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 生活綴り  咲紀




2003年12月03日(水)  彼の闇

ちょっと昔のことは少しおいといて


ちょうど今から一年3カ月ほど前、
私はごく当たり前のことだけど「22才」になっていた。


彼からの誕生日のプレゼントは
お香を始めたところの私に入門セットと
マイナスイオンが発生するとかいう輸入物の入浴剤、
それにプーさんの縫いぐるみ、
ワンホールの誕生日ケーキ、
それにピンクのガーベラとかすみ草の花束だった。


それ以外に、その日は「咲紀さんの日」ということで
一日中、100%私の言うことをきいてくれるという日だった。


私のお願いはハリウッドのアクション物しか見たがらない彼と
ミニシアターに行って貰い、映画を見ることで
最初は渋々従った彼だったけど、見終わった後は
「たまにはこういうのもいいかもね」とまで言っていた。


夕食はたまに私が大学の友人と行くタイ料理のお店で
ちょっとだけ顔見知りの店員さんもいて
花束をみて
「綺麗ですね。何かあったんですか?」
と言われたんで
「誕生日なんですよー」
と答えると、予約もしていなかったのに個室に案内してくれた。
嬉しかった。

本当に大満足の一日になるはずだった。


でも、ここから壊れていった。


個室に案内されて、とりあえず飲み物だけオーダーして
二人で今日見た映画の感想やメニューを見ていろいろはなしていてた。

10分経っても飲み物がこず「遅いなぁ」とは思っていたが
「土曜日だし混んでいるのだろう」ぐらいしか思わなかった。


15分ぐらいたった頃、私の携帯が鳴った。
ゼミの友達からだった。
でも、この店は半地下になっていて電波が悪い。

「ちょっと電波悪いから、入り口まで言って話してくるね」

と彼に言って、私は入り口の方へ行った。

入り口の方に言っても電波が悪く、通話は途切れ途切れになって
約5分間ぐらい話していたと思う。


「彼をまたせちゃったな」と思いながら小走りで
席のある個室の方に小走りで戻っていった。




何が起こったのか私にはその時、理解できなかった。

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