思春期 - 2001年12月13日(木) 自分にコンプレックスばかりがあるように思う。 それは、昔からそうだ。 それでも学生時代には「学生の本分」とか言われている勉強ができない方ではなかった から、多少こころの拠り所はあった。 でも、社会に出てからはどうだろうか。 仕事が特別できるわけでもなく、さして優しく美しいこころの持ち主でも純潔で正しい 精神の持ち主でもない。 気も利かない。 人間の本当の価値は内面ではかるべきだとして、それがいまひとつの場合代替として 頼りたいのは「見た目」なわけだけど、見た目は性格に増してお粗末な場合はどうすれ ばいいんだろうか。 ジュンコが「丸太ん棒」と言っているとおりの大柄(ってゆーかデブっちょ)だし、姿勢が 悪いし、目が小さいし、凡そ見るべきところがない。 そして、全身よく肥えているので自分の体にはうんざりしてばかりだけど、更にパーツ の中で許せない箇所がある。 手だ。 女の子の手にしては大きすぎるし、皮が厚くゴツゴツした感じにまずはがっかりする。 色も黒い。 爪が弱くてすぐ割れるから、いつも短くて形が悪く、指先にささくれがあり、全体的には 必要以上にカサカサしていて、そのくせ更に肝心な時には汗ばんでいたりする許しが たい存在! 多分わたしは柄にもなくわかりやすい「女の子らしさ」に憧れていて、なのに自分 がそれとは程遠い位置にいることをイヤでも知らされてしまうから自分の手がきら いで恥ずかしいんだと思う。 (せっかく五体満足に生んでくれた母には申し訳ないかも知れないけど) 今日は、この前誘ってくれた時には母のところに行くため泣く泣く断ってしまった新宿のお店 『KENTOS』にウエダくんが連れて行ってくれるというので、「ぐるなび」でお店の情報を調べ てクーポン券をプリントアウトしたり、かなりひとりで盛り上がって楽しみにしていた。 なんでもこのお店では生バンドによる演奏があって、その初回が19:30からだと いうことなので会社を超特急であがって、19:10くらいには待合せの富士銀横 ワシントン靴店前へ。 着いてからはすぐわかったけど、寒い中ウエダくんと本日初対面のスギモトさんを お待たせしてしまったのが申し訳なかった。 お店は、入ったことがあるビルにあったので「こんなとこにこんな場所が」的な不思議 さがあった。 確かにお店に入ると、今は誰も居ないけれどステージがあって、「おお!」ってなって しまう。赤いビニール貼りのソファも、店員さんのボーリングシャツっぽいユニフォーム も見慣れなくて、何もかもが初体験な感じ。 持ってきたクーポン(フォアローゼス1本無料)は本当に使えるらしかったのでそれを 持ってきてもらって、いくつかおつまみっぽいものを頼んで、パーティの始まり。 スギモトさんとは初対面だったので、基本的なこれまでの人生のあらすじを紹介しあい、 また、お互いがウエダくんを通じて出会うことになったわけなので、ウエダくんとはどう いう知り合いであるのかを教え合っているうちに1回目のステージ開始。 うらやましいほど華奢な女の子ボーカルと男性ボーカル、ギター、ベース(ベースなのに 6弦に見えたのは錯覚か?)、ドラム、ホーンセクションなどからなる人たちがズラっと 登場して、聴き憶えのない曲・ある曲を次々に披露してくれた。 バンド名は『ナントカ(聞き取れなかった)プロジェクト』というらしく、既に何度かここに 来た事があるらしいウエダくんたちにしてみればおなじみみたいだった。 何でも、ここのレギュラーバンドは他にいるんだけど、そのバンドがいない時に登場する のが彼らで、また、女の子ボーカルはレギュラーよりも今日のバンドの人の方がかわいい らしい。ほほぅ。 1日6回のステージがあり、この後はリクエストもOKとのこと。 言われてすぐにできるなんてすごい!と思っているうちにあれよあれよと1回目は終了。 ああ、今日の日のために今までたくさんの音楽を聴いてきた気がする! メジャーそうなのをリクエストしてみよう、と思う。 それにしても、何人かの常連さんとおぼしき人が踊っていたことには心底驚いた。 サクラじゃなさそうだし、あれがここの流儀なのか!? すごい!体験したことのないカルチャーだよ〜! しかしやっぱり「生演奏」というものには何らかの力があって、とてもいい気分。 なのに、それをうまく言葉にできなくて気の利いた感想のひとつも言えなかった。 ウエダくんのファンだから、あがってるのかもね〜。 いやだわ。 何かを話しているとじきに次のステージ。 そしたら、さすがに場数をこなしているらしく、ウエダくんとスギモトさんも踊りに立って いってビックリ! でも、冷静になって辺りを見まわしてみると、今回からはフロアのほとんどの人が踊り に参加しているっぽい。 あー、やっぱりこれがここの流儀なんだ!!と確信。 だったら私も踊れればいいんだけど、なんかどうしてもまだ何かがふっきれなくて。 天井には初めて本物を見るかもしれないミラーボールが回っていて、まさに 「ダンスフロアに華やかな光/僕をそっと包むようなハーモニー」! 手拍子をし、にぎやかなフロアを座って見渡しながら、しっかりとした歌声をきらきらしたホーンの 音が飾って繰り出されるおなじみのメロディ(そうね例えば『HOT STUFF』、『FANTASY』、 『DANCING QUEEN』、『SEPTEMBER』、『CAN’T TAKE MY EYES OFF YOU』 とかね!)