2008年04月26日(土) |
■HAKANA〜「いとしの儚」より〜 |
その昔、谷原さんが出演していて、ちょっと心惹かれていた舞台に、 ご縁がありまして、行って参りました。
何もかも持ってないただ、ツキの女神にだけ愛された、 ばくち打ちの男が手に入れた、たった一つのもの。 墓場の死体から、産まれた絶世の美女、はかな。
100日間、男に抱かれなければ人間に生まれかわれる、 はかなと、ろくでなしの鈴次郎の、人と人にあらざる者の、 恋の行方と、夢の結末。
という、何もかも持ってない男が、かけがえのないモノを手に入れるのは、 私のパターン的には、大変、思い入れちゃう話しなんだけど、 なんか、感情移入出来なかったなあ。 その一つの要因は、演出が非常にやすっぽかった。 まあ、ギャグを入れるのは、お約束だとしても、 もっと、やりようがあったのでは???受けていたけど、 私はどんびきしてました。
明治座の音響が悪いのか、スピーカーの近くの席が悪いのか、 役者の台詞が、ステージからじゃなくて、スピーカーから、 聞こえてきたし。。。。。。
でも、やはり脚本でしょうか。 お話しそのものではなくて、細かい所なんですが、 最近の方というと、語弊あるんだけど、舞台をいい感じに進めておいて、 途中でこう、しょぼい台詞というか、世界観に合わない説明台詞をしゃべられると、 なんか萎えるワタクシ。本当に名作かしらと、疑いたくなります。
ヨコケンさんもそうですが、スズカツさんもそうでした。あっ、書いちゃったよ。 井上先生とか、見ていても、そんなことは無いのだけど。 簡単な台詞なのに、味わい深いというか、 細部まで、きっちり作られているプロの仕事なのですが、 この話は筋でなく、途中、やっつ仕事ぽくなっているというか。 凝ってないというか、普通というか、時代劇じゃないというか、 最後まで酔わせて貰えないのが不満です。
後、この芝居の主人公は、はかなじゃなくて、鈴次郎ではないかと。
藤本美貴ちゃんは頑張っていたんだけど、 体は大人で子供は大人→恋する少女→花魁という変化は、 難しいのは判るのだけど、そんな、はかなよりも、 実はもう一人の裏ヒロイン、ホリ・ヒロシが操る、ツキの女神さまの方が、 女を感じました。大人の女が好きな人は、彼女の方がいいです。
はかなを愛でることによって、ろくでなしから、 人間になろうとしていく鈴次郎をゆさぶり、翻弄するツキの女神様。
気高く、そして美しく、おまけに嫉妬深い。 自分を必要としていた男には、尽くしていたくせに、 男がバクチを止め、真人間になろうとした途端、つれないそぶり。
まさに女です。 ファムファタール系の填ってはいけない女。衣装も替えていたし。 そうみちゃうと、はかなは、まあ、普通の子です。 カルメンに出てくる、婚約者の方。その二人に、 なんだかんだと翻弄される銀次郎が、やっぱり主役じゃないかなあと。 まあ、興行的にはヒロインをばんと中心に据えたいんでしょうが、 今回は、ちょっとそれが無理があったから。でも、大口クンは頑張っていた。
所でラスト場面ですが、セットから頭を出していたミキティが、 スモークで動くのは判るんだけど、早いよ。少し。 あれじゃあ、よっし、移動が見ているので、見えちゃうので、 そうゆう所は、きっちり演出:指導してください。
その細かい積み重ねが、エンターテェーメントだと思うのですよ。本当、お願いしますよ。
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