切れ端。

2006年05月21日(日) 今昔あれこれ。

お金の無い頃は、いらない本やCDを売ってデート代に当てたり

手を繋げるだけで幸せだと感じていられて平和だったと思う。

相手を好きでいられることには誰にも負けないと思えてた。

それは愛し方とかでもなく、ただ彼女を好きでいることには誰にも

負けないだろうなと思いながら手を繋ぐ。

想いの伝え方一つ、あれやこれやと言葉を捻り出して。

拙い言葉で精一杯の表現。友達にも相談事を持ちかけてた。

駆け引き一つとっても悩んで、つまづいて。転んだ石ころ見つめて考えて。


お金も何とかなるようになる頃には、何だかんだと

一通りの経験も済んでしまって、友達に相談もすることも無くなった。

一通りの経験をして思ったのが

小さな幸せがいっぱいあるといいなと。

大きな幸せがあると大きな悲しみも遊びに来そうで。

往々にして悲しみの方が長居をするからタチが悪い。


一通りの経験の中で、欠落した感情が幾つか。

あれから何人かの人と手を繋いだけれど、昔のようなドキドキも無く。

僕に無いもの求められるとゲンナリしてどうでもよくなるようになった。

だから僕は何も求めない。相手にとっては退屈に感じるんだろうね。

何一つ要求することがないのだから。興味が無いわけじゃないのだけれど。

我慢も覚えたのだけれど、限度を超えたらさよなら。

好きだからという理由だけでずっと一緒にいようと思えるほど

純情でも真っ直ぐな人間でもなくなった。

一緒にいても向上できないなら、一緒にいる意味が無い。

固執する理由が存在しないから。離れるならご自由に。

そりゃあ離れていくのを見るのは、少し寂しいけど。

もっと悲しいこともあるのも知ってるし。

短い人生のホンノ一瞬の出来事なんだろう。

別れ方もキレイさっぱり。振られ方も上手になったかな。

振ることも心痛めるけど、それは相手からみればエゴで。

振るのも辛いというのは自己憐憫。

だからその折り合いの付け方も知った。


駆け引きで悩む事も無く。だいたいどうなるか想像はつくし。

想像と違ってもあっさり受け入れて、それでおしまい。

つまづいた石ころを見つめることなく、遠くに蹴る事も出来る。

プレイボーイでもなく、失敗ばっかりなのだけれど

それでも淡白になったと思う。あと薄情にも。

刺激が欲しいわけでも無く

壁の高い恋を探してるわけでもなく

昔のように、鍵を開けて

置き手紙があると嬉しくて何度も読んでしまうような恋をしてみたい。


そうだ。今日はNとMの誕生日だ。

何ひとつ誕生日らしいことはしてあげられないけれど、おめでとう。


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shinsuke [MAIL]