ぶっちゃけ、予想より面白かったです。 塩野七生さんのベストセラー、「ローマ人物語」から、 世界史に名を残す、ユリルス・カエサルの生涯を壮大なスケールで描く一代記。
でも、すいません。不勉強で、見ている間中、
カエサル、ジュリウス・シーザーって何をした人だっけ?←そこからかよ。 あ〜、ブルータス、お前もかの人か。 そうそう、クレオパトラを愛人にしちゃった人だっけ? 賽は投げられたは、……そうです、この人です。
ところで、ルピコン川って、どこ? と、原作ファンからするととんでもない観客ですが、 でも、素直に歴史スペクタルを楽しむことが出来ました。
そして、この芝居のカエサルという男は、無邪気で子供みたいな人だなあと。
理想はある。それに伴う実行力も。そして、何より人間を信じている。 人間くさくて、女が愛さずにはいられない男が願う、 新しい国家というより、人民をより良い明日に導こうというような野心。 でも、そうゆう野心って、自分のことしか考えてない人間には、理解出来ないんだなあ〜。
そうゆう人間の機微が判らないところが、 政治家ではないということなんだろうなと思いました。 松本幸四郎さんは、そんな大人子供を巧みに、 時に剛胆に、時に愛らしく演じておりました。
って、そう云えば、ドンキホーテもそんな方。…………はおいといて。
他の役者さんでは、カエサルの最愛の愛人、 ブルータスの母、セルヴィーリアの、高橋惠子さんがとっても素敵でした。
かわいい女で、時に年上の女としての分別と知恵を見せつけ、毅然とした母親で、 そして、恋人を殺された狂気を息子に示すという、 女というのもののエッセンスが全部、彼女の中にありました。
一つ頂けないのは、舞台の台も何もない上で、カエサルところころ、いちゃいちゃしても、 あんまり見えないんじゃないかなあと。←でも、コレきっと演出のせい。
そして、水野美紀さん。しばらく見えない内の、キャラの線がくっきりしている、 いい女優さんになったなあ。
セルヴィーリアの奴隷でありながら、どこか自由で、ブルータスが好きで、 カエサルをリスペクトしている、可愛い狂言回しのアリス。良かった。 布の少なめな、ローマっ子風の衣装も可愛かった。
でも、すいません。何よりも可愛かったのは、 小西遼生さんが、コニタンが!!!なんなの、あの子?素敵過ぎですよ。
いや、チケットを取ろうとした時は覚えていたのですよ。
でも、行くときには、幸四郎さんと高橋さんと水野さんしか覚えて無くて〜、 で、休憩時間にパンフをめくったら、小西さんが居て、 あー、そういえば、、、あの軍隊の中に居たのかしらん? と、思っていたら、二幕目の割に早くもないか、真ん中ちょっと前位に、 初登場。衣装はローマっ子だから!スカート!凛々しい少年役。
ほおほおとか思っていたら、 カエサル死んで、ブルータスがお母さんに怒られて、 渡辺いっけいさん、大騒ぎして、ああだこうだ、時が過ぎて、18年後!
出てきましたよ、コニタンが再び。神聖ローマ帝国、初代皇帝として! いや、その神々しい姿を見た時、 チケットを取って良かったと心の底から思いましたのことよ。 ぜいぜい、はあはあ。
青いマントがよく似合っていてよ、コニタン!
まあ、小西さんだけではなく、皆、全体的に衣装はすっきりと美しく、 回り舞台も効果的で、そして、極めて演劇的な脚本と見て、満足しました。
けど、もうちょっとムダに長くても良かったかなと。(笑) 一代記と構えた割には、全部、必要な場面過ぎて、 あまりにも駆け足行進曲。 なんとなく、ちょっと物足りないというか、ケチっていると思いました。 別口で見た友人は、幸四郎氏が台詞を覚えられないから、短くしたとか、 思ったそうで。。。←てへ。実は私もちょっとそう思った。……ひどい。
まあ、普段、無闇に長いのを見ている悪い弊害なのかもしれませんけどね。 でも、チケット代を考えたら、そう思っても無理らしからぬこととは思いませんか?
まあ、私はS席の一番後ろでしたが、色々、運が良くて、半額……な感じでしたがね。 てへ。
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