ピカレスク厚顔。

目の前に鏡があることに気付かない一例。
身をもって示した貴方に心ばかりの一礼。

被害者の相対。

夕餉の香漂う小路を駆け抜ける自転車。
遠くから聞こえる気の抜けた汽笛の音。

背なの土砂降りを飽和させる二枚舌。
落陽で上昇するはとどのつまり明日。

加害者は早退。

待ち続ける者は目的を見失うばかりの群青。
そこはかとなく中途に在るも見えぬその先。

累々と重なる暖簾を自らの歴史と思うも酒肴。
滔々と流れる不可逆を省みて躓かぬのも首肯。

ならば不意に流れ出した小雨をも無かったことにするのか。
一昔を越えた不釣合いな予定調和に笑む過保護。

零と壱の綴れ織。
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