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■ おひなさん
今日やっと、雛人形を出した。 一年の眠りから覚めたお雛様は、相変わらずにっこりと微笑んでいた。
家のお雛様達は、叔母が「木目込み」で一つ一つ作ってくれたものだ。 それらを箱からだし、顔を隠している和紙をそっと取ってみる。 みんな、優しい顔をしている。
今はもう、作ってもらった叔母は亡くなってしまったが、こうしてお雛様を出すたびに彼女を思い出す。
幼い頃から、可愛がってくれた叔母。 結婚してからも、お茶摘に手伝いに来てくれた叔母。 娘が生まれ、お祝いにこんなに立派なお雛様を作ってくれた叔母。
昼下がりの光の中に映るお雛様は、どことなく彼女に似ているような気がした。
2001年02月18日(日)
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