父親が死んでしまったことに比べれば
心電図が止まるのを見たときに比べれば
最後の握手をしたときに直感した事に比べれば
病院に運び込まれた姿を見たことに比べれば
臨終を告げられたときに比べれば
何をされてもそれ以上に悲しいことは存在しないし
何をされてもそれ以上の苦しみはないから
僕の心は響かなくなってしまったから
何一つ苦しくない。
その代わり心躍るようなことも無い。
何をやってもどこか他人事。
だから仕事も苦しいとは思わない。
1人でいることも、時には寂しいけど、それでも平気。
誰かを抱いて紛らわそうとも思わない。
抱いた後の“上辺だけが満たされた”虚しさはいらない。
残りの家族が亡くなるまでは、今のまま、持ちこたえられる。
僕のように「誰かの代役」ばかりやっていたら
結婚なんて出来るとは思えない。
だから僕がこの先も独りで過ごし
残った家族が僕独りになってしまったら、
僕は家族のもとへ早く逝きたい。
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