アナウンサー日記
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2001年02月01日(木) |
アニメや漫画は子供向け? |
局内では、「アニメや漫画の話なら村山くん」と思っているヒトがどうにも多いようだ。多分新人の頃、一個上の林田ANなんかとそうゆうラジオ番組を作ってたイメージが、よっぽど強いんだと思う。
今日も某先輩アナから「村山くんタイムレンジャーの主題歌教えて」と聞かれ、「知りません」と応えたら、「だって仮面ライダーのこととか詳しいんでしょ?」と、とても意外そうな顔をされた。
「仮面ライダー」と「タイムレンジャー」は随分違う。
かたや「ウルトラマン」と並び称される、1億日本国民全員が見た経験があるといっても過言ではない、ゴールデンタイムに放送された日本特撮界の古典中の名作。かたや子供たちのテレビ離れが進む深刻な状況の中、東映や円谷の特撮ドラマを見て育った若きスタッフが作った、早朝放送の現在進行形の作品。全然違うのだ。そして、残念なことにワタシは、最近の特撮作品をさっぱり見ていない。つまり「タイムレンジャー」も「仮面ライダークウガ」も「ウルトラマンガイア」も全然語ることが出来ないのだ。
だが、そもそもアニメや漫画、特撮に普段まったく興味が無い人々は、「ウルトラマン」も「タイムレンジャー」も、ついでにいうと「お邪魔女ドレミしゃーぷ」も「エヴァンゲリオン」も「少年ジャンプ」も「りぼん」も全部、並列の関係なのである。そして、ひとたび「あいつはアニメとかが好き」と決め付けられると、「そいつ」は、あらゆるオタクっぽいことに精通していることになってしまうのだ。そこにはなんだか一種差別めいた、また、そーゆーヒトを一段低く見ているような気配を感じるときすらある。
これは全くおかしな認識である。
まず、「アニメ」「漫画」「特撮」のそれぞれが表現方法として大きく異なるというのはもちろんのこと。
そして、「映画」や「文学」をひとくくりで考えてはいけないように、アニメ・漫画・特撮についても、それぞれの作品単位で認識すべきだということだ。よくいう「映画ファン」にしても、手当たり次第に上映中の作品を全部見るヒトはよっぽど特殊なヒトで、普通はなにか趣味嗜好があるはずだ。読書にしてもそう。よっぽどの本好きでも、ベストセラーから幼年童話、エログロまでバランスよく読んでるヒトはそうそういないだろう。さらに言えば、小説に芥川賞をとるような作品もあれば、スポーツ新聞のエロ小説、インターネットのアマチュア小説と様々あるように、アニメ・漫画・特撮についても同じことが言えるのだ。つまり、表現媒体がなんであれ、ジュッパヒトカラゲは大きな間違いなのである。大体、アニメ・漫画・特撮の日本における黎明期はとっくの昔に終わっているのだ。
なぜこんな簡単なことが世の中の常識となっていないのか、ワタシは非常に理解に苦しむところである。
誤解を恐れずに言えば、ワタシはあらゆる表現媒体の中で、一番才能を要求されるのは間違いなく漫画家だと思う。漫画家は、小説家よりも映画監督よりも画家よりも、アーティストとして絶対上である。(ジュッパヒトカラゲはダメと言いながら、一方でこの発言・・・理由はまたいつか述べるつもりデス・・・)
近年、これまでの表現手段すべてを内包して登場した、パソコンによる個人作業は、今のところまだまだ発展段階だと思っている。
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