3階建ての 最上階。 あなたの部屋へ向けて続いているコンクリートの四角い階段が とてもとても大きくそびえたっている。
この階段を上って あなたに会える。
両方の足が 体が そんなにいじめないで、って訴える。
ねぇ、でも、だから、あきらめないで。
この階段は あなたへのゴール。
元気になって、 もっと、ちゃんと、あなたを支えられる私になるための
あなたへのゴール。
そのための、必然的なコンクリートのデカイ壁なんだ。
この階段をあなたのおんぶに頼らないで ニコニコ笑って「会いに来たよ!」っていえるようになったときが
あなたとの第一通過点、 折り返しゴールなんだよね。
あたし、がんばるよ。
きれいな景色、地上よりもおっきく吹く 力強い風、 地上よりも 何もかもを 美しくみせる 海の光、 地上よりも堂々と咲いている 植え込みのあじさい、 「ね、この景色を帰ってきてみたら お仕事がんばれちゃうよね」 って言ったあなたに この景色を選んだ後悔なんて、絶対させない。
あたしに必要な最上階までの階段。
あなたからの 生きるプレゼントです。
人には、それぞれの戦場がある。 あなたは毎日あの階段を上って はぁ、と息を抜く。 あたしはあの階段を上って、戦場を たしかめる。
いつも、一番つらいところで待っていてね。 そこまで笑っていけるあたしになりたいの。 ねぇ、待っててね。お願いだよ。
あたし、がんばるよ。
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