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まっちゃんのこと - 2001年06月06日(水) 毎年、6月6日がやってくると真っ先に思い出すのは、「今日はまっちゃん のお誕生日だなぁ」ということです。 まっちゃんというのは、小学校の中・高学年の辺りで同じクラスになった モリナガシンヤくんという男の子。 どう考えても私はまっちゃんに淡い恋心などは持っていなかった筈ですが、 確かに友達としてはかなり信用している部類の男の子でした。 出席番号が割と近かったからか同じ廊下の雑巾がけをする機会など多々有 り、その際に得た彼にまつわるエピソードを色々憶えています。 まず、モリナガなのになぜまっちゃんかといえば、当初「もっちゃん」と 呼ばれていたのがいつの間にか「まっちゃん」にすりかわったとのこと。 「ま」と「も」では、子音が同じなだけで相当に音の感じが違うと思うの だけれど、事実は事実。 このことを聞いて以後、例えば 「フランスの空中曲芸師レオタールが着ていたぴったりした服が《レオター ル》と呼ばれるようになり、これが転じてそのような服を《レオタード》と 呼ぶようになった」 式の「○○が転じて××」になったバナシを聞く度に、多少信じづらいこと も「まっちゃんの例もあるしね」と彼のことを思い出して納得するようにな り、その癖は今でも抜けていません。 また、彼はリトルリーグに入っており、当時の少年の多くがそうであったの と同様に野球が大好きでした。しかし、彼がふつうの野球好きの少年と違 っていたのは「カープファンではない」という点です。 当時私が住んでいたのは広島だったのでほとんどの子供たちはカープファン で、そうではなかった私はちょっとした同志気分を彼に抱いていたように思 います。まっちゃんは好きな南海ホークスのことを、私は好きな巨人のこと を、掃除時間にこそこそ話し合ったりしたものです。 更に、まっちゃんは当時そんなに大人気でもなかった小泉今日子さんの大 ファンであり、そのことも当時からニッチ好きだった私にとって、親しみ やすい一面でした。 そんな様々あるまっちゃんに関する記憶の断片の中でも、一番印象深いのが 彼のお誕生日のことです。まっちゃんは、よく自分が6月6日生まれである ことをこう言って紹介していました。 「毎年6月6日がきたら、ドラえもんの絵描き歌と一緒に、この偉大なモリ ナガさまの誕生日だと思い出すように」。 そんなわけで、その頃から20年近く経った今も、私はいいつけをきちんと 実践し、6月6日には毎年このことを思い出します。 彼が今どこで何をしているかもわからないし、まっちゃんは私のことを忘れ てしまっているかも知れませんが、とにかく毎年心の中でこうしてそっと祝 うのです。 「まっちゃんお誕生日おめでとう。楽しい1年になりますように」 -
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