されている現象も、その根幹をなすのは単純なルールなのです。一本の線も、実は小さな小さな点の連続で構成されているのです。今は便利の時代ですから、時間がかかったり面倒くさい事はすべてすっ飛ばして省略します。いきなり複雑な結果だけを見る機会が増えているのです。私達が物事の本質を考えるということは、物事の最小のルールを見つけ出すということです。

この考え方は私達が何かをする際の目標を見つけるときにも有効な視点だと思うのです。私達のその行動の本質は何なのか?ジェットコースターが坂さえ登れば、後は自分の重みで様々な動きを可能にするように、私達も最初の目標さえしっかり定めれば、後は自動的に行動がついてくるのではないでしょうか?見なおしてみませんか?私達の裸の欲を。


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