仕事柄、何かしたい(夢を実現させたい)女性達の集まりに、 パネラーとして呼ばれることがある。
話を聞きにきた女性たちは、数百円から数千円の参加費を払い、 パネラーたちは数千円(多い時で1万円)程度の謝礼をもらう。
私の前に座る人たちは、大抵が何かしたいのにまだ何もしていない、 あるいは既に何かしているがそこからどうしていいのかわからない、 もう何かしていて単に出逢いが欲しい、 などなど。
ある時、「何かしたいのならこんなところに来てる場合じゃないよ。」 なんて言ってたパネラーがいて、主催者側も苦笑してたこともあったが。
気の合う仲間と出逢い、後に一緒に仕事をすることになることもあるのも事実なのだ。
つい先日も、お招きいただき、 今まで自分が掲載された雑誌などを資料用として持って行ったりした。 私は人前で話すのは好きではないし 私の話なんてたかが知れてると思っている。 だが、自分の番になると、頭で考える前に勝手に言葉が出てしまい、 サービス精神旺盛になってしまうのである。 自分の恥?をこれでもかとさらけ出し、笑ってもらおうとしているような、 話さなくてもいいような事をベラベラと話してしまうのだ。 前の人たちの目が輝いてくると、余計調子に乗ってこれもあれもと話し続けてしまうのである。
そんな自分が私は嫌いだ。 落ちついて言葉を噛みしめながら話すような人になりたい、 と、毎度毎度、心に誓うのである。
他のパネラーが話している時は、大抵前に座る人たちの表情を見ている。 前の席からだと座ってる人の顔がよくわかるからね。
うわっ、女優さんみたいに気が強そうで怖い感じだな。 あれ?しゃべると結構かわいいんだ、とか。
この人、顔立ちがきれいでスタイルいいんだから、 そのパッチワークのジーンズに深緑のだぼカーディガンはマズイだろう。 せっかく個性的なジーンズなんだから、 上は少しぴったりめで肌を露出した感じで、 髪もいっその事ショートにして少し動きをつけて。。 なんて、自分の事棚にあげてイメージしてみせる。 地味で目立たない彼女が話し始めると、 目がキラキラしていい笑顔だった。 ほら、やっぱり最高な原石じゃないか。
終わった後に声かけて、 「せっかくかわいいんだからちゃんと化粧してお洒落するといいよ。」 とか言ってしまうのである。 「私もそうしたいなって思っているんですけど。。」 「顔の作りはいいんだからいっその事髪の毛ショートにすると顔立ちが映えるよ。」 ホント、大きなお世話である。 >お前に言われたかねえよ、と、自分に思ってしまうのだ。
大抵こういう集まりは終わるや否や、今まで話した事がある人やスタッフに、 「ご飯どうするの?」 と声をかけ、主催者側が用意してくれたお弁当を食べたり、 自腹で食べたりしながら、親交を深めるのである。
結局、私は、変わりたくても変われず、 自分に始まり自分に終わる。
名刺もらって、帰ってすぐ「お疲れ様でした」メールを送り、 後に彼女たちと再会できることを密かに楽しみとするのである。
私はいつも私のままで、 私の周りの景色だけが変わっていく。 変わった景色に、同じままの私が存在する。 永遠に変わり続ける景色は、今のままの私をこれからも受け入れてくれるのだろうか。
それともいつか私も、
ダイヤモンドになった原石たちのように、
変われる日が来るんだろうか。
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