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■ カオスフレア“星の無いセカイ”プレイレポート
カオスフレア“星の無いセカイ”プレイレポート
さて、すっかりカオスフレア強化月間なわけでして、今日も今日とてカオスフレアです。
キャンペーンとして考えると、次は“鋼鉄の戦道（ウォーロード）”というシナリオがもう出来ているのですが、実はこれ、プレイヤーが最低３人は欲しいのです。さらに、新規ＰＣも一人追加したいところ。
なので、今回は時間の関係やＰＣは継続が二人ということもあり、違うシナリオをやることにします。
そこでヒントになったのは、前回のセブンの台詞。
“君とはどこかであった気がするな。ほら、あの…星の見えない世界で”
この台詞、ＧＭの心にピピッとくるものが。今回はこのネタで行きましょう。
ＰＣ� 畔�浪の魔王”セブン
セブン「あ、ところでＧＭ。プレイレポート読んだんだけど」
ＧＭ「うん？」
セブン「私は魔王じゃなくて、め・が・み。そこのところ重要だから」
ＧＭ「（放浪の魔王じゃん…）」
セブン「そう主張したって、ちゃんとプレイレポートに書いておいてね」
…というわけで書きました。
ＰＣ�◆ 販気寮鏤痢疋Ε�ング
ＧＭ「ロール＆ロールっていう雑誌に、カオスフレアの二人用のシナリオが掲載されてたんだけどさ」（※）
※これって割とすごいことだと思います。カオスフレアはソフィアのシステム上、プレイヤー４人での想定していますし、そのことはルールにも記載されています。そのカオスフレアで、小人数プレイも可能であると明示し、そのためのシナリオまでちゃんと用意するというのがすごい。
…あ、もちろん、ＦＥＡＲゲームの水準からすると当たり前のレベルなのですが。
※この話をサイファ所長にしたところ、ふーんという反応でした。だから、ＦＥＡＲゲームとしては当たり前だけどアークライトゲームとしては画期的だと思うわけで！ …まぁ、そういうのを画期的というかどうか知りませんが。
ＧＭ「二人用の推奨コロナはやっぱり聖戦士と星詠みだったよ」
セブン「それが一番達成値上がりやすいものね」
ウィング「…光翼騎士って地味だよな」
セブン「まぁね。防御力１０とか２０とか上げても、ダメージ１００とか１５０っていう数字見ちゃうと、焼け石に水って感じだし」
ＧＭ「（ちょっと待て…ダメージ１００とか１５０って標準値なのか…？）」
ウィング「特技とか取ってもいいんだよな。何か取るか…」
ＧＭ「（さりげなく）空飛べるようにしたら？」
ウィング「（ちょっと考えて）まぁいい、何とかなるだろう」
ＧＭ「（今回のシナリオの舞台は空なんだけど…）」
オープニング��
今回のシナリオは、戦艦“駿河”の墜落事件より、少し前の話です。
相変わらず、ウィングは冥皇竜イルルヤンカシュたんに呼び出されます。彼女はまたご立腹の様子。
ウィング「いつも怒ってるな…」
怒るような状況じゃなければ、わざわざ呼んだりしません。
今回の任務は、空中庭園エヌマ＝エリシュのすぐ傍の上空に忽然と現れた「渦」の調査です。巨大な竜巻のようなそれは、近づく竜を次々と飲み込むのだとか。
オリジンの人間も「邪眼の帝王」と呼んで恐れています。
イルルヤンカシュ「では、頼んだぞウィング」
ウィング「いや、オレは飛べな…」
イルルヤンカシュ「おぬしならば、必ずや真相を探り出すと信じておるからな」
ウィング「だから、オレは飛べない…」
イルルヤンカシュ「頼んだぞ、ウィング（席を立つ）」
ウィング「人の話を聞けぇぇぇぇぇぇぇ！」
乗用の飛竜に乗せられて放り出されるウィング。と、ここでダスクフレアが「砕け散る天」を使用。ウィングはどことも知れない世界に飛んでいきます。
オープニング��
（セブンのオープニングとエンディングは、フェイト／ホロウアタラクシアをプレイしているとより楽しめます）
セブン３姉妹の末妹、ナイン（姉妹の中で背が一番高く、ボディコンを着用。通称“ライダー”）が奇妙なものを神殿に持ち帰ってきます。
通りすがりのコラプサーにもらったという“万華鏡（カレイドスコープ）”。オリジンにいながら、無数のスフィアの情景を映し出す不思議な道具。
水晶玉に浮かぶ世界は、星も見えぬ暗い空の下に、無機質な塔が林立する世界。
セブン「なんだか陰気な世界だね。…ん、あれは？」
