思い、願い。。
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中学受験日記。 (上の子(娘)の受験は2004年2月まで)

中学受験日記から4年数ヶ月、その間、3人目出産、起業し・・・

2003年09月25日(木) 最低な母親

ここんところずっと娘と息子の部屋も私が片づけている。
娘は一瞬いるだけでどうしてこんなに散らかせるのか、という位、出したら出しっぱなしでみるみる散らかっていく。それを娘がいない間に片づけるのである。最初は手出ししないはずだったが、それが喧嘩するのももう嫌になったのだ。

とにかく私は夫とのことも解決していなくて、娘に対しても腹が立っていた。

娘も今まで以上に反抗した。

片づけなさい、とか口うるさい私に対して、うざったくて仕方がないのだ。

私は子どもに言ってはいけないことまで口にした。


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娘は大声を出してうなりながら、キレて、部屋中を片っ端に物を投げつけた。
そしてそのまま塾に行ってしまった。

私が掃除した部屋。
私が洗濯した服を着て、私が作った弁当を持って、娘は何も言わず家を出た。

私はしばらく片づけなかった。

夫にメールした。
ひどいことを娘に言った自分、そんな自分が嫌だってこと、娘のこともしかり、今後のこともしかり、話がしたいということを。

「今日帰ったら話しましょう」

と返事が来た。

丁寧語がやけに危険に思えた。

夫が帰ってくると、やはり娘の部屋を片づないわけにはいかない自分がいた。

「もう、ほっとけ。お前の方が壊れるぞ。」
「もう壊れてる。」

夫が覗きに来る。

ちょうど娘が投げつけて散乱した中の、ノートの切れ端を手にしたところだった。

「ママ、死ね」

と書いてあった。

初めてのことに、一瞬時間が止まった気がした。

「ママ、死ね、だって。」

と夫に渡す。

涙があふれてきた。

「パパにも否定され、娘には死ねだって。
なんか、もう生きてちゃいけないのなって思うよ。

パパに馬鹿にされて、娘に馬鹿にされて、私って何なんだろう。

もう駄目だよ。」

「あいつのことはほっとけよ。
あいつのことでいっぱいいっぱいなってるんだろ。」

「それだけじゃない。

もういい。
今日は息子がいるから今は話したくない。」

「今話さなきゃ駄目だ。
何が気に入らない。」

「そうじゃない。
私、40過ぎたら、自分の好きなことやりたい、自分にお金かけたい、って思ってる。
でも、今のままじゃできないんじゃないかって思った。

だって、裁縫が上手にできなくて10年以上も主婦やってて努力してこなかったんだなあ、ってことは、
できない自分は主婦失格って言われてるようなものでしょ。
10年以上一緒にいるのに、未だにそんなことを言われるんだよ。これから先だってきっと言われる。
その都度、自分の存在を否定された気持ちになる。

私が間違ってるのかとも思った。
友達に聞いた。
冗談っぽくね。

そしたらそんなこと言われたことないってっ。
そんなこと言われたら喧嘩するって言ってたよ。
ああ、自分だけじゃあないんだって思った。」

「お前はいいよ。
友達がいるから。
友達に話せて、友達が聞いてくれて、友達かお前の肩を持つ。
俺はお前とは違う。
お前の悪口なんて言ったことはない。

やりたいことがあるならやればいい。
やりたいことがあるなら一緒にやればいいじゃん。

バイク買ったのだって、二人で一緒に遊びに行けるからだし。」

「違うよ。
パパは一人でだってバイク乗りたいからって行くじゃない。
仕事で楽だからって言ってたじゃない。」

「まあ、それもあるけど。」

「二人でやりたいことはやればいいし、そうじゃないこともある。
私がパパと一緒に空手ができないように、私がダンスしたいから一緒にやってって言ったって無理な話でしょ。
それと一緒。

パパが空手の先輩と飲みに行くように、私もその時々会う仲間と一緒に話したり、お酒飲んだりしたい。

私は私なりに頑張ってる。
ずっと頑張ってきた。
ずっと我慢してきた。

友達と飲みに行ったのだって結婚して7年経ってからだった。
話したいこともいっぱいあるけど、話したら喧嘩になるから話せないこともいっぱいある。
友達が夢に向かって頑張ってるって話で「自分は夢を諦めたんだ。俺の前で夢の話をするな。」って怒って、そんなパパに私の夢の話なんて話せないじゃん。」

「何がやりたいんだ。」

「結婚してからだって、デモテープのボーカルの話があって続けたかった。
でもパパは嫌がっていたからできなかった。
友達がママたちでバンド組んでライブやってるといいなって思うよ。
自分もやりたいなって思うよ。

口に出したら恥ずかしいくらいの夢もいっぱいある。
やりたいことがいっぱいある。
これから見つかる夢もある。」

「家庭を壊すのか。」

「そんなんで家庭が壊れるの?
そう思うんだったら壊れるんじゃないの?

あと3年で子どもたちは中学生になる。
そしたら私も自分のために使える時間が欲しい。

私はパパのことが好きだけど、好きだけじゃ一緒にいられないんだよね。

これからもこうやって同じことを繰り返すのはもう耐えられない。
もう終わりにしたい。」

「俺は離婚する気はない。」

お前はお前と同じ思いを子どもにさせるのか、
それでいいのか、

というようなことを続けて言った。

でも、私は子どもには愛情はない、と言った。
どうでもいい、と言った。

その言葉は本当のことでもあるし、本当じゃないような気もする。

夫が私に冷たければ私は子どもに冷たくするし、
夫が私をいじめれば私は子どもにいじわるをする。
私はいわゆる他のお母さんたちのように母性本能というものがない。
子どもがかわいいと思うのは、愛の結晶だからで、
その愛がなくなればかわいくないのだ。
そんな自分も嫌で、ずっと苦しんできた。

夫はそれ以上問いつめなかった。

洗面所で音がして覗きに行くと、息子が一生懸命手のひらをいじっていた。

話している途中でリビングに来ようとして、

「あっちへ行ってなさい。」

と夫が息子を自分の部屋に行くようにしむけた。
だからずっと息子は、ドアの向こう側にいた。

運動会の練習で転んで、石が手のひらに入ってしまったと言った。

「なんで言わないの?自分で触るとどんどん奧にいっちゃうかもしれないよ。そうするととれなくなっちゃうよ。」

「うん。」

「ちょっと痛いけど我慢してね。はい、取れたよ。」

「あっ、ほんとだ。よかったあ。」

息子がかわいそうに思った。
言えずに一人で格闘していたんだから。

何も解決していない。
でも、翌朝にはまた私の頭をなでていた。

そしてやっぱり優しいんだ。

きっと夫は私のことを大切に思っている、と思うんだけど。


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