第一次世界大戦大戦後のイギリス。
最愛の夫ビル@段田さんを戦争で亡くした、
可哀相なヴィクトリア@松たか子さんは、
夫の親友、フレディ@渡辺徹さんの慰めもあり、
一年間の喪が明けて、彼と再婚しました。
ところが!
漸く結婚生活も落ち着いたかなあ〜という時に、
なんと、ビルが帰ってきたのでありました。
さあ、大変!計らずも二人も夫を持ってしまった彼女の、
二人とも愛している、心優しい彼女の、決断、
二人の夫とわたしの事情の行方は?
というのがおおまかな粗筋で、粗筋はともかく、
もっとアバンギャルドな感じかなと思ったのですが、
蓋を開けたら、古き良き時代の上質なコメディでした。
でも、相当シニカル。
ケラさん的にはストレートじゃなくて変化球も投げられるって、
感じなのかなあと。
パンフではご本人はまっすぐ取り組んだみたいなことを仰ってましたが。
ともかく、面白かった。
本も役者も演出も装置も衣装も、全部、良かったです。
オススメです。初めてのお芝居にむいています。
たか子さん好きは是非!!
自分大好きなランダムスター夫人って感じかな。
たか子つうか、ヴィクトリアがね、
石炭とバターと砂糖とランチと自分のことしか考えない自分大好き人間なんですけど、
可愛いの。まあ、可愛いしね。←みてくれ。
可愛いしね。←憎みきれないロクデナシというか。色ぽいし。
まあ、男は惚れるね。でも、友達にはしたくないなあ。
で、恋愛はいいんだけど、結婚生活的には振り回されるだけ、
振り回された二人の男達は、このどさくさに紛れて、
互いに相手に押しつけようとする。
彼女を妻に持った男たちが思う可愛さと、
これから妻に持つ男と彼女本人が思っている可愛さは違うんだろうな〜と。
それが彼女の悲劇であり、喜劇です。
でも、不幸じゃないです。誰も。しみじみはするけどね。
戯曲的には相当、ひねくれていまして。以下、ネタバレ。
なんつうか、相手にどんなに愛想づかしをしていても、彼らは夫婦なのですよ。
戦死した友人の妻を自分の妻にした所で、
その戦死してたはずの友人が生きていた。
彼女のことを相手に押しつけあおうとしながら、
自分以外の人間に色目を使うのは腹立たしい。
二人の男はお互い彼女とは、もう結婚生活をやっていけないから、
別れたいと思っているけど、彼女に第三の男が出てくるのは面白くない。
その矛盾が納得できちゃうのは、演出と役者の確かな演技のおかげです。
上手い役者の芝居は、やっぱり面白い。
そして、上手い役者を更に魅力的に見せられるのは、
ウマイ本。訳ってどれくらい現代風にアレンジしたか判りませんが、
面白さ+男と女の業が、ちくちくと。
きままな、おひとり様としては感心することしきりです。
でも、
この話って悪妻に振り回された男二人が、
友情を確かめあう話、かもしれない。
いや、なんかそんな気がしてきた。
最後、元妻のシャンパンで乾杯する二人って、
ほほえましいですもの。
うっかりすると、あのでこぼこコンビは、たか子様より愛おしいです。
陽気でいい加減、なのに時折、
戦争の暗い影と見せる段田氏は云うに及ばず、
個人的に勝手に心配していた渡辺さんは、
○○と云われる為に配役されたんだろうな。
ぼーとしているとか。○○とか、普段云われない台詞に、
むっとかしながらも、ヴィクトリアと、ヘタすると、ビルにも、
振り回されるフレディ。実は役にぴったりでした。
なんだかんだと、彼らがカワイイのは私も女だから?(笑)
まあ、ゲイが書いた戯曲だしね。(パンフ参照)
・・・・・・・というのが、初日の次の日に観た感想。
で、4/24に二度目を観たのですが、、、
ヴィクトリアが可愛くて、可愛くて、やばかったです。
あの娘、危険だわ〜。
あんな、自分大好きっ子なのに、どうして、こんなに、
愛らしいのかしら?
ともすれば、イヤミになりそうなのに、それをあまり、
感じさせないなんて、スゴイわ、たか子様。
その所為か、
常習性ありって感じです。
だから、二人の夫も別れたくなかったのね。
ちょっと、そんな感じがする。
後、二回公演を見に行く予定があるのですが、
どっかで一回、増やしちゃうのかしら???
と、又、深みにはまっていく。。。。。危険!
(>_<)