を聴き、それに合わせて踊る人たちを見ていると感動さえおぼえた。 みんな本当に本当に楽しそうなんだもの。 そこら中がはじける笑顔であふれかえっていて、今日がまだ木曜日だなんてウソみたい。 最初はミネラルウォーターを、後からは知らない間に頼んでくれた(ありがとう)ペリエを 飲んでいたんだけど、だんだん楽しくなってきたから、今日は1999年3月19日にたった 1杯のカクテルを飲んで再起不能になって以来のお酒に挑戦してみることに。 店員さんに頼もうと思ったら、当たり前だけどライブの音が大きくて伝わらなかったので 急いでペンと紙(お財布に入ってたレシート)を取り出し、「チャイナブルーをめちゃくちゃ 弱くつくってください」と走り書いてお願いした。 ほどなく、それがちゃんと伝わったらしくて、注文どおりのものを運んできてくれた。 久しぶりに飲むお酒は案外おいしかったけど、やっぱりすぐに顔が赤くなって動悸が早く なったのがわかったから、沢山お水を飲みながらちょっとずつ飲むことにした。具合が悪く なって迷惑かけるなんてやだったから。 せっかく楽しいものを、台無しにするなんてやだったから。 30分くらいのステージ、インターバル(そうそう、この間に北海道のお土産をいただき ました。大感動!なんか、お土産って、いただいたものに対する嬉しさ+旅先で自分の ことをわざわざ思い出してくれた嬉しさでとても嬉しい。早速、本日買い換えたばかりの 携帯に付けちゃった)、またステージ、を何度か繰り返すうちに私も徐々に場の雰囲気に 慣れてきた。 でも、やっぱり立ちあがることはできない。 自分のノリの悪さがイヤだったけど、なぜか腰がひけてしまって・・・。 まったく、何のための南国育ちだよ! リクエストした中から『I Want You Back』をやってくれて“ッパパ・パーパーン” が気持ちよくてしょうがなくても、ほんのちょっとの勇気がなくて立ちあがれなかった けど、その後ウエダくんが腕を引っ張ってきっかけをくれた時に、やっとおずおずと人 垣に加わることができた。 ああ、誰もが自分に夢中で、私は勝手に自由に楽しめばいいんだってことはわかって たのに、でもなぜかすごく緊張して何の曲だったのかは憶えていない。 踊りなど何一つ踊れないので、ただ右に左に体を揺らすことしかできなかったけど、 それでもとても楽しかった。 さっきまで想像もつかなかったようなことをしている自分が新鮮で。 今日、ここに連れてきてくれたふたりに、大きな声でありがとうと言いたかった。 ところで、私は手にとてもコンプレックスがあると言った。 もちろん手をつなぐことは、とてもとても恥ずかしい。 それから、何年か前に暴漢に襲われてからというもの(あ、ボコボコにされたものの最終的 には逃げられたのであまり重く受け止めないでください)、急に誰かに触れられると(それが 誰であれ、そして親愛の情をもってやっているとわかっていても)反射的に嫌悪感を抱いて しまう。ジュンコからでさえも、触れられることに耐えられないことがある。 だから、『My Heart Will Go On』が演奏され、「あれっ?」って感じで 気付けばウエダくんが手をとってくれた時、「ヤバい!」と思った。 何がヤバいのかって。 例えば、そんな大それた意味なんかなくてつないだ手を、とっさに払いのけられたとしたら 「えっ?」ってなるでしょ。相手は私の事情なんかわかんないわけだし。 で、いつもの感じからいくとそうしちゃうかも、といったような悪いイメージが一瞬でウワッと 頭に浮かんできて、「ヤバい!」と感じたんだと思う。 だって、ファンなんだから、そんなことになっちゃったら悲しいもの。 でも、なぜだか(いや、正直に言うなら好きだからだよね、絶対)全然イヤじゃなくって、 ああよかった・・・と思ったのも束の間、今度はなんだか変に緊張してしまって別の意味 でヤバかった。曲の演奏中ずっと わーっ! わーっ! わーっ! って感じで。 「何、何、なんでこんなに緊張すんのー!?」とアワワアワワしっぱなし。 「ああ、こんなことならなんで今日に向けて緊急ダイエットをしなかったんだろう」とか 「今すぐハンドクリームを塗りたい」とか考えてもどうしようもないことばっかりが頭を 回ってたから、絶対変な動きになってただろうなぁ・・・。 本物の思春期に何のときめきも経験しなかった私は、今はじめて、久住くんとフォーク ダンスを踊った時の香澄ちゃんの気持ちが理解できたんでした。 それですっかり上気しちゃったもんだから、結局何回ステージを見たのか思い出せないけど、 12:00くらいまで居たから多分4,5回は見たんだろうな。 ほんと、何もかも新鮮で楽しかった〜。 さて、ところでこの日記をもしもウエダくんが読んだらマジ引くよねぇ・・・。 ってゆーか、たいての常識的な感覚の人は引くよねぇ・・・。 なんていうか、言えることはほんとに別にどうこうしたいという訳じゃなくて、単純に 圧倒的な好意をもっているということなんだけど、それってまずいのかなぁ。 昔から大ファンだと公言してるから大丈夫なんでは?、と私は思っているんだけど。 そう思っているから、こういうふうに書いていつでも気軽に楽しいことを共有できる関係 じゃなくなるリスクは承知の上で、正直に書いてみた。 うーん、別に大丈夫だよね、ウエダくーん!? まだファンでいても、平気だよね? -
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