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2001年09月29日(土) ■ |
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その時がきた |
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「その時がきた」 山本夏彦 ISBN4-10-341308-5 新潮社 1300円
山本夏彦は、目だ。 人間がまっすぐの視線でまっすぐ見るのは難しい。 皮肉でなく、熱烈でなく、まっとうに。 わたしはこの人の視線がとても好きだ。 ------------------------------------- 魚が見た夢 柳 美里 ISBN4-10-401704-3 新潮社
装丁がとても美しい。 字と装画のバランスも美しい。 柳美里は、怨恨の視線をはずさない。 この人のエッセイは、どう描いても恨みの視線だ。 本人が思わなくても、虐げられたものの視点にいる。 わたしは傷つきたくない、と言っている。 視線をずらさないと、人の傷も自分の傷も 見えすぎてしまうことを知っている視線だ。
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