2002年12月02日(月) |
アルジャーノンに花束を |
原作「アルジャーノンに花束を」は、結婚前に夫が「今まで出会った本の中で自分にとってのベスト1だ」と勧めてくれた本である。
当時、読んだ私も、面白くて一気に最後まで読んでしまった。今までにこんな話は読んだことがなかったし、主人公が頭がよくなり、いろんな事が見えてきたり、その実験が失敗だと気付き退化していく様といい、どうしようもないせつない気持ちになっていったのだった。
夫は、テレビの「アルジャーノンに花束を」を観て、 「よく書けている。脚本がいいんだな。そしてユースケがいい。」 と言った。
私は「踊る大捜査線」の時から、ユースケさんは好きだった。 (好きな役者さんの1人という意) 面白いし、最初は脇役だったけど、「お見合い結婚」「花村大介」は、ユースケ堪能できたしね。
ユースケが、「踊る大捜査線」の真下警部補役に抜擢された件で、ユースケは、「あの役は俺じゃなきゃできなかったんだ」と言った。 プロデューサーが、「あの役は、誰でもよかったんです。ユースケじゃなくてもよかった。」と言ってたのがおかしかった。 誰でもよかったあの役で、ユースケはその後も次々といい役所を演じてきたのだ。 真下警部補が刺されて殺されるシーン、ショッキングだった。 今でも焼き付いている。 覚えていますか? 足がカクンとなって、電話ボックスの側で倒れるの。 水野美紀さんが駆け寄ってきて、血が道路に広がっていくのを見て、自らも血だらけになって叫ぶシーン。 ああ、思い出しただけで泣けてくる。
プロデューサーが、「あの役は、誰でも」と言ったそのテレビで、ユースケがバンドのボーカルをやっていたということも知った。 髪の毛をおったてて、若くて爽やかな、初々しい、ちょっと見てて恥ずかしい感じの、それを見ているユースケの慌てぶりといい面白かったな。
原作の「アルジャーノンに花束を」では、
そういうドロドロした男女関係はなく、テレビはいいとこどりでありながら、主人公の能力の向上と低下に伴う心の動きや葛藤は本当によく描かれていると思った。
結婚してすぐの頃か、「アルジャーノンに花束を」の映画がレンタルビデオにあって、あまりのつまらなさに途中で観るのをやめてしまったものだ。
今の段階で、既に知能の退化を描いているところもいい。 だってこの「アルジャーノンに花束を」という話は、退化していくことを自分でもわかる苦悩が伝わらなければならないからだ。 そして以前のように無垢な大人にもどる。 もしかしたらそれ以下なのかもしれないが、本ではそこまでは描かれていない。
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