キリン(キリンホールディングス)とサントリー(サントリーホールディングス)が経営統合に向けて話をすすめているそうです。(ココを参照)
かたや業界のトップで一部上場企業、かたや業界3位の非上場企業で同族経営会社という異質な組み合わせです。
業界内の難しいことは滋賀県の片隅の水呑み蔵元にはわかりませんが、アサヒビールからトップを奪還した大横綱キリンと、商品開発力(サントリー純生、モルツ、発泡酒ホップス、なっちゃんシリーズ、ウーロン茶、鉄骨飲料などなど)、とイメージ広告(「トリスをのんでハワイへ行こう」、ペンギンのアニメCMなどなど)の巧さでは業界一のサントリーの統合は、見事に相互補完しそうな感じがします。
企業の合併・買収がご専門のこの方のブログを読むと、今回の合併話の問題点や、着目点、国際的に見てどんな意味を持っているかが浮き彫りにされています。
その中で特に、世界的な業界水準からに見て、両社(というか日本のビール業界全体)の問題点として「利益率が低いこと」を指摘しておられます。
原因について「広告宣伝費を湯水のように使っていること」をあげておられますが、やっぱりねえという感じがほろよいにはいたします。
原因の第2には「ディスカウンターやスーパーに対する過剰な値引やリベート、PB商品の生産」がありそうな気もしますが、決算書を見ていないので断言はできないです。
ひるがえって、わが日本酒業界ではこのようなダイナミックな合併劇が行われる素地があるのでしょうか。
過去に零細業者の統廃合と経営基盤強化をお題目に、合併がすすめられた時代がありましたが、ほろよいが知るところ、1+1が3にも4にも10にもなった成功例は「いいちこ」の三和酒類(4社合併)と宮城県の「一の蔵」(4社合併)くらいの気がします。
県内にも、各自のブランドを捨てて8社が合併し、統一ブランドを立ち上げられた例がありますが、結局「8社の出荷量の合計>合併後の出荷量」となってしまい、いままでのところ合併による利点を生かしきれていない印象をうけます。
どうやら守りを目的とした合併よりは、攻めを目的にお互いに足りない部分を持った相手との合併の方が、生産的な結果が得られる気がしてなりません。
|