【ヘンリー6世】のあまりに姫っぷりに、珍しく男優に心ときめいた私は、 浦井クン主演の【蜘蛛女のキス】がどうしても、どうしても見たくなりまして、 でも、先立つものが無く、チケットどうしようかと思ってましたら、 新宿の金券ショップに800円のA席招待券が! A席完売でもS席に5000円でチェンジ。
しめて、5800円なら、いいやということで、 ときめいたとか書いてある割にはゾンザイな扱いなのは、 ちょっと2月のスケジュールがいっぱいいっぱいなせいということにしてくれ、 てな感じで、劇場行ったら、
S席に差額料金なしで、当日券を出してもらえました! ありがとう!心の友よ!
ああ、こんなことなら二枚買って、友達誘えばよかったとちょっと後悔。 その分、パンフやら劇場サンドイッチで、劇場に貢ぐイイヒトの私。
程なくして、サービス過多の理由判明。 私の座席周りは平日の映画館のようなすきすきぶり。 S席にしてくれるワケだ。
でも、この演目はウラケンはともかく、ずーと見たかったのです。 だって、自分で好きな話だと思ってましたから。
で、さて、肝心な中身はというと。 面白かったけど、こうゆうの好きだけど、 ・・・・・・・あんな広い劇場 (池袋の芸術劇場の中ホール) でやる意味がわかりません。 目的、見失っているよ、多分。
簡単なアラスジというと、
場所は南米。←はしょりすぎ。 ゲイ(モリーナ)と若い政治犯(ヴァレンティン)が同じ独房にとじこめらる。 ↓ 初めは反目しあっていたが、仲良くなる二人。 ↓ つうか、ゲイは政治犯を愛し始めるが、 しかし、彼は恩赦と引き換えに、政治犯の情報を看守に渡さなければならない。 ↓ 恩赦の前日、結ばれる二人! だが、それは政治犯が外に居る彼女と連絡を取りたい為の打算。 ↓ そして、ゲイが取るべき道は情報を売るか、情報を伝えるか、 最後の彼の決断は、というのが大まかすぎるストーリー。
ええ、戯曲、そのものは面白いんです。
モリーナの心の支えが、子供の頃からずっと見ている、 オーロラという女優の映画で、それを繰り返し、繰り返し、話して、 刑務所でのツライ日々を耐え忍んでいく。
ヴァレンティンはそれを逃げだと云うが、結局、彼もその力に癒されて、 モリーナと心を通わせていく。
刑務所の囚人という底辺で虐げられるからこそ、 スクリーンの幻想はまばゆいきらめきとなって彼らの光となり、 モリーナの最後の選択を導き出していく。 勇気ある、それでいて、人間らしい、だから、哀しい選択へと。
映画や演劇といったフィクションの力を改めて思い知り、 それだけじゃない、人と人の触れあいや、愛だったり、打算だったり、 でも、やっぱり愛だったりの、モリーナの選んだ結末に、 心を揺さぶられる、はずなのです。が!
なんつうのかな。大枚払って、刑務所とか、←豪華にする立って、限度があらーな。 人が殴られているとか、 リンチされているとか、貧乏くさい場面って見たくないです。 モリーナがヴァレンタインを介抱しているのはいいのですが。←あっ。
生オケの数も絞って、コクーン位の大きさの劇場にしておけば、 良かったのではと思ってしまいました。 前回オーロラやった朝海さんが居ない分、 キムさん@四季の方、がオーロラに合っているとかいないとかじゃなくて、 ぶっちゃけ観客動員数が違ったんだろうなと、思ってしまうし。
だから、もったいないなあと。 もっとシンプルな演出で観たいです。
ラテン有、踊りも達者で。歌も良くて確かにエンターテーメントなんですけど、 わざわざ大劇場でミュージカルに、しなくても良かったんじゃないかな。 小さな劇場の方が、観客が近い分、もっとぐっと胸をわしづかみにされ、 だあだあ泣いていたんじゃないかと思います。
てゆうか、そもそもの原作は二人芝居だった。。。 ↑パンフを読んで勉強した。
村井邦夫と岡本健一版←ストレートプレイ、後、北村のゆっきーもやったらしい、 市村正親と麻実レイ←オーロラが見たかったわ。。。
そして、シナリオは【薔薇の花束の秘密】の人だった。 好きなはずだ。
個々の登場人物では、 浦井クンは、捨てられた野良犬の、誰かに愛されたかったけど、 誰にも必要にされなくて、だから、やっと出来た大事なものを守りたい、 故に、それ以外には頑ななんだけど、少しずつ、少しずつ、 騙されているのも知らないで、目の前のぬくもりに、 ちょっと癒されている感じがGOODでございました。 ↑まあ、私が好きな感じと、 いってしまえばそれまでなのですが。
反面、石井さんのしかし、モリーはなんつうか、 日本で見る典型的なすごい直線的なゲイで、・・・・・・・・・、 もっとあっさりというかお姉言葉って使わないとダメなの? ↑なんか始終、はしゃぎすぎで、まあ、 私のどうでもいい感じの人といってしまえば、それまでなのですが。
オーロラは、オーロラがどうのというより、折角リアルに居るのに、 映像の方が多い気がして、なんか勿体ないなあと思いました。
さらに正直に云うと、ちょっと、私、この人の演出ダメだなあと思っていたら、 ヅカの人だった。そいで、今度は写楽だった。
さあ、どうしようかなあ。。。。
・・・・・・・・ともかく、この芝居に云えば、 是非、今度は二人芝居、希望ということで。
|