アナウンサー日記
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2001年01月10日(水) 成人式に思う。長文デス。

 20才のとき、ワタシは成人式に出席しなかった。

 当時住んでいたのが東京都練馬区。長崎出身のワタシはきちんと住民票を移していた(移さない不届き者が多数派)ので、練馬区から成人式の招待状が届いたが、オマケについてきた豊島園遊園地のチケットだけもらい(爆)、式には出なかったのだ。

 なぜ出なかったのか?

 理由は明白。当時、20才のワタシは自分のことを「成人=大人」だとはとても思えなかった。20才のワタシは「自分はまだまだ子供だ」とちゃんとわきまえていた。だから、自分は式典で祝っていただくわけにはいかない、と思ったのだ。

 かと言って、まわりの20才たちが、自分よりもみんな大人に見えていた訳でもない。まあ、少なくとも自分の友人たちの中に「大人」として尊敬できる人間はいなかったと思う。
 大方の20才たちが式に出る理由は、「日本の伝統行事だから」だったり「親が喜ぶ顔を見たいから」などの七五三と同列の感覚だったり、「故郷の友達と久しぶりに会えるから」だったりするんだろう。あるいは「成人式に出る理由なんて考えたこともない」なんて手合いが多数派なのかもしれない。そう考えると、当時のワタシは子供なりに「わざわざ税金使ってやる価値あるんだろーか、もったいない」と思ったものだ。

 それでも、世の中は広いんだから、中には成人式に堂々と出席できる立派な若者たちもいるだろうと考え、そういう皆さんにとって素晴らしい式になればいいと思った。でも自分は違う。「きょうは成人式なんだから、君たちはもう大人だ」なんていわれても困るのだ。大人にははやくなりたいけれど、自分は世の中の行事ごとで大人にされるのはいやだ。でもせっかくもらった豊島園遊園地のチケットはもったいないから遊びに行こう・・・(笑)。



 21世紀初めての成人式となる今年も、全国各地で、式の進行を妨げる出席者が続出した。

 ワタシは、群れるタイプの人間が基本的に苦手だ。さらに言うと、集団になると暴走する輩は大嫌いだ。はっきり言ってゴキブリなみに嫌いなのである。(群れるということで両者は共通している・・・笑)ちょっと話が横道にそれた。
 ある自治体では、式を阻害した若者たちを「威力業務妨害」で告訴することにしたそうだが、当然のことだ。20才は、法律的には「大人」以外の何者でもないのだから。年齢だけ「大人」でアタマは「子供」な連中をこれ以上甘やかすことはない。



 最後に。大荒れ成人式関係のニュースで、「あんなことするんじゃ成人とは言えない」というインタビューコメントが目立ったが、それはちょっとおかしい。成人とは言えないどころか、「誰かが壇上でお話しているときにお喋りしちゃいけない」なんて、幼稚園児だって知っているはずだからだ。

 
 じゃあ、成人式で騒ぐ彼らはなんなのか?・・・ひとつ言えることは、彼らを育てた親や教師や環境があったからこそ彼らはああなったわけだし、やがて彼らもまた近い将来、親になったり後進を指導する立場になってしまうということだ・・・。


 そして、暴れる若者たちをまったく止めようともしなかった出席者(同級生)たちに、果たして問題はないのか?


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