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「ファッション」という言葉が頭に付くと、途端にいかがわしい印象になるのはどうしてだろう。「健康」を意味する英単語や、「筋肉をもみほぐす」を意味する英単語についているからだろうか。どんなに硬そうな言葉につけてみても、どうもいかん。
ファッション行政改革 ファッション国民経済計算 ファッション6カ国協議 ファッション原理主義
ほうらいかがわしい。そんな接頭語である「ファッション」に、「棒」を意味する英単語のくっいた、とんでもなくエロいものを渡されたような気がするのでファッションについて書いてみよう。しかしこうして見るとファッションって6文字中3文字、なんと半分が小さい字なのか。
私は体質によるファッションの制約が多い。素材は綿・麻・絹・レーヨン以外のものは肌が「かゆかゆ」になってしまう。つまりそれはナイロンストッキングをはけないということだ。女性のファッションにおいて、これはかなり大きい。私がスカートを着ないのはそんなわけだ。次にサイズ。何年か前まで、全く太らない体質だった。特に上半身が薄かった。細いというよりは平べったい。7号、9号という刻みのサイズでいうと、上半身は5号であった。チビTが流行った時には、子供服の身長130センチサイズのTシャツがちょうどよかった。おかげさまでここ数年は中年太りが始まって標準サイズになってきたが、今までは気に入った服があってもサイズと素材であきらめることが多かった。私がブランドやデザイナーに全く疎いのはそのせいだ。ああいう服はワンサイズだったりするので、その時点で選択肢から外れてしまう。靴も、生まれ持った足の形が華奢なパンプスには合わないものだったのでフェラガモだのなんだのは履けない。ビルケンシュトックのサンダルが足にぴったりで大好き。
デザインの好みは、無地でシャープまたはヘンな柄でよれよれ。仲屋むげん堂で売っているような服が実は大好きなのだけれど、顔がくどいのでなんだか植民地の白人みたいになってしまうのが悔しい。ほら、キモノをガウンにしてるような。
そんなわけで、無地でシンプルで綿や麻の服が多くなってしまう。夏はだいたいTシャツとジーパンとか。アクセサリーもかゆかゆになるので殆どつけない。で、ファッションの遊び心を何で満足させるかといえば、帽子やサングラスくらいのものか。全体としていえることは、安上がりってことだ。特に安いモノを求めているわけではないのだが、結果として被服費はかなり低レベルだと思う。
そういえば以前、へんな帽子をかぶってサングラスをかけ、ケイタマルヤマの意味不明の漢字の書いてある和柄シャツを着て待ち合わせ場所に行き、知り合いにずんずん近づいて行ったらちょっと逃げられた。失礼なっ。待ち合わせに特に意味もなくロングのストレートのかつらをつけて行って相手の反応を楽しんだこともあったなあ。こうなると「ファッション」ではなくて「変装」かもしれない。植民地の白人みたいになりながらチャイナやアオザイが好きだったりするのも変装趣味ゆえだろうし。
前から言っていることだが、もしも私がナイスバデーだったらしてみたかった服装がある。ノーブラでタンクトップ、ジーンズのほどけた超ショートパンツ、足首にはアンクレット、素足にヒールの高いパンプス、髪はファラフォーセットみたいのでつまりアメリカ映画に出てくるストリートガールの装いをしてみたかった。男どもの視線釘付け、みたいな。こればっかりはいくら変装しても無理だ。
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