息子はかなりの「痛がり」である。
血を見るのが怖いのである。
「水いぼ」になり、病院で、おしりや太股の水いぼを30個くらいピンセットで取られた時は、痛すぎて歩けなくなったほどで。 看護婦さんは、苦笑しながら「大丈夫?」と聞き、 私は息子の態度がとっても恥ずかしかったりしたのであ〜る。
転んで膝を擦りむいたとする。 いつまででもそれを覚えていて、 ちょっと当たったくらいで、 「痛い痛い痛い痛い。」 とわめき、 「ほらね。」 と、ズボンをめくって見せ、 何も怪我してない膝を見て、 「あっ、違った。」 と、もう1つの足をまた見せるのである。
そんな事を繰り返していくうちに、 いつの間にか傷もなくなり、 どっちの足が怪我してたんだかも定かじゃなくなるのであ〜る。
今、息子は乳歯が生え替わっている最中で、 この前、やっと前歯が抜けた。
昔は糸でくくりつけてひっぱったり、なんてしなかったか? 息子は、「友だちはそうしてるよ」と誇らしげに言うだけで、 異次元の世界のことのように感じているようだ。
上の娘は、今ちょうど犬歯あたりがグラグラする時期にきていて、 自分で指でグラグラしてひっぱったり力づくで抜いたりしている。
もちろん息子はそんな事も出来ず、 ただひたすら抜けるのを待つだけである。
かろうじてひっついているような歯も、 決して触らせてくれないし、 歯を磨いている間にポロっと落ちるのが理想らしい。
上の前歯の1本は、そうやって歯磨きの最中に抜け、喜んでいた。
あともう1本。 これがまたかろうじてついてるだけで、 私はひっぱりたい衝動にかられていたが、それを許してくれないので随分と我慢した。
そして、つい先日朝、 「ねえ、誰か寝てる時に僕の歯抜かなかった?」 「知らない。飲んじゃったんじゃないの?うわ〜〜。」 「そしたら、うんちで出てくるでしょ。」
夫が帰ってきてから、 「ねえ、パパ、僕の歯抜いた?」
「うん、そう。」 と恥ずかしそうに息子。
数日後の朝、 「見つかった!」 と嬉しそうに起きてきた。
ベッドから起きたらコロコロっと床に転がる音がして、 もしかしてって探したら自分の歯だったって。
なんだそりゃって思ったものだから、ちょっと記しておこうと思ったのであ〜る。
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