知らんけど

2002年08月08日(木) リズム

今日はアルバイトでした。短期バイトを紹介してくれる派遣会社におととい登録したところです。早速、仕事を依頼し、朝から働いてきました。久しぶりの労働は、どちらかというと肉体労働でした。軽作業ではありますが、これを一日中行うとかなり疲労します。財布を100回上げ下げするようなものです。普段は何とも無い動作が、非常につらくなります。ま、私の財布の場合は、100回以上行くでしょうけれど。

主にダンボールの箱作りをしていました。冷房の無い倉庫での作業なので、汗がダンボールの上にポタポタと落ちます。だんだんと薄れ行く意識の中で、ふと「リズム」ということが生活において非常に大事なものだということを再認識しました。

昨日、「型」にはまることで人間の能力は思った以上に発揮できるということを、職人の例をあげて書きましたが、まさに、職人技を見ているとその所作には「リズム」があるのです。あえて、「所作」という言葉を使ったのは、職人さんの仕事は作業ではないからです。作業と所作の違いは「リズム」なのではないか?と思ったのです。

初めての仕事ですから、ダンボール一つ作るのも、最初は段取りがわからず時間がかかります。しかし、時間が経つにつれ、ダンボールを作るスピードが落ち着いてきます。そして、最後には、あまり考えなくても勝手に手が動き始めるのです。この勝手に手が動き始める瞬間、私の作業は少し所作に近づいたのです。リズムが出てくるのです。細かいところでリズムが大事な役割を果たします。ガムテープを持ちかえるタイミング、ダンボールを折るタイミング、それらすべてがリズムを成すのです。

私は、ことばのリハビリ士を目指しています。ことば、特に話しことばにおけるリズムの重要性は、実は皆さんが考えている以上のものです。書き言葉で、このリズムの重要性を説明するのは難しいのですが、これを試してください。

通常:「わたしは、あついなつがきらいです。」
リズム障害:「わーたっし、はあつーいっなー、つっ、がきーらー、い。」

これを音声にしてみること自体が、非常に難しいと思います。どんな感じの話し方になるのかお見せできないのが残念ですが、なんとなくお分かりいただけますか?このようなリズムの障害は「プロソディー障害」と呼ばれています。

日常の中で、物事をうまくスムーズに行うために「リズム」というのは非常に重要な役割を果たしているのです。簡単に考えがちな「リズム」。今やっている仕事のリズム、勉強のリズム、会話のレベル、見ているテレビで流れているCMのリズム、車が走る音のリズム... あらためて、耳を体を目を澄まして感じてください。さまざまなリズムの調和が、自然の奏でるリズムなのです。そして、私達人間の体もリズムそのものなのです。


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