【Realistic Pillow】
秋野京



 ダーク路線(キルアvクラピカ)

…この胸の奥に残る痛みは何だ…??

耳に残る骨の砕ける音。
鼻に残る血の香り。
手に残る肉の感触。
全てが不快な音を奏で、私の神経に障る。

ようやく幻影旅団の一人を始末した。
一族の復讐。
それだけを胸に今迄生きてきた。
奴等の一人を葬った…なのにより一層痛むこの胸の理由は一体?

「恐いの?」
いつだったか尋ねられた問い。あの時私は何と答えただろう?
「クラピカの手、好きだな」
そう言って私と手を繋いでくれたキルア。
今はもう血の匂いしかしない、この両手。

ああ、やっとわかった。
お前が救いを求めた手は罪に濡れてしまった。
後悔なんてする気はない。…けれど。

イタインダ。ココロガ。

2001年03月11日(日)
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