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2004年03月18日(木) |
下町お徒歩日記 浅草編 |
上野から歩いて浅草に到着。私はクルマに乗らないので、地理を駅で捉える癖がある。上野は上野駅、浅草は浅草駅とピンポイントで認識していて、そのつながりは考えたことがなかった。歩いたら近くてびっくりした。青山と赤坂と六本木が全部くっついているのに気づいた時と同じくらい驚いた。
少し時間があったので、ROXの裏手あたりをうろうろしてみる。ヨシカミの本店ってってここだったのかぁ、とか。大衆演劇って一度は観てみたいなぁ、とか。ポルノ映画館って久しぶりに見たなぁ、とか。よくコンサートに行ったロック座ってどこだったんだっけ、とか。ストリップのロック座とは違ったような気がするんだが。建て替えたのかな。
浅草って、なんだか馴染むと思ったら大阪の匂いがするのだ。ミナミだと千日前、キタなら阪急東通りあたりかな。観光地テイストだけど地元民の町でもある、その混ざり具合がよく似ていると思う。
さてそうやってうろうろしているうちに、ついに浅草今半に突入する時間となる。建物は白い漆喰(?)の蔵造り風でなかなかの風情。2階の座敷へ通される。たまの贅沢だし、もう二度と来ることは無いかもしれないので、すき焼きの中で一番いいコースにする。その名も極上霜降りすき焼き御膳。お通しに出た牛肉の佃煮が美味。煮凝りなど前菜をつまみながらすき焼きを待つ。
いやあ、見たことないような肉だった。霜降ってるよ、降りまくってるよ。付け合わせは白菜、春菊、椎茸、白滝、豆腐、生麩。生麩はちょっと意外だった。関西では麩を入れるけれど、生麩は初めてだ。関西といえば、私は関西人なので割下を使うすき焼きが珍しくて楽しかった。本当に牛脂を使わないんだなあ。割下は、もっとじゃぶじゃぶ入れて煮てしまうのかと思ったけど、ほんの少しで絡めるようにするのだった。ほおう。最初は仲居さんの世話で、まず肉を取り分けてくれる。陳腐な言い回ししかできないけど、口の中でとろけた。なんだこりゃー。極楽極楽。
すき焼きのあとの食事は、ご飯と香の物と赤だし。お漬物の美味しさにのけぞる。胡瓜も白菜も、絶妙の加減だった。ぬか床を分けて欲しいくらい。そういえば三田屋にステーキを食べに行った時も、梅干が美味しくてびっくりした憶えがある。牛肉の美味しい店は漬物も美味しいという法則があるのだろうか?
さてこうやって今回の贅沢会は終了。一回の食事に一万円以上使ったわけだけど、それくらいじゃないと非日常感が味わえないと思うのだ。味のことを言うなら、たぶん私の舌では三千円のすき焼きと一万円のすき焼き、どちらも美味しいとしか感じないだろう。でも三千円のを三回食べるよりは、一万円のを一回だけ食べた方が楽しい。別に普段贅沢したいとは思わないし、ただすき焼きを食べたいなら家でするから。普段しないことをする、その舞台装置のためにお金を払う。気分としては旅行と同じ。そういうお金は惜しいと思わないから、残らないんだな。形の無いモノにばかり使って。でも幸せだからいいや。
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