飛竜に乗り、困ったように周りを見回す顔見知りの竜人が目に入ります。
セブン「…仕方ない。久しぶりの“界渡り”といきますか」
ミドルフェイズ��
「渦」に吸い込まれ、見知らぬ世界に飛ばされたウィング。仕方なく近くで一番高い塔の屋上に降り立ちます。間もなく、ぞろぞろと現れた完全武装の人間が周りを取り囲みます。
武装した男「お前はなんだ？ 獣鬼兵（アントロポス）か…？」
もうお分かりかもしませんが、ここはネフィリムコーポレーションの故郷、惑星エルダです。
ＧＭ「アントロポス、という言葉を聞いてここがどこか見当がつくかもね。アムルタートはいろいろな世界を戦いながら渡り歩いてるし。社会判定で、そうだな…目標値は１０でわかるよ」
ウィング「ふん、竜人は社会が高いのだ。そんなものファンブル以外失敗しない…（サイコロ二つが1を上にして止まる）」
哀れ、ここがどこかも分からないまま、拘束されて連れていかれるウィング。確率って怖いです。
ミドルフェイズ��
片や、そんなウィングを追ってきたセブン。「何その格好。コスプレ？」とのたまった不幸な通りすがりのＯＬを脅してブティックの場所を聞き出し、ちゃっかりこの世界の普通の服装で身を固めます。
支払いまで全部手持ちの金貨で済ます抜け目なさは、さすが異世界を渡り歩き慣れているコラプサーの本領発揮というところ（フレーバー設定。ロールプレイの巧みなプレイヤーと、それを支援するシステムの相乗効果です）。
目指すはウィングが消えたビル…つまり、ネフィリムの本社ビルです。
ミドルフェイズ��
ウィングの前に現れたのは、ネフィリムがオリジン方面で活動させている秘密部隊の指揮官…つまり、前回も登場したエリザベス・パーラメント女史。傍らにはミラーシェードに刀を下げた男が控えています。
ウィング「…なんだかメルトダウンみたいだな」
ＧＭ「メルトダウンですけど？」
ウィング「ホントに出やがった！？」
仲間の戦士たちの居場所を聞き出そうとするウィング。そんなことは知らないと言い張るエリザベス。話は平行線です。
セブン「（社員と共に現れ）案内ご苦労様。…ところで、面白そうな話をしてるね？」
セブンの取りなしもあり、竜の居場所は知らないが「渦」の正体は知っている、という話を聞き出します。
渦の正体は、ネフィリムが土壌改造用に作り出した、実験用の気象制御ユニット。しかし、もちろんそれには異世界への扉を開く機能などないはずです。
異世界へのゲートＹ．Ａ．Ｃ．Ｏ．Ｂ．はネフィリムの独占技術であり、これがもし外部に漏れたとするとネフィリムにとっては大きな損害です。二人は女史からユニットの製造責任者モルファスの研究所のことを聞き、調査と引き換えにＹ．Ａ．Ｃ．Ｏ．Ｂ．の優先使用権を取りつけます。
モルファスの研究所では警備員と戦闘ヘリの一部隊がお出迎え…ですが、フレアを減らすこともできずあっさりと撃破。
と、ここでダスクフレアが「パンデモニウム」を使用し、研究所に忽然と広大な地下空間が発生します。
ミドルフェイズ��
研究所の地下に広がる広大な空間。そこに足を踏み入れた瞬間、豪胆なウィングが言葉を失い、セブンは眉をひそめた。
そこには無数の戦士の残骸…アムルタートの戦士たちの末路が転がっていた。
ある者は、蝶の標本のように手術台にはりつけにされ、ある者はうつろな瞳で培養槽の中に浮かんでいる。部屋の隅に丸太のように転がっているのは、切り落とされた彼らの手足だろう。
何より残酷なのは、彼らが一人残らずまだ生きていることだった。生きている…いや、生かされている。想像を絶する激痛と屈辱の中にありながら、彼らは自ら死ぬことさえ選べない。
二人がやってきたのに気付いたのか、一人の戦士が苦悶と共に声を絞り出す。
「…おぉ…そこにいるのは…誰だ…？」
ウィングが感情を押し殺した声で答える。
「女王陛下の命により、ここに来た。…誰か戦える者は残っていないのか？」
問われた老戦士は一瞬沈黙し、重い息を吐き出す。
「お主の目には…どう見える…？」
そこで、初めてウィングは気付いた。老戦士の両眼がえぐり抜かれ、うつろな穴がぽっかりと開いている。
老戦士がぶるりと痙攣した。
「すまぬ、同朋よ…このまま生き続けるのは、あまりにも辛すぎる…お主に慈悲の心があるなら…わしを殺してくれぬか…」
