嫌いみたいだから消えるね。
引き留めにきてくれた貴方に、 アタシは、携帯に打ったその文字を見せた。
嫌いだなんて一言も言ってない。
好きだから怒ったんだし、好きだからムカついたんだ。
そう言ってくれた貴方に、 アタシは、何も言わずに、首を横に振って、 貴方をかわした。
それでも、腕を引っ張って、引き留めてくれた貴方。
消えるってどこに?
どこ行くつもりなの?
戻るよ。
そう言ってくれた貴方。
だけど、アタシは、貴方に、 今までと同じに戻れないなら、消えるよ、 戻っても、元に戻れないなら、辛いだけだよ、だから、消える、 そう言って、貴方を振りきろうとした。
貴方は、このアタシの勝手な言動に、ついに怒ってしまった。 勝手にしろ、って言って。
そこまで言われて、ようやくアタシは、 自分の馬鹿な言動に気付く。
貴方を必死に引き留めようとした。 だけど、貴方は、アタシを振り切って行ってしまった。
何回、アタシは同じ事をすれば気が済むんだろう。
何回、アタシは貴方を傷つければ済むんだろう。
何回、
何回、
何回、
何回、
何回、こんな馬鹿な事を繰り返すんだろう。
今日、誓った事さえ貫けないのかもしれない。
こんなにも早く、試される時が来るなんて。
アタシが消えれば、全てが上手くいく。
死なない、自傷しない、って誓ったのにね。
アタシが消えれば、きっと上手くいくんだよ。
消えれば、何事もなかったように。
そう、全てが、何事もなかったように、上手くいくんだ。
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