サレンダー衆生連綿。

踏み抜かれた床は既に腐っていて、
埃以外の何者を支えることも出来なくなっていたんだ。

常軌を逸した歴史は閉じ込めなきゃ。
煤を払って暖炉の裏の隠し戸に手を掛けよう。
いつか音は無くなってしまうよ。

踏み潰された夢は既に腐っていて、
誇り以外の何者を抱えることも出来なくなっていたんだ。

正気を罰した歴史は閉じ込めなきゃ。
蜘蛛の巣を除け階段を下りて地下に行こう。
いつか画さえ無くなってしまうよ。

解けた鎖は錆を浮かべてその役割を果たさず、
暴れる想いは力を得て勢いをいや増すばかりで。

あたしの空に色は邪魔なんだだって誰かが云っていた。
幾つかに区切られていればそれがとても良い空なんだとも。
その顔も無色だからとても麗しいんだ。

横一列に並んだ痛みはバラバラになって辿り着いた。
目指していたのは三角の風だったんだ。

それはひどく鋭利で。

あなたに重ねた遮蔽物は今でも隠し戸の奥に。
あたしに連ねた疲弊物はいつまでも地面の下に。

あの良い子は季節ごと過ぎ去ったから。

零と壱の綴れ織。
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