2009年05月15日(金) |
■楽屋−流れ去るものはやがてなつかしき− |
映画はほっとんど見たことがありませんが、 なぜか蒼井優さんの舞台の彼女にはツボはまりまくりで、 (だって、ロリコンのデズデモーナだぜ。 と、云っても一度しか見たことがないのですが) 何より、女優の話、 それだけで行くしかない、というわけで、 チケットをマジメに取って行って参りました。
すげー面白かったよ。
というか、私の何から何まで好みでした。 もう一度、見たかったです。日程的に諦めたのですが。
【かもめ】を上演中のニーナ役の、看板女優、村岡希美さんの楽屋。 その隅で二人の女優、顔に傷があるちょっとだけ年を取った女優と、 看板女優と同じ年頃の顔に包帯を巻いた女優が化粧をしている。
看板女優はこの二人を気にも留めない。やがて舞台に出ていき、 残された二人、渡辺えりさんと、小泉今日子さんは、 相変わらず化粧をしながら、おしゃべりをしている。 万年プロンプターの苦労話、旅公演の話、 そして、一瞬だけ訪れたデビューのチャンスの話、 自分の好きな台詞を演じたりしながら、出番を待っている。
そこへ、舞台がはねた女優と、 以前、彼女のプロンプターだった若い女優がやってくる。 病院から退院した(らしい)若い女優、 ふわふわのネグリジェに枕を抱えた蒼井優ちゃんは、 看板女優に、
「ニーナの役は、私の役だから、返して」といいに来て、そして……、 というのがおおざっぱな粗筋なんですが、
えーと、ネタをばらしてしまうと、
この二人は幽霊で、そして、若い女優も、看板女優といさかいの末、 この二人の仲間入りを果たし、 長い長い夜を過ごす3人は、【三人姉妹】を演じるという物語。
きっと幽霊ものとしては良くある筋書きといえば、 よくある筋書きなんですけど、設定のうまさ、そして、 随所に盛り込まれている演劇への熱い想い、演じることというより、 端役とかプロンプで、日の当たらない位置にいた女優の、 だからこそスポットライトを夢見る女の断ち切れない未練、執念が ラストにぐぐっと押し寄せてきます。
この執念って、女だから、いや、女優だからなのかな?
それにしても清水邦夫さん。 なんで、この方は、女優を描くのが上手なのかしら?
(結構、女性を書くのがヘタな作者って多いと思いません??) 【雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた】にしても、 上手すぎるわ〜。
でも、きっと普通に演出していたら、 演歌調のドロドロしたお話しになりそうだが、 前半、観客を笑いの渦に巻き込んでいたせいもあって、 そうゆうじめっとした感じが無くなった分、 ラストが哀しく美しさが際だつのは、生瀬さんの演出の妙なのだろう。
個別の役者さんでは、蒼井優さんは、なんかすっごく可愛くて、 (まあ、目当てでいったのもあるのだけど) パジャマでリボンで枕(しかも、こ汚い) なんて、ツボだぜと思っていたら、
す〜ごくカワイく、 「この役は私の役です」とか、 「女優は若いウチがナンボです」みたいことをさらっといいやがりまして、 いい年の私としては、カワイさあまって、 本気でいらっとしてしまいましたよ。(笑)
しかし、キョンキョンはキョンキョンだなあ。 渡辺えりさんも、渡辺えりさんなんだけど、 それとは大分、ちょっと違うのですよ。やはり。
それがツボにはまると、いいんだけど、はまらないとちょっとなあ。 ↑それって、あてがきか?
村岡さんって上手いし、面白いんだけど、 普段のイメージも手伝ってか、あんまり大女優って感じが、 ……ごにょごにょ。 彼女がニーナでTopを張れる劇団って、 他に女優が居ないのか、それともそうゆう旅回りばかりしている 小さな劇団のイメージを狙ったのか、ちょと謎です。 ↑すごい失礼なんだけど。
でも、蒼井優さんとのかけあいは、良かったわ〜 こう、アラサー女のリアルな宿命がほとばしってました。 まあ、それで激昂して、蒼井優さんをビール瓶で殴っちゃって、 彼女は幽霊の仲間入りするはめになっちゃうんですけどね。
いや、本当に無駄がないなあ。いえ、正直に書きます。 ああ、こんなハナシを書けるならって、心底思います。
と、概ね、すっごい満足なお芝居なのですが、 三軒茶屋の分際で、六時半始まりで、 80分、七千円って一体どうなっているの・・・・。 せめて、7時始まりにして欲しいざんすよ。
6時半って、当日の六時、新宿で気が付いて、 まあ、青ざめた青ざめた。5分押しで劇場に着いたけど、 始まっているし。。。。。てゆうか、押そうよ。
だって、私だけじゃなかったもの、遅刻した人って。 主催者は少し考えて欲しいと思いました。 (アンケートにもきっちり書きました)
まあ、おかげで会社に忘れた携帯を探しに戻れて、 芝居友達さんを見つけることが出来たのは、また、別の機会で。
(o^-')b
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