その傷を一目見れば、もう助からないのはわかる。わかってしまう。しかもその傷は、機械にやられた傷ではない。同朋の…竜につけられた傷だ。
セブンが軽くかぶりを振り、掌をかざす。灼熱の光球が踊る。
だが、それを放とうとする彼女を、ウィングの手が押し止めた。
「陛下に伝えよう。…お前たちは全員、誇り高く戦い、誇り高く死んだ、と」
そして、竜は戦斧を振り上げた。
クライマックスフェイズ
モルファス研究所の地下に広がる巨大な洞窟に、一つの装置があります。プレートには“Ｂｅｈｏｌｄｅｒ”と書かれています。その前には、白衣の研究者とスカベンジャー（卑竜）が立っています。
ウィング「やはり裏切り者か…」
ベアール「俺たち卑竜族は、いつもお前たちの風下だ…どれだけ武勲を上げようと、どれだけ力を尽くそうと、だ！ 俺たちの方がお前たちより戦士として優れているというのに！」
ウィング「…」
ベアール「俺はネフィリムの力を借り、ジェネラルの力もプレデターの力も手に入れた！ 俺こそが最強の戦士だ！ そのことを認めさせてやる！」
ウィング「はっ。（冷笑して）だからお前たちはダメなんだ」
ベアール「なに…？」
ウィング「本当の戦士というものは、いかにして強い敵と出会い、これを倒すかということだけを考えているものだ。…お前のように、自分の力を誰かに認めてもらうだとか、そんなことを言っているからいつまで経ってもお前たちは這いあがれないんだよ」
ＧＭ・セブン「か、カッコいい！！！！」
ウィングは要所を抑えたプレイが渋いです。戦う前からこっちは負けてるよ！
モルファス「この世界とオリジンを繋ぐ道の広さは限られている…このＢｅｈｏｌｄｅｒが作動している限り、Ｙ．Ａ．Ｃ．Ｏ．Ｂ．は動かない。この技術さえあれば、ネフィリムもオリジンも私のものだ！（砕け散る天、発動）」
セブン「陰気な世界の住人らしく、陰気な考え方だねぇ」
モルファス「フフン、キミはこの世界が星が見えぬ、とか言っていたな？ 黒い太陽に不可能の文字はないっ！」
デミウルゴスの悪意、発動。空に星が輝き始めます。
セブン「（素に戻って）それって何か意味あるの？」
ＧＭ「フレーバーだから、ないっ！（きっぱり）」
セブン「うはｗｗｗｗｗＯＫｗｗｗｗｗ」
とはいえ、戦闘が始まってしまえばモルファスはエキストラ扱いです。ベアールの一撃がウィングに。
セブン「こいつもしかしてマルチミーム／マルチブランチ？」
ＧＭ「さっきバラバラにしたジェネラルたちの能力吸収してるんで」
セブン「ＧＭヒドすｗｗｗｗｗ」
しかし、一撃目でＨＰゼロ、返す刀で真っ二つになります。
ひい、と悲鳴を上げて逃げ出すモルファスの前に、ゆらりとミラーシェードの男が現れます。
男は一刀の下にモルファスを斬り捨て、ぼそりと呟きます。
メルトダウン「…仕事ですから」
エンディング��
空中庭園エヌマ・エリシュ。ウィングは城の女主人、イルルヤンカシュとの謁見に赴いていた。守護戦士たちの最期を聞き、女王は沈鬱な表情になる。
「そうか…大儀であった」
いつもはそれだけ聞いて退出するはずのウィングが、今はそのままたたずんでいる。
「…どうした？」
いつも寡黙な竜戦士は、言葉を選びつつ口を開く。
「オレは…陛下の身体から生まれた竜、いわば陛下の分身です。でも…今回の事件でオレが感じたコトは…陛下の心にはあってはならない感情です。陛下は強くあらねば」
イルルヤンカシュは笑った。どことなく淋しげな笑いだった。
「ウィング。わらわはお主を生んだかもしれないが、その瞬間からお主とは別の存在じゃ。お主は気にせず、自分の道を歩むがよい」
そういうと、女王はきびすを返し、闇の中へと消えていく。
エンディング��
オリジン、ティラナス領の外れにある森の中では、セブンがネフィリムから持ち帰ってきたおみやげを巡って悲喜こもごものやり取りが交わされていた。いつもの光景だ。
そして、そこからいくばくか離れたところにある崖の上から、そんなやり取りを見つめる一つの影。セブンたちと同じ力を帯びたその女は、ふっと軽く微笑んだ。
「プレゼントは喜んでもらえたようね。嬉しいわ」
そういうと、女は光を映さぬ片方の目を抑え、いずこかへと歩み去っていった。
2005年12月22日(木